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5話目ー
ーーー宝庫前ーーー
そのものは静かに佇んでいた
何をするまでもなく誰かが来ても勝手ににげていく
威圧を強めなくても勝手に逃げていくのを見て威圧に力をこめなくなってきていた
ただひたすらに宝庫の前で佇んでいた
気を抜いて佇んでいたとき10人の人間が近づいてくる
いつもはもっと遠くでそのものに気が付いて逃げるはずなのに
その10人はそれでもなお近づく
そのものはおかしいと感じつつも威圧を強めるということを忘れていた
10人が目の前まで近寄り神獣はその時になって不信感を抱く
ーー人間よ...なんのようだ?
威圧を忘れつい声をかけてしまう
しかし人間は何かをつぶやいているが聞き取ることができない
首をかしげながらもただその人間たちの様子を見ていた
そして次の瞬間目の前には1人の人間が倒れているだけで
他の人間がさっぱりと消えていた
倒れている人間は既に死んでいた




