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勇者にこの世から追放された俺は妹の自己犠牲で生き返る〜妹を蘇生するため、全力で魔王討伐を目指します〜  作者: マグローK


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第58話 巨大ゴーレムの対処法

「それで何をすればいいんだ?」


 今、俺たちはゴーレムの攻撃を回避していた。


 拳が高速で降ってくるせいでゆっくりと作戦会議とはいかない。


 もっとも、かわせない攻撃ではない。問題はどう安全に対処するかだ。


 そのため俺は、ヨーリンからゴーレム討伐のアイデアを聞いているところなのだが。


「……」


 当のヨーリン本人は黙ったままだ。全く喋ろうとしない。


「お、おい?」


「いいですか?」


 改めて俺が呼びかけると考えがまとまったかのように話し出した。


「驚かないで聞いてくださいよ?」


「それくらいの時間はあったからな」


「では、こういう相手はバカ正直に戦うだけ損ですわ」


「いや、倒し方を聞いてるんだが?」


「ですから倒し方を教えているんです」


「でも、ゴーレムをどうにかしないとだろ?」


「ゴーレムではなく本体を狙ったほうが効率がいいってことです」


「なるほど」


 確かにその通りだろう。


 ずっと声はしているわけだし、どこかにこのゴーレムを操っている術者がいるはず。


 それは俺だってわかっている。操っているやつが倒れればゴーレムが動かなくなるそれもわかる。


「本当にできるのか?」


「ラウル様はすでにゴーレムを無視して縦横無尽に移動できています。近くに身を潜ませている相手を倒すなんて造作もないはずです」


「うーん。ずるくね?」


「相手は姿を現さないで戦っています。このことの方がズルいはずです。おそらくゴーレムはまともにやっても倒せませんし、せっかくならここで相手を一泡吹かせてやりたくはないですか?」


「言われてみれば確かに」


 となると、本当にゴーレムではなく声の主を倒せばいいのか。


 だが、それがわかっていれば始めから声の主を叩いて小さい方のゴーレムに邪魔されず脱出できた。


「でも、この近くに本体なんているのか?」


 今のところゴーレムを動かすことができるようなやつを見た覚えはない。


 そんなやつが息を潜めていられる場所も見当たらない。


 どこもかしこも壁、壁、壁。


 縦に掘られた後、横に掘られた洞窟といったところだ。


「そもそも近くに自分がいて、こんなに無造作な攻撃をゴーレムに指示できるか?」


 俺は先ほどから地面を走り、壁を走り、ゴーレムの攻撃をかわしていた。


 どこに対してであろうとゴーレムは拳を勢いよく殴りつけクレーターを残している。


 唯一、一番奥にあたる部分の壁に対してはなぜか動きが鈍るが、それだってほんの数秒の話だ。


「ガラライだってこんな攻撃はかわせない。正直、ゴーレムの操作をしながら移動できるような状況じゃないだろ」


「確かにその通りです。ですが、ラウル様もここらを全て見たわけではないはず」


「まあ」


「それに、操作能力は近ければ近いほど強力に操作することができます。逆に言えば、ここまでの巨体を動かすとなると、近くでなければできないはずです」


「なるほどな」


 そりゃバカでかい岩を動かすのは、俺だってできるがやりたくはない。


 となると、スキルで扱うにしてもそれ相応の力が必要ってわけか。


 なるほどなるほど。確かに納得のいく話だ。


 先ほどまで俺のいた場所を誤差なく殴っているのも近くにいるからこそ正確にコントロールできている証拠か。


 ヨーリンって俺に対する時のテンションがおかしな感じだったが、戦闘に関してはどこまでも冷静なんだな。


「さすがだな」


「それほどでもないですわ。でも、ラウル様次第です。どうされるんですか?」


「どうするんです?」


 ガラライまでも俺を心配そうに見てくる。


 体力の方は全く問題ない。


 あとはゴーレムをどう対処するか、そう、本体の居場所を見つけるだけ。


 心当たりはある。


 俺だってゴーレムの挙動が少し鈍る場所くらいは把握している。これでも俺の能力は全て強化されてる。目もいいんだぜ。


「ガラライ。さっきまでよりしっかりつかまっとけ。こっから飛ばす」


「やるんですね」


「ああ」


 返事をするとガラライが俺をギュッと強くつかむ。


「そう言ってくださると思ってましたわ」


 嬉しそうなヨーリンの声を足元から受け、俺はちょうどこの空間に入って来た位置に立った。


 今、ゴーレムが背を向けている場所。


 この場所の最奥に当たる壁を殴る時だけはゴーレムの動きが鈍っていた。


 怪しいとすればあそこ。


 ゴーレムのスピード的に、拳で潰してしまい背後に回られることなど考えてもいなかったのだろう。


「行くぜ」


「ハイ!」


「うおおおおおおお!」


 俺の叫びに遅れて背後からゴーレムの拳が地面に振動を伝える。


 俺は揺れる地面を蹴って跳び上がった。


「くらえ!」


 真っ直ぐにジャンプすると、ゴーレムが次のパンチを繰り出すより早く、俺はゴーレムが殴らなかった壁を蹴破った。


「は?」


 壁が壊れる音とともに人の声が聞こえてくる。


 他の壁とは違い、一段と薄かった岩の奥には、人が暮らせるだけのスペースがあった。


「な、なんだ! 無敵のゴーレムを倒すことなく無視してここに入ってくるなんて。ず、ズルだぞ! ルール違反だ!」


 つばが飛ぶほどの大声を出しながら子どもみたいな見た目の男が俺に対して言いがかりをつけてきた。

いつも読んでくださりありがとうございます。


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