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Prologue
伯爵令嬢の方も更新まちまちなのに突発的に書いてしまいました。更新は本当に気まぐれです。
暇潰しになれば幸いです。
純白のウェディングドレスに身を包み、自慢の長い髪を複雑に結い上げた自分の姿を大きな鏡で見ているのに、そこにいるのは全く見知らぬ人に見えて仕方がない。
本当に自分だろうか。
夢ではないだろうか。
そもそも自分が結婚するなんて実感が湧かないものなのか。
一生に一度の結婚式なのに実感が湧かないなんてもったいない。
相手は長年想い続けた最愛の人なのに。
そもそも私と彼は今でこそ結婚までするような仲だが、第一印象は最悪だった。
遡ること11年前。
4月某日県内のとある小学校。
その年6年生になった私は、元々仲の良かった友達とのお喋りもそこそこに自分の席に着き、当時流行りの携帯小説を読んでいた。
そこに隣の席の人であろう人物がドカッと席に着いて私の方を見て一言。
「ぶっさいく」
存在は知っていたけど話したこともない人から言われるにしてはあまりに衝撃的な一言だった。
決して自意識過剰な訳ではないが顔は標準だと自負していた。