旅立ちは黄色いゼラニウム
タイトルは、前回のように人の名前入れてから…とか思ってましたが、これから何か1つ花の名前入れようかなとか思ってますw
今回は主にロスの気持ちや回想メインだと思います
―――――アネモーヌ(Anémones)村近辺―――――
ルフ達が人として過ごしていた、フルール・ドゥ・フランメッシュ・ルージュ村(fleur de flammeches rouges)での悲劇から3日後…ロスは今、通常のルートではどんなに頑張っても3週間前後はかかる大きい山を越え、アネモーヌ村近辺に辿り着いていた。
何故アネモーヌ村かって?理由は簡単だ。以前ルフが、アネモーヌ村の花祭りに行ってみたいと言っていたからだ。
1週間後に花祭りが開催される為…ロスは1人旅で最初に立ち寄る街に選んだのだった。
え?なんで過去形なのかって??それは…
「ねぇ、いつまでついてくる気?」
僕は、ここに降り立ってからずっとついてきている『ヒナ』という、淡い色の金髪で茜色の瞳をしたショートカットの少女に尋ねた。
「えー?なんでそんな事を何回も言うんですか?私は、あの花型の魔物から師匠に命を救ってもらったんですよ??弟子として、お供するのは普通ですよってさっきから言ってるじゃないですか??」
ほっぺを膨らませながらヒナは答えた。
(何故こんな事に…。)
〜〜〜1時間ほど前〜〜〜
僕は花祭り開催に間に合わせる為、昼間は通常の山道を、夜は人に見つからないようこっそりと空を飛んできていた…はずだった。
昨晩、(後は歩いて行けば花祭り開催までに辿り着けるだろう…。)そう思い、今まで不眠不休で飛んだり歩いたりして疲れたから、黄色いゼラニウムの花が近くに咲いている手近な洞穴で、少しだけ眠ろうと思った。それが全ての原因だった…。
起きた瞬間、日の傾き加減から寝過ぎてしまったことに気付いた僕は…人に変化するのを忘れ、猛スピードで山を降りていると、爪が毒針になっている熊型の魔物に襲われ、魔物と勘違いした傭兵に切りつけられそうになるなど、普段の僕なら絶対に遭わないアクシデントに遭遇しまくっていた。
1時間後、無事に山を降り…平原に出た瞬間目の前で花型の魔物が少女…今も僕の隣でムスッとしてるヒナを襲っていたのを見て、すぐに助けたのだ。
勘のいい方ならこの時点で察しただろう…。そう、僕は竜のままヒナを助けた。傷一つ付けさせる事なく助けられた事は良かった…うん、魔力切れで助けた瞬間人の姿に戻っていなければ…。
おかげで、ヒナに僕が竜化の魔法を使える魔法士だと勘違いされ、自分には身を守る術がないので魔法を教えてくださいだの、魔法士には弟子が必要だの色々言われ…何度も断っているのにそのままずっとついてきて今に至る、というわけだ。
正直言って、今すぐに他の土地に行きたい…。行きたいが、ルフの墓の前で『最初にアネモーヌ村に行ってくるよ。丁度花祭りの時期だし、どれほど綺麗だったのか絵に描いて来る』とか言ってしまったため、それをする事すら出来ない…。そのせいで、内心…(3日前のセリフ取り消したい…。(;`皿´)グヌヌ)な状態である。
そんな風に頭の中で、グルグルと回想したり後悔したりしながら歩いていると、気付いたら前方を歩いていたヒナが叫んだ。
「師匠!!大変です!!!!アネモーヌ村の周りに蜂型の魔物が!!!!!」
「気配でわかるわ!!少し落ち着け!!!僕が全部撃退してくるから、ヒナはその辺に隠れてろ!!!」
ヒナの慌てっぷりを見て少しイラついた僕は、そう怒鳴り返した。
「は、はい!!わかりました師匠!!ご武運を」
速攻で避難しに行ったヒナを置いて、助けを求めている人の元へ僕は走り出した。
3週間ほど書くのを放置してたら文章にまとまりがなくなったような気がします…(震え声)
と言うか、今回はヒロイン(?)に出会う回だし、そう言えばあまりロスの気持ち書いてないなとか思ってたら長文になりましたw
次の話はまだ書いてないので、更新がいつになるかわからないです
もしかしたら、他の小説書くかも?
最後まで読んで下さりありがとうございます
黄色いゼラニウムの花言葉は『予期せぬ出会い』