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スキルと向き合おう

冒険者ギルドで無事冒険者登録が終わり、細かな説明を聞くも、取り敢えずは冒険者としての活動はしないが、薬草の見分けに自信がある為薬草採取だけするつもりだと伝えた。


「では、薬草を採取した際はこちらの窓口までお持ちください。こちらの冊子に通年買い取り対象の薬草が載っておりますが、採取時期も異なります上、品薄等により買い取り金額が上がることもございますので時々冒険者ギルドを顔を出す事をお勧めします」


「ただ、くれぐれも結界の外に行かないこと、結界から出なくても結界の近くに行く際は出来るだけ複数人で行くこと、単独で夜間の採取に向かわないこと、常に周りを警戒して気を付けて採取してくださいね」


真剣な目で注意され、モンスターは勿論のこと、崖などの自然にも危険もあるのだと気を引き締める。


「また、調合された魔法薬も買い取り対象です。効果が高ければ買い取り金額も高くなりますし、独自の薬が完成したらこちらでも簡易なものになりますが特許も取れます。

あまりにも画期的な薬なら王都で正式な登録が必要ですが、別途論文等も書くことになりますのでその時改めて説明しますね」


冒険者ギルドでは、登録の際、判明したスキルも確認される。なぜなら希少なスキルや危険なスキルなら冒険者ギルドで把握する必要があるからだ。

例えば、《火魔法》や《爆発》スキル持ちなら火事の危険があるのでスキル使用時に周囲の確認の徹底を念押しする。

今回は《調合》スキル持ちで、元々魔法薬作りで名を売れていた男爵家の人間だから魔法薬を作りそうだ、本人も料理等の作業が嫌いではないようだし、と茶目っ気に笑いながら応援してくれた。



家に帰り、判定式で判明したスキルを家族に話す。

すると家族も嬉しそうに笑い祝福してくれる。


「でも《調合》に《凝縮》スキルだよ?ちょっと地味なスキルだよねぇ」


少し冴えない顔でそう零すメルティに家族は驚く。


「あら、私はメルティらしい素敵なスキルだと思うわ。思えば貴方は幼い頃からお母様の料理の作るところを楽しそうによく見ていたもの。《凝縮》はちょっとよく分からないけど、きっと貴方らしく使いこなせるわ」


「そうだね。正直もっと攻撃的なスキルだったらどうしようかと思っていたんだ。危険なのは勿論の事、おっちょこちょいなところもあるから心配だったんだ。

それに僕らは皆いわゆる冒険者向きのスキルを持っていない。相談されても恐らく効果的なアドバイスは出来ない」


長姉は優しく、長兄は少し後ろめたそうな顔でメルティを励ます。


「そうねぇ。メルティはお祖母様に似たんじゃないかしら?お祖母様は魔法薬の名人だったもの。きっと書庫にメルティの力になれそうな書物があるはずよ。

それに、私のスキルのひとつは《植物成長促進》だもの。《調合》スキルと相性が良いわ。いつでも相談してね」


「そうそう。そもそもこの辺りは薬草が豊富なんだ。きっとメルティのスキルはよく使える。まずは簡単な薬から試してごらん?」


家族みんなに応援され、まだちょっぴり腐っていたメルティも持ち直す。


「うん!みんなありがとう!

そうだね、色々調合してみたいな。そしたらお祖母様の栄養剤も作れるようになるかも!」


「え゛…すっごく効くけど、ものすっごく不味いあのお祖母様印の栄養剤!?

む、無理しないで、いいんだよ?」


「あなた、楽しそうな娘のやる気を削ぐようなことを言うのではありません」


父親の脳裏に栄養剤を持って迫る己の母親の姿が過ぎる。かつて父親は自分の限界をよく見誤っては過労や風邪で倒れ、栄養剤にお世話になっていた。

だからこそ人一倍その味と効果をよく知っている。

しかしやる気満々になった末っ子娘に強く言えず妻にも冷めた目を向けられ、父親はひとり顔を引き攣らせているしか出来なかった。



***



翌日からメルティは魔法薬の作り方について勉強を始めた。夢中になり過ぎる娘を危惧して、まずは学業を優先すること、夜中までやらないこと等を約束した上で書庫の閲覧許可を得たのだ。


そこでまず知ったのは、《調合》などのスキルがなくでも調合自体は出来ること。

ただし、《調合》スキルがあれば工程をまとめて行うことも時間短縮も可能で、更に魔力による効果・効力の誘導が出来るらしいのだ。

特に時間短縮は魔法薬作りにとても効果的で、作成中の気温や状態の変化による変質を限りなく抑える事が出来るので、品質も高水準になりやすいとのこと。

また、書物には薬草によっては魔力に反応して効果の変質や消失があるのでそこは注意が必要との記載もあり、なかなか奥が深そうだ。


《凝縮》スキルは、《調合》スキルととても相性が良く、《凝縮》スキルを行うことで魔法薬の効果を飛躍的に上げられるかもしれない。


残念ながらこの《凝縮》スキルは、屋敷の書庫も領の歴史や錬金術、魔法薬についての本に偏っていた為、あまり活用の仕方が分からなかった。

活躍の場が少ないのか、少なくともこの領ではメインで使われている話を聞いたことがない。精々土壁作りに使われるくらいだ。



学校からの帰り道、メルティはおもむろに泥団子を作りだす。

少し大きめに丸め、綺麗な球体になったところで《凝縮》スキルを使って堅固にしてみた。

思ったより均一に凝縮させるのが難しい。

1つ目は割れてしまい、2つ目は歪んで不格好。

3つ目でようやく納得のいく泥団子が完成した!ところで我に返る。


違う、そうじゃない。


子供の頃のように遊んでいたと恥ずかしくなったメルティは、大砲の弾のように黒々と鈍く光るその泥団子をその場に捨てて無かったことにした。

スローペースに更新したいと思います。

少なくともタイトル回収まではあまり間を開けずに更新したい…!

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