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追放された召喚術士、しかたがないので農業をはじめる  作者: ウツロ
二章 ほっといてくれないんなら反撃するしかないよね
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十九話 にがさん!

十八話 エムの仕返しリストを追加しました

「オラ―、でてこい」


 ナベを木の棒でガンガンたたき、ピクシーをよぶ。

 

 ……来やがらねえ。

 リアルかくれんぼでもするつもりか。

 

「ふん、バカが」


 契約したことをわすれたか。おまえは俺から逃れられないのだ。


「ピクシー召喚!」


 さっと手をかざすと、地面に魔法陣がうかぶ。

 それは白から赤へとかわると、バツの悪そうな顔をしたピクシーがあらわれた。


「オメー、チャームの魔法つかったろ」

「え~と、あの、その~……テヘ!」


 かわいらしく舌をだすピクシー。

 その手にはのらん。


「おら!」


 デコめがけて、ぱちこーんと中指ではじいてやった。

 ピクシーは「ふぎゃ」と声をだしながら森のおくへと飛んでいく。


 あ、しまった。ちょっとやりすぎたか。

 大丈夫か~。呼びかけるが返事はない。


「ピクシー召喚!」


 魔法陣からあらわれるピクシー。

 目をグルグルまわしながら、あおむけにひっくり返っている。

 よかった。ぶじだ。いがいと丈夫だな、ピクシーって。


「おい! 大丈夫か」


 胸元をつまんでゆする。


「ハゲ、ほげ、ひげ……」


 だれがハゲじゃい!

 さらにゆする。


「オゲゲゲゲー」


 ピクシーは朝飯をぜんぶ吐いた。




――――――



「じつは、カクカクしかじかというワケでして……」


 床にチョコンと正座したピクシーの話によると、彼女は村を追いだされたのだそうだ。

 なにやら特異体質らしく、無意識にもかかわらず周囲にチャームのこうかをあたえてしまうんだと。

 それで旦那や恋人をうばいまくり、女たちから総スカン。

 村にいられなくなり、ながれついたのがこの世界だった。


 いや、そんな恰好してるからじゃね? とも思ったが、チャームの効果は絶大だ。

 食らってわかるその威力。自覚もなければいつかけられたのかもわからない。恐ろしい魔法だ。


 俺が思うに……たぶん、目だな。

 目を見つめつづけてると術にかかる。思い返せば契約の時点であやしかった。

 おかしいと思いながらも、深く考えることを放棄していたのだ。


 また、本人の体質ってところも悪かった。なにせ危害をくわえるつもりなどないのだ。契約によってはじかれることもない。

 う~ん、どうすんべか……


 まあ、目をみなきゃ大丈夫か。

 なるべく正面に立つのをさけ、ケツかチチでも見ときゃいいだろ。

 うん、それがいい。それがおたがいにとって最善策だ。



「よ~し、じゃあさっそく仕事をしてもらうぞ。おまえにはある人物の調査をしてもらいたい」


 パン! と手をたたいてそう言うと、ピクシーは驚いた表情をみせた。


「え! 追い出さないの?」


 おいだすワケねーじゃん。それじゃあジェイクたちと同じになってしまう。

 おたがい歩みよって、それでもダメなときに別の道をすすめばいいんだ。


「おまえの力がひつようだ。それに約束だしな。俺は家をつくる、オシャレになるかはわからんが家具も。だからおまえは、しっかりと自分のつとめをはたすんだ。わかったな」

「うん!」


「うん、じゃない。ハイだ。じゃ、行こうか」


 そう言って手をさしだすと、ピクシーは手のひらに飛びのった。


「わたし、ルディー」

「俺はエムだ。よろしくな」


「はい! マスターエム」


 削りかけの白い丸太にまたがると、俺たちはメンドリ亭へむけてはっしんした。




――エムの仕返しリスト――


 元パーティーメンバー

  女剣士

  女盗賊

 @リーダーの男戦士  完了

  女僧侶


 その他

  宿屋の女将(審議中)

 @ピクシー      完了




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― 新着の感想 ―
[気になる点] かなりの量漢字に変換されずにひらがなだけどわざとなのか?
[良い点]  @リーダーの男戦士  完了 あれで完了でいいんですかい! なんて寛大な! 偉い!
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