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第三帝国の興亡  作者: シュトレーゼマン
3/3

1917年10月16日 パーゼヴァルク野戦病院(Pasewalk feldkrankenhaus)

意識が朦朧としている…。

私は何をしていたのだったか…?

何かが聞こえて来る…。

女の声…?

「アド…フ…ん、…きて下…い、アドルフさん!」

段々と意識がはっきりしてきた。

そういえば、確か前線に指令を伝えようとして…。


はっと気づき、身を起こす。

何も見えない。

おかしい。目が開かないのか!?

いや、目は開いている。どういうことだ?これは、目が見えていないということか!?

また甲高い女の声が聞こえてきた。

「アドルフさん!やっと起きましたね!良かったです!今先生を呼んできます!それまで安静にしていて下さいね!」

何だ?先生?つまりここは病院か?たしかに耳を澄ましてみると、あちこちから呻き声が聞こえて来る。

しかし、どう考えてもおかしい…伝令を伝えに行った直後に、いきなり病院にいるなど…。

考えてみれば、私の情報はまだ司令部に届いていないではないか!

なんということだ…直ぐにでも行かねばならない!

しかし目が見えない…これでは何処へも行けない…もどかしい…。


そうこうしているうちに、こちらへ向かって来る足音が聞こえて来た。

「ええと、アドルフ…ヒトラーさんだね。私の名前はエトムント・フォルスター、君の主治医だ」

「ここは病院ですか?私は何故ここにいるのでしょうか?私は早く前線へ戻らなければなりません」

すると、エトムント・フォルスターとかいう医師は

「ああ、ここは病院だ。君は敵軍の毒ガス攻撃を受けたんだ。幸いにも、命に関わることはなかったようだが、今の調子はどうだね?」

と言ってきた。

やはりここは病院か…しかも毒ガス攻撃だとは…しかし、取り敢えず、今の状況を伝えることが第一だろう。

「今、目が全く見えません…それ以外には、今のところ何も異常は無いようですが…」

「成る程…毒ガスで目が見えなくなったか… ううむ…見た感じはそこまで異常があるようには見えないが…」

「取り敢えず君は絶対安静だ。前線復帰は完全に見えるようになるまで絶対に許さない」

と医師は言った。

これはひどい…私の生きがいだった軍にまだ戻れないとは…そんな馬鹿な…

「そ、そんな…。ではいつ、目は治るんですか?」

「分からないね…治るかもしれないし、治らないかもしれない。今のところは五分五分といったところだ」

なんという事だ…治るか分からないとは…しかし、まだ治る可能性はあるのだ!

必ずや直ぐに治し、戦地へ赴かねばなるまい。

我らがドイツはこの戦争に勝つのだ!

皆さま、こんにちは。

ひとつ謝らせて下さい。前回の後書きで、第一次大戦後を今回から書くと言っていたのですが、それではあまりにも唐突であるという事で、急遽第一次対戦中の話を一話挟み込む形となってしまいました。お詫び致します。

そして、相変わらずの、稚拙な文章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

さて、今回の注釈をひとつ。

ヒトラーはイペリットガスの攻撃を受け、一時期視力を失っていたそうですが、実は毒ガスの攻撃によるものではなく、精神的なものによるところが大きかったのでは?と近年の研究で、言われているそうです。

どちらなのかは私には判断できませんので、私の小説では、毒ガスによるものであるという前提で、話を進めてまいります。

次回こそ、第一次大戦終結後を書いていきます。

では、またお会い致しましょう。

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