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キスは、狂うっ!

「羽森さんが好きだから、ここに来た」


 亀山くんは緊張した面持ちで、言い放った。


「け、経緯を説明すると、俺の親父が物理の研究者で、時空について研究してるんだよね。そこでの実験で――――」


 亀山くんの説明を、それ以降私は何も聞いてなかった。耳に入ってこなかった。


 頭の中がぐわんぐわんしていて、私は私が何処に立っているのかよくわからなくなっていた。


 地面が揺れている。

 実際には揺れていないけど、もうハチャメチャに揺れまくっている。

 びっくりハウスみたいだ。

 遊園地にあるアトラクション。

 部屋の中の椅子に座ると壁が回転し、まるで自分自身が回転しているような錯覚を楽しむことができるアレ。

 

 高速で壁が、窓が、カーテンが、黒板が、亀山くんが、飛び回っている。


 わ、私、今どうなってるの。

 いやどうなってるも何も、ただ突っ立ってるだけなんですけど。


 うん。私、立ってる。

 現状確認ヨシッ。

 車掌さんみたいになっちゃってる。心の中で指差し呼称しちゃってる。私、何してんの。


 でも少しだけ落ち着いてきた。揺れというか、周囲の飛び回りが収まってきた。ゆっくりになってきた。

 

「羽森さん、大丈夫?」


「え? う、うん、大丈夫……」


「こっち来て」


 亀山くんは椅子を引いて私を席に座らせる。

 私は完全に目が回っていたので、亀山くんが誘導してくれて助かった。

 

 冷たい椅子の感覚がお尻と背中から伝わってきて、妙に私を落ち着かせてくれた。

 多分、毎日味わってる感覚だからなのだと思う。

 視界も通常に戻ってきた。

 

「ごめんね羽森さん。その、やっぱり引いたでしょ?」


「え、何が?」


「俺が羽森さんを好きだって言ったこと」


「え、え、え、いや全然っ! 全然っ! 引いてないよ!」


 亀山くんは私の返答を聞いて、渋い顔をしながら下を向き始めた。


 あ、あ、あ、マズい。

 違う。違う。違うって。

 この言い方だと本当は引いてるけど、相手を不快にさせないための嘘みたいな感じになっちゃってる。

 少なくとも亀山くんは私の言葉を噓だと受け取っちゃってる。


「おおうおうおう、待て待て待て」


 私は亀山くんの下を向く顔を両手でぎゅっと止めた。

 頬がむにっと持ち上がる。意外と柔らかい。でも少しゴツゴツしてる。

 ぐいっと正面を向かせる。


「……」


「……」


 視線が交差する。

 亀山くんの瞳の中に私が映っている。

 

 お、おお……。

 

 私、ここで今、両手を引き寄せたらそのまま亀山くんとキス出来てしまう。

 ここまで男子に接近したのも、見つめ合ってるのも初めてだ。

 

 ほ、本当にキスしちゃって良いのか?


 おいっ!

 おいっ! 私っ!

 私は亀山くんとキスしたいって思ってるのか?

 

 キスだぞ?

 ファーストキスだぞ?

 よく考えろ。私。

 一生モノの思い出を、ここで作るかもしれないんだぞ。


 キス……。

 キスだよ?

 キスだとォォ!?


 うおおおおおおっ!!!

 うぎゃああああああああああああっ!


 叫ぶ、私っ!

 心が叫び狂うっ!


 うごごごごごごごごごごごっ!


 私は馬鹿にしていた。

 ラブコメ漫画の主人公がキス如きでアレやコレやと言っているのを馬鹿にしていた。

 韓国ドラマがキスシーンで美麗な音楽と共にグルグルとカメラを回すのを馬鹿にしていた。

 いや、別にやってみればそんな大したことないでしょ、と。

 口と口をくっつけるだけだよ? と。

 私なんてその先まで行っちゃってるし、書いちゃってるし。妄想で。と。


 私は愚かだった。

 キスは、狂うっ!

 とてつもなく緊張している。心臓が飛び出てしまいそうだ。

 血流が激しく全身に押し流されている。いつもありがとう心臓。でも今は黙っててほしい。お願いだから。


 しかし、止まらないっ!

 心臓の音に支配されている。

 爆音が台風のように私の心を狂い吹き飛ばそうとしているっ!


 うわああああああああ!!

 落ち着け、私ーーーっ!!


 吹き飛ばされるなっ!

 耐えるっ! ンンッ!

 はあああああああっ!!!

 トウッ!


 スタッ。着地成功。

 

 あー。私何やってるんだこれ。

 何が何処に着地成功したの。意味がわからない……。


 でもなんとか考えられるまでは落ち着いてきた。どういう落ち着かせ方なの、私。


 私は今、迷っている。

 キスするか、キスしないか。

 両手を引き寄せたらキスできる状況なのだ。


 考えて、私。

 この先、大学に進学したとして。

 酔った勢いで無理やり奪われたりとか、ポッキーゲームで奪われたりとか、王様ゲームで周りの人達の圧力に耐えかねて奪われたりとか、するかもしれない。

 ウェイ系の遊びまくってる先輩で散らしてしまうかもしれない。

 男の人は力が強いから、避けられない事態が起きてしまうかもしれない。

 

 それだったら、ここでキスしてしまった方がいいのでは?

 ベストじゃないかもしれないけど、ベターってことで。

 安定した選択肢を選んでも、まあ悪くない気がする。


 おいっ!

 おいっ! 私っ!

 譲れない一線はどうしたっ!


 何が譲れない一線なんだっけ?

 そうだ。私の望みはただ一つ、好きな人とキスしたい!


 好きな人だ。好きでなくてはならないのだ。

 これが大事なんだ。私が亀山くんを好きなのか。一番重要なところだ。

 

 私は亀山くんに好意を持っている。それは間違いない。

 絵は凄いと思うし、私の小説を好意的に読んでくれて嬉しかった。


 それは認めよう。

 でも、それって別に恋ではなくね?

 恋ではないじゃん。いや、そもそも何処からが恋なわけ?

 もっともっと好きになればいいわけ?

 私ってそこまで人を好きになれる気がしないんだけど。


 じゃあ、この心臓は何?

 バクバクし過ぎて、いくら落ち着かせようとしても落ち着かないこの心臓は何?

 

 あ~! 待って待って。体に引っ張られるのは嫌だ~! 吊り橋効果嫌だ~!

 ホルモンバランス乱れて嫌な気分になるのと同じじゃん。

 あの気分、完全に体によって作られたものだから私嫌いなんだよな~!


 本当の気持ち。

 それが大事なのに、確かめる術がない……っ!

 今の気持ちが恋か、好意か、わからないっ!


 考えろ考えろ私。絶対に疾走するなー。ここは人生で一番重要な局面だと思え~。

 

 ジャッジするのだ。冷静に。

 亀山くんは恋人として相応しいのかを考えていこう。私の恋する相手足り得るのか。


 まず顔。

 私は目の前の、私が両手で頬を潰している亀山くんを見た。

 

 普通だ。まあ悪くない。とても良いって訳じゃない。

 しかしイケメンは浮気しやすいと聞くし、これぐらいがちょうど良いような気がする。

 一年前の亀山くんよりも少し大人びているし、ちょっと痩せてる感じがする。一年で運動始めたのかな。


 次に身長。

 亀山くんは私よりちょっと高い。

 一年前は私と同じぐらいだったと思う。多分遅れて伸びるタイプなんだと思う。

 私より高ければ正直何でもいいからOKだ。

 私もちょい身長高めな方だし、あんまり身長差あってもね。

 ヒールとか絶対辛いだけだし。あれ足の形が骨まで変容するのに大人は何で履いてるの?


 最後に年収。

 学生時代だからって容赦はしない。男が稼ぎそうかを見極めるのはいつだって女の勤めだ。


 戦国武将へ嫁いだ女達に選択権はあまりなかったが、それでも良い嫁ぎ先を見つけるために努力は欠かさなかった。そして嫁いだ後も、夫を導いたりした。

 

 亀山くんはどうだ……?

 

 羽森アイが亀山くんを射抜く。


 うむむむむむむむむむ。ぴこーん。

 

 いや、もうめちゃくちゃ稼げるタイプでしょ。

 あんだけ絵がうまいのなら、SNSでバズり散らかして仕事だってホイホイやってくるに決まってる。

 集中力だって並外れている。稼げる要素しかない。


 オイオイおいおいおいおいおい!


 全然悪くないじゃん。

 価値観だって、同じ創作する立場だから共通する部分があるし。


 ちょいちょいちょいちょいっ!

 

 正直、私は亀山くんの悪いところを見つけようとしてた。

 自身の持った好意を否定しようと、心のどこかで思ってた。

 でも、良いところしか見つからなかったんだけどっ!

 何が起こっているの!?


 いや、待て。

 悪いところはある。

 噓をついていることだ。

 今、この瞬間も嘘をついている!

 これだけは聞き出さなくちゃいけないっ!


「ねえ、この世界が崩壊するって、本当のこと?」


「はふはふあふあふ」


 忘れてた。

 私は亀山くんの頬に当てている両手を少し緩めた。

 離すと主導権を奪われる気がするので、緩めるだけだ。


 亀山くんは私の目を真っすぐ見つめて、答えた。


「世界が崩壊するのは、本当のことだよ」


 カツンと窓を何かが叩いた。

 上に落ちてしまったため、よくわからなかったが多分、瓦礫だ。

 外ではいろんなものが空に落ちている。

 車、砂利、ソファ。テレビ。トラック。ゴミ袋。服。

 

 遠くでは大きな水の塊がゆっくりと宙に浮き上がっていた。たぶん、海だ。


 もしかして、本当に世界は崩壊するの?

 

 この部屋は何も起きていない。普通だ。


「私と亀山くんがキスすれば、崩壊が止められるってことも、本当?」


 これだ。これだけはどう考えてもおかしい。

 百歩譲って。いや、千歩、一万歩譲って、亀山くんが未来から来たことは了解した。

 

 確かに亀山くんは記憶よりも顔が大人びている。

 これはカードよりもずっと信憑性がある。

 今なら顔をしっかり見た後だし、顔面を触っているから特殊なメイクでもないとわかる。


 世界が崩壊しかかってるのも、仕方ないから納得してやろう。


「そう。羽森さんがここでキスをしないと、世界の因果が崩れちゃうんだ」


 そこだよ。おかしいのは。

 なんでだよ。人のファーストキスが世界の因果握ってるわけないでしょ。

 もしそうなら、今頃、世界の因果崩れっぱなしだよ。


「どうしてかはわからない。俺だって聞きたいぐらいだ。でも羽森さんは凄くファーストキスにこだわりがあるみたいだから、こだわりが叶った世界と叶わなかった世界で、大きめのズレが起きるのかなとは考えられるけど……違うかもしれない」


 はあ~~~~?

 こだわり~~~?


「こだわりっていうか、ファーストキスは好きな人としたい。それだけ」

 

 普通でしょ。全然フツー。

 客観的にみても(参考文献:私)、全くズレてない意見だと思う。


 亀山くんはキョトンとした顔をする。


「え、羽森さん、本当にそれだけ?」


「本当にそれだけ」


 亀山くんは考え込むような顔をした。

 このまま集中されたら、また待たないといけなくなる。


 私は亀山くんの頬をむにゅりと持ち上げて、彼の集中を阻止した。


「あ、あの……羽森さん。手を離して欲しいんだけど」


「それは嫌」


 この状態だったら無理やりキスを迫られても拒否できる。

 それにこれ以上近づかれたら、私の心臓が飛び出て何処かに行きそうなのだ。


「羽森さんの顔が目の前にあるせいで、その、さっきから緊張しっぱなしで」


 私だって心臓のバクバクが止まらないのだ。

 冷静に冷静にと努めているけど、息もちょっと荒くなっている。私の息、臭くないかな?

 気付かなかったけど、向こうの息もちょっとだけこちらにかかってきてる。


「う、嘘じゃないの? 余裕あるように見えるけど」


「本当に全然余裕ない。片手借りても?」


 怪訝に思ったが、私はこくりと了承した。


 迫られたキスを拒むのは片手で十分だ。大丈夫。何かあっても一応、拒絶できる。


 亀山くんは慎重な動作で私の片手を掴み、自身の胸へと誘導した。

 夏服、白のカッターシャツの感触が手のひらから伝わってくる。


「えっ」


「ど、どうかな。羽森さんわかる? さっきから俺の心臓の音がうるさくて仕方ないんだ」


 ちょちょちょちょ。待って待って待って。


 私も鼓動が激しくなっているのに、男子の胸板を触るという行為で更に私の鼓動は高鳴った。

 男物の制服、初めて触った。

 ただのカッターシャツなのに結構硬い。


「余裕ないの、伝わるかな。本当に緊張してる」

 

「い、いや、私も心臓ヤバくて、その……あんまりわかんない」


 亀山くんのせいでヤバくなったんですけどっ!

 私の心臓が動きまくって、全身が熱い。

 血が沸騰してしまいそうなんですけどっ!


「そっか、うーん」


 亀山くんは私の手を離して、自分のカッターシャツの第二ボタンをひとつ外した。

 

 何するの。と疑問に思ったそのとき、亀山くんは再び手を取って、服の中へ誘導したのだ。


「えっ、えっ」


 混乱して止める間もなく、私の手はするりと亀山くんのカッターシャツの中へと入っていった。

 直に亀山くんの胸へ触れた。


「これで伝わる? 俺が凄く緊張してること」


 ちょちょちょちょちょちょちょっっっっっっっとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!!!!

 待て待て待て待て待て待て待て待てえええええええーーーーーーーーっ!


 おまえ本当は余裕あるだろおおおおおおおおおおおおおっっっっっっ!!!!!!


 手のひらから、硬くて熱い感触が伝わってくる。亀山くんの胸の中で激しい鼓動が起きていた。


 私は初めて男子の胸板を直に触るという事実に、全身が湧き上がるように熱くなった。炎の中にガソリンをぶち撒けたかのように、燃え広がっている。


 私の顔、絶対真っ赤になってる。

 もう抑えきれない。胸の奥で真夏が暴れている。


 確かに亀山くんは緊張していて、余裕がないのかもしれない。

 でも私の方が余裕がないっ!

 

 おいっ!

 おいっ! 私っ!

 ここで止まるな! なんか言い返せ!

 言葉を失うなっ!

 小説を書いてる経験から語彙を捻りだせっ!

 今はとにかく余裕っ!

 余裕を見せるのだっ! ここで負けるなっ!


「ど、どどど、どうして肌着、着てないの……?」


 そうじゃないでしょうがあああああああああああああああ!!!

 

 ふーん。緊張してるって意外にかわいいね。とか言うべきでしょおおお???

 しかも、私どもってるぅぅ!!


 あ、いや、もう心臓ヤバいって先に言っちゃってるんだった。

 今更余裕見せたところで滑稽に映るだけじゃん。あぶねー。セーフ。

 いや何にもセーフじゃないんだけど。

 アウト超えてドボンなんだけど。


「6限が体育だったんだ。俺が居た未来の話だけど。あのとき本当はもう家に帰るだけだったし、着てた肌着は脱いだんだよ」


 気づかなかったけど、確かに亀山くんの胸はちょっと濡れている。

 

 そういえばそうだ。亀山くん、一年後から来たんだ。


「未来にはちゃんと帰れるの?」

 

「いや、帰れないかもしれない」


「私とキスしないと帰れないってこと?」


「あー……」


 言いにくそうに、目をそらした。

 それも数秒のことで、きちんと亀山くんは私を真っすぐ見て答える。


「キスしないと、俺は間違いなく帰れない。俺が居た未来は、羽森さんがキスした未来だから」


「私がキスしないとどうなるの?」


「世界が崩壊する……はずだけど、実際のところはわからない。案外、未来は続いていくのかも。ただ少なくとも俺が未来に帰れなくなることだけは、確実だ」


 亀山くんは嘘をついているようには思えない。

 真剣に答えてくれている気がする。

 

 これが噓ではないのだとしたら、亀山くんは最初から誠実だったことになる。

 キスして欲しいと言う割には、無理やり迫って来なかった。謝っていた。

 絵を描き始めたのは謎だけど。


「正直、俺はここにくるまであまり考えていなかった。キスを強要することが、一体どういうことなのか」


「うん」


 人工呼吸と同じだ。

 命の危機という緊急事態になったとき、普段持っている乙女の心やプライド。譲れない一線なんてものは捨てなければならない。

 そこに個人の意思は重視されなくなる。

 戦国時代の姫と同じだ。中には三歳で政略結婚させられた姫もいる。

 

 私は、亀山くんのために、あるいは世界のためにファーストキスを使わなければならない。

 譲れない一線を捨てなければならない。


「急に、恥ずかしくなったんだ。そんなことにも気づかないなんて。だから、その、絵に逃げたんだ」


「うん、わかるよ。その気持ち。私もそうだから」


 私も小説に逃げることがある。

 人は夢中になることでしか、罪悪感とか、不安からは逃げられないと私は思う。

 小説を書いてるときは、嫌な気持ちを忘れられる。

 

 亀山くんはそれが絵なのだろう。私にとっての小説が、彼は絵なのだ。


「最終的な判断は、羽森さんに任せようと思ってる」


 今は二人きりだ。

 これがもし、第三者、他の人達がいたとしたなら私はキスせざるを得なかっただろう。間違いなく強要されていた。

 客観的にみて、私はキスしないと責められる立場にあると思う。

 

 私に非はない。

 けど人工呼吸や戦国時代の姫と同じで、人間社会には時折、自分を犠牲にして尽くさなければならないときがある。

 

 いわば緊急事態だ。

 そういえば最初から緊急事態であることを亀山くんは伝えていた。

 聞いていなかったのは私だ。

 もちろん、最初から信用するのも無理だと思う。

 でもわかるのだ。亀山くんの言葉使いや姿勢を見れば。

 

 ここまできて全てドッキリのためのセットだったら、私は盛大に腰抜かすだろうな。

 

「どうして判断を私に任せるの?」


「世界が崩壊しても、羽森さんのファーストキスの方が大事だから」


 ~~~~~~~~~~っ!


 胸の奥で暴れている真夏が、全身から噴き出して外に出てしまいそうだった。


 こいつ、こいつ~~~~~~~!!


 マジか、こいつ。マジで言ってんのかっ!


 さっき私がキスしないと帰れなくなるって言ったよね?

 それって家族や友達とも会えなくなるってことでしょ?

 自分の育んできた人間関係よりも、世界の崩壊よりも、私個人の意思の方が大事ぃ~~~~~?????

 いくら好きな人のためだからって、そんなことまでする?

 

 愚かっ!

 愚かすぎるっ!

 愚かさ極まっているっ!


 男子は馬鹿って聞いてたけど、ここまでとは思わなかった。

 

 でも。

 馬鹿だとは思うけど。

 その馬鹿さ加減にときめいている私がいる。

 

 私もほとほと馬鹿なのかもしれない。


 決めた。

 乙女には一歩踏み出さなければならないときがある。

 

「亀山くん。私とキスしてください」

 

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