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また君に会えるまで  作者: 葉耶
弟子と一緒に…
6/14

ガーベラと共に

前回投稿した時から1ヶ月以上空けてしまい申し訳ありません。

ちょっと夏だから遊び惚けてました。(震え声)

アネモーヌ村近辺で蜂型の魔物を見つけて走り出したとこからです。

――――ロスside――――

 僕は走りながら考える。

(ヒナは多分魔物に見つからないように隠れてくれただろうから、蜂型の魔物の群れがアネモーヌ村に着くまでにたどり着ければ、数分だけ竜化して倒せる!!だとすると…。)

 突然悲鳴が聞こえた。どうやら、アネモーヌ村の花祭りを見に来た観光客らしい。服装からして戦えるような格好じゃない…。

(もう見てしまったヒナはともかく…竜化を見た事がない人達の前でするわけには…。それに、あの姿だと守りながら戦いにくい…。)

 僕は舌打ちしつつ走る速度を上げた。


――――ヒナside――――

 ロスが急いで蜂型の魔物を追いかけるのを見ながら、近くの大きめな岩の後に隠れたヒナは、

(師匠の言う通り近くの大きな岩に隠れてみたけど…やっぱり私も手伝うべきでは…?)

 そう思った。けれど…。

(私には、魔力はあっても師匠のように戦う手段が…。)

 ヒナは、魔法士になれるほど魔力はあっても、それを扱う才能がなかった。

(師匠の戦いを身近で見れば何か出来るようになるかもしれない…!!)

 ふと、ついさっきまで聞こえなかった物音が聞こえ、顔を上げるとそこには…。


――――ロスside――――

(標的まで残り200m…!!)

 無抵抗な観光客と悲鳴を聞きつけて出てきた村人を、襲っている蜂型の魔物の群れを一撃で葬る為に、ロスは右手に力を集中させていて気付いた。6匹程居たはずの魔物が、4匹になっていた。

(こいつら…さっきより数が減ってる?!…まさか??)

 一瞬隠れてるように指示したヒナの事が脳裏に浮かぶが、魔力が高かったし…大丈夫だろう…とりあえず、目の前の村人達を救う事の方が優先である。


 残り100m…よく見ると、顔が蜂と言うより蟻っぽくて、強そうな顎に挟まれたら、骨を粉々に砕かれそうだ。魔物がこちらの気配に気付いて振り向いた。

 そのままロスに向かってくる。

「丁度いい…。お前らがこちらに向かってくるなら、村人達を巻き込まずに済むからな!! 」

 そう言い放ち、ブレーキをかけながら、左手で右腕を固定し、右手を魔物に向け、力を解放する。

火花(エタンセル)!!」

 まるで彼岸花のような火の花は、6つに分かれながらそれぞれ、蜂型の魔物の群れに直撃し、弾けた。

 そのまま鈍い音を立てて落ちた魔物は、動かなくなっていた。目の前で突然魔物が倒れた事に驚いていた村人達が、お礼を言いながら村に避難しているのを横目に見つつ、僕はヒナの元へと急いだ。


――――ヒナside――――

(どうしよ…どうしよう!!)

 ロスが蜂型の魔物の群れを倒していた頃、ヒナは追いかけられていた。隠れていたはずのヒナの魔力の匂いを嗅ぎつけた蜂型の魔物2匹と、何故か手負いの(山の中で、竜化したロスに吹き飛ばされた)熊型の魔物に。ヒナは知らなかったが、この時無意識に走力強化の魔法を使っていたので、逃げきる事が出来た。さっきまでは。

(師匠の元へ行こうとしていたのに…まさか、石につまずいて転けるなんて…。)

 魔物がいやらしい笑みを浮かべながらゆっくりと近付いてくる。それでも逃げようと地を這いながら進もうとするも、既に囲まれていて出来ない。

(このままここで食べられて死んじゃうのかな…。)

 ぎゅっと目を瞑ったその時、急に身体が浮いた気がした。突然何かが弾ける音が聞こえて、目を開けると…。

「師匠!?」


――――ロスside――――

 嫌な予感がしたロスは、周囲に誰も居ないことを確認して竜化し、一瞬でヒナの居たであろう岩の裏に辿り着いた。が、そこにはヒナの荷物が残されていただけだった。

(やっぱり居なくなった2匹は、ヒナの魔力を感じて…。でも、あんなに魔力が高いのに、何故戦った痕跡がないんだ…?もしかしたら、何らかの呪いに??とりあえず、残っている魔力の匂いを辿って、急いで追いかけないと…。)

 大体の方角を匂いで分析したロスは、そのまま猛スピードでヒナの居る場所へ突撃した。

 そして…食べられそうになっているヒナを抱き上げ、魔物達に『火花(エタンセル)』を喰らわせた。

「師匠!?」

 驚いた顔のヒナに、耳元で大声を出された。

(とてもうるさい…。しかも、蜂型の魔物だけじゃなくて、なんか吹っ飛ばした気がする熊型の魔物までいたのかよ…。もう死にかけてるし、そのままにしとくか。)

 などと考えていると、熊型の魔物同様森の中で遭遇した傭兵が走って来ているのを感じた。絶対出会ったら面倒臭い状況になる…ので、急いでアネモーヌ村近辺へと向けて飛んだ。

 途中、ヒナが何か言ってキャッキャ笑っていたような気がするが…気のせいだろう。

 眼下にガーベラのような花が咲いていた。


 (あぁ、早くアネモーヌ村の宿で休みたい…。)

ここまで読んでくださりありがとうございます

次回もまた時間が空くかもしれませんが、よろしくお願いします┏○ペコ


ガーベラの花言葉は「希望、常に前進」です。

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