合戦 魔王レイナの逸話
魔王討伐軍
北方騎士団6000
聖神教団兵10000
傭兵団3000
聖神騎士団5000
諸王国軍連合25000
計49000
魔王軍
魔王親衛隊1500
セバス公軍3000
平民弓箭兵6000
リザードマン傭兵3000
ケンタウロス騎兵3000
ゴブリン5000
高機動ゴーレム2
計21502
本編の設定が前提にあります。
高機動ゴーレムの解説。
魔王の容姿や名前は、そちらを参照してください。
うん。落丁本作戦らしい、不親切さだ。(ごめんなさい)
秋頃にカクヨムさんにもう少し膨らませて投稿予定です。
「やってられるか!お前、俺の代りに伝令を2〜3人連れて本陣へ行け。」
陣に戻ってきた騎士団長閣下が喚き散らしている。
武人だが、普段は比較的冷静な方なのに何があったのだろう。
「聞こえなかったか?副団長、本陣へ行け!」
再度の御命令に従者に馬を引いてくる様に命じてから団長閣下に話しかける。
「閣下、本陣で何があったんです?」
名誉ある北方騎士団長をここまで激怒させるのだから、余程の事だろう。
今、我々北方騎士団はランドルト平原で魔王討伐軍の一軍として最右翼に布陣している。
本陣は軍の中央後方の聖神騎士団に開設されているから馬なら、すぐ着く距離ではあるのだが戦場でも会議でも情報なしに乗り込む無能は副団長にはなれない。
「明日の魔王軍との決戦を前に会議を開くと聞いて本陣に行ってきたが、本陣の奴ら何を話してたと思う?」
怒りが、おさまらないのか団長閣下は歩きまわっているが、自分の問いかけには答えてくれた。
「魔王を討った後の凱旋式の席次について真剣に話しているんだ。相手を舐めるにしても程がある!」
なるほど、これは閣下の嫌う所だ。
魔王軍は兵力は半分以下ではあるが、魔王が布陣した丘を中心にゴブリンを工兵として使い防御陣地を築いて待ち構えている。
また魔王の天候操作によるものか、ここ数日雨が続いており平原は所々が泥濘んでいて、兵を連携して動かすには事前準備が必要だ。
それを何の話もせずに無駄話をしていたのでは武人の閣下が怒るのは当然だろう。
「それで閣下、どこの席をご希望ですか?」
ここは冗談にしてしまい本陣の様子を早めに見てくる方が良さそうだ。
「どこでもいい。もし凱旋式とやらの席が用意出来るのならな。」
閣下は不機嫌そうに答えた。
翌朝
朝霧が晴れると空は快晴だった。
昨日、自分が本陣を訪れた時には既に前祝とやらの酒宴が始まっていて、作戦らしい作戦は何も決まっていない。
朝一で各将に本陣への参陣が求められたが、閣下は自軍に残り独自に兵を動かすと宣言し、かわりに自分が本陣へと馬を走らせている。
昨夜閣下と話したが、今回の合戦は危ういかもしれない。
本陣に付くと総大将の聖神騎士団長が敵本陣を魔術で拡大させて見ていた。
相手魔王はこちらの総大将よりも幼い少女。
黒い革鎧に兜はつけず、簡易王冠を、ちょこんと頭に載せ輿の上に胡座をかいて座っている。
が、こちらに気が付いたか、突然立ち上がり中指を突き立て、その中指でアカンベェをして見せた。
幼い少女らしく可愛らしい挑発だったが、総大将を始め諸国国王のプライドを酷く刺激したようだ。
「傭兵隊は戦場から離れつつあるゴブリン部隊を追撃なさい!」
戦場から離脱してゆくゴブリンなど捨て置けば良いものをワザワザ追撃を出した。
傭兵隊長は憮然とした顔で出てゆく。
「傭兵にはゴブリン討伐ぐらいの武勲が順当ですな」
誰かが、そう呟き笑い声が上がった。
「諸将の皆様は前進して、あの生意気な小娘の首をお取り下さい。」
「1番手柄の方には、わたくしが特別な祝福をして差し上げますわ。」
大司教の愛人と噂される聖神派諸国一の美女。
少女のあどけなさと娼婦の妖艶さを合わせ持つ不思議な女。
その激励が効いたかは知らないが諸王や教団兵長が我先にと本陣を出てゆく。
「北方騎士副団長殿はゆっくりですのね。」
結局最後になってしまった自分に皮肉を込めて総大将が声をかけてきた。
「早い男は嫌われますからね。」
微妙な返しをして自分も本陣を離れた。
昼前
なし崩し的に始まった合戦は既に3度の突撃がかけられたにも関わらず決着がついていなかった。
魔王側はケンタウロス騎兵と魔王の馬廻りだけを丘の上に残し、正面を固め丘の左右から弓箭兵が雨の様に長弓を射てくる。
こちらのクロスボウ兵は射程と連射力の差で早々に射倒され機能していない。
指揮がしっかりしていれば、弓箭兵に突撃かけさせるなど手はあるのだが、諸将はバラバラに戦い、そして射倒されるか中央に辿りついても撃退され続けている。
どうやら戦死した王や戦場を離脱した王もいるらしい。
我々北方騎士団は最初に布陣した所々から全く動いていない。
まぁ前進しようにも、戦場が混み合い過ぎ前進出来ないのだが……。
4度目の突撃を退けられた時に敵に動きがあった。
魔王本陣に突っ立っていた2体のゴーレムが丘を駆け下り、魔王軍の陣を跳び越えて、退却する討伐軍に踊りこんだのだ。
聖神教団兵がすかさず前進し全軍の崩壊は防いだが、ゴーレムの1体が全身から可燃性の液体を噴き出し大爆発を起こして教団兵長は戦死。
その時既に諸王国軍も半分が離脱するか壊滅するかしていた。
(残ったゴーレムはタイミング良く敵本陣に退却した。魔族の技術は恐ろしい。)
突然、総大将が単騎、我々の陣を訪ねてきた。
「北方騎士団長殿、何故戦わないのですか?」
到着早々閣下を詰問する。
「敵の待ち構えている所に攻め込めるか!それに兵が渋滞しておる。前進など出来ぬ。」
「武名で鳴らした北方騎士も腑抜けたもの。我と共に戦おうという勇気ある者は、おらぬのか?」
「そこまで言うなら、自らの兵で戦われるが良い!」
「腰抜けめ!覚えておきなさい!」
総大将は本陣へ戻り、その後聖神騎士団も含めた5度目の突撃が始まった。
「閣下!そろそろ、お下知を」
5度目の突撃は中央部に取り付き激戦の様相を見せていた。
相手の弓箭兵に疲れが見え矢の雨が衰えてきたからだ。
「良し、突撃をかける!」
号令一下我々騎士団は前進を始めた。膠着していた戦況が変わり、敵陣を押し込み始める。
そして敵陣を突破出来ると思った瞬間。絶妙なタイミングでケンタウロス騎兵が丘を駆け下りてきた。
乱戦になった。
最早互いに予備兵力はない。
いや違ったか?
「サブロス!掻き回すんだよ!」
少女の声が戦場に響き、ゴーレムが再度突撃を見せる。
「聖神騎士団長、討ち死に!」
その声は突然聞こえた。
総大将が戦死した?兵達に動揺が奔る。
「聖神団長の首だ!」
リザードマンの槍の先に、あの女の首が掲げられている。
「押し出すんだよ!」
再び少女の、魔王の声が響き、我らが軍は崩れた。
「弓箭兵、射掛けるんだよ!奴らを生きて帰しちゃダメなんだよ。」
馬を駆る後方から声が聞こえる。
そこから、どうやって離脱したかは覚えていない。
ただ、閣下も戦死なされ、騎士団領に帰り着いた兵は半分に過ぎなかった。
魔王軍はロングボウ戦法を取りました。
冷夏がマドウと交信出来る様に、レイナはマオウと交信出来ます。
因みにゴーレム3号機がサブロス。
4号機がシロスです。
シロスは組立てが甘かったので……。
私の黒歴史がまた1ページ。