表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
また君に会えるまで  作者: 葉耶
弟子と一緒に…
7/14

宿屋と傭兵とアンズの花

前回回収し損なったヒナの荷物を回収して、宿屋に着いてからの話です

更新亀以上に遅くてすみません…

――――ロスside――――

 「や、やっと宿に着いた…」

 言いながら、ぐったりした表情で質素なベッドに倒れ込んだ…。

 「村人の方達…凄く師匠に感謝してて、我先にと泊めようとしてましたからね…。」

と、同じくぐったりした表情のヒナが答える。

 「しかも、僕が魔法士だと知った瞬間の質問攻め…あれはやばかった…。」

 (村人だけでなく、観光客までも魔法士について知りたくて囲まれ…いや、これ以上思い出すのはやめておこう…。)

 そう、身震いしながら思った。そんな僕の様子を見て、何を思ったのか察したらしく…ヒナも少し青ざめた顔で頷いた。

 不意に、部屋にノックの音が響く。僕はすぐさま起き上がり、何かあったらヒナを守れる位置に移動した。

 「どうぞ。」

 自分で思ったより低い声が出た。扉が開く…。

 現れたのは、森の中で出会った傭兵だった。いや、魔力でわかっていたけどさ?違う人だといいなと期待したくなるじゃん?

 僕の心情を知ってか知らずか…傭兵は言った。

 「休息中すまない…儂の名前は、セルヴァンテス。傭兵をしておる。お主が『ロス』という者か?」


――――ヒナside――――

 師匠と共に、村人や観光客から質問攻めに会い…ようやく休めると宿屋でぐったりしていたら、突如やってきた傭兵が、師匠の後ろに隠れている私に向かって言った。

 「お主が『ロス』」という者か?」と。

 私が違うと否定しようと口を開いた瞬間、師匠が

 「俺がロスだが?」

 普段より低く…相手を威嚇するような声で答えた。傭兵は少し驚いた顔をしながら、

 「そうか、それはすまなかった…。てっきり竜を乗りこなしていたそちらのお嬢さんが、この村で噂になっている『ロス』という魔法士だと思ったのだ…。」

 私は、

 「いえ、大丈夫ですよ。」

と、声が震えないように気を付けながら言った。凄い気迫?のようなもので圧を感じたからだ…。怖くて思わず師匠の服の裾を掴む。傭兵に怯えている私に気付いた師匠が言った。

 「それで?俺に何か用か?セルヴァンテスさんよ。」

 声は低いままだった…。

(師匠…この人と以前何かあったのかな?でも、師匠が話してくれるまできっと教えてもらえないよね…。)

 この手を離したら、師匠が消えてしまいそうで…私は師匠の左手の小指をそっと握りしめた。

 部屋の隅にある机の上でアンズの花が小さく揺れていた。

リアルが少し忙しいので、次回はいつ投稿出来るのかわかりません…


アンズの花言葉は 「疑惑、疑い」です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ