第五話 魔法の氷狼と慧智ある者
第五話でっす、よんでやってください。
ついに魔法じゃー!
〈告:スキルの統合が終了しました。最適化をはかります〉
ようやく終わったみたいだ。と言っても俺は寝ちゃってたみたいだしどれぐらい時間がかかったんだろう。見た限りだと周囲の明るさはあまり変わってないし。あまり時間はかかっていないのか?
中性的な機械音声だったはずの声が女声に変わっていてしかも肉声と比べてそん色ないものだった。
〈告:エクストラスキル【慧智者】へと進化しました。能力は以下のようになっています〉
【慧智者】
思考補助 並列演算 高速思考 最適化 叡智(new!) 模倣(new!) 独自思考(new!)
・叡智
【鑑定】の機能を吸収しあらゆることの知識を閲覧することができる。
・模倣
【鑑定】の機能に高速思考、並列演算を利用し、見たものを解析し。模倣することができる。
(※スキルなど達人の技を模倣しても、技量や熟練度は初期値になるため成長が必要)
・独自思考
叡智、並列演算、高速思考により簡易的な人格が形成された。独自に学習・記憶できる。
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は?いやいやwww冗談きついわ。何だこのチートは頭おかしいのか?
いくらなんでもひどすぎるだろ。なんだこのご都合主義感は。スキルが独自に人格をもったから声がへんかしたのか?それと、学習ってAIみたいなものか?しっかしほんととんでもないスキルだわ、ただでさえ優秀だった有識者先輩がここまでグレードアップするとはな。無知な異世界人には助かる。でも、【鑑定】を統合したってことは今後どうするんだ、【慧智者】に代替能力があるはず。
〈告:対象を意識し注視することで叡智から情報を検索し表示します〉
「そうかじゃあ、取り敢えず」
そう言って腰の刀を見るとスクロールではなく視界にウィンドウが表示された。
まさにゲームのウィンドウみたいな感じ。どうして急に変わったんだ?
〈解:以前のご要望から、表示方法の変更の必要性を感じ失礼ながら主の記憶から最適化を図りました〉
あーそっか、確かにそんなこと言ったような気もする。
他にもステータス/スキル/アイテムボックスといった具合にタブ分けもされていた。
「ありがとう、見やすくなった助かるよ」
〈告:主のお望みのままに〉
「えとじゃあ、魔力や魔法について教えてくれる?」
〈解:この世界の空気には魔素と呼ばれる魔力の源が含まれています。魔素は空気のみならずこの世界に存在するすべての生命が保有しています。
お次に魔力について説明いたします。魔力とは魔素を魔力炉で変換し生み出すものになります。ここで魔力炉という言葉が出てきていますが、こちらは生き物の核がその役割を担っています。人間でいうとそれは心臓になります。ちなみに心臓が血管に血液を送るということは、魔力炉が魔力回路へ魔力を送るということです。
魔素から魔力への変換は掛け算になります。魔法技能の熟練度が上昇に比例して魔力炉の性能も向上し変換効率が上がるので得られる魔力量や貯蔵量の上昇へとつながります。魔法とはその魔素を魔力炉を用いて魔力に変換し魔法起動時に魔力にイメージを持たせ魔法を行使するものです。ですが、まずは魔素を感じ魔力炉で魔力に変換し体の隅々まで馴染むませるのを推奨します〉
ふむ、つまりはこの世界には魔素という物質?エネルギー体とかそんなイメージな気もするが、その魔素がある。この世界において心臓は血液の循環だけでなく、魔力炉として魔力を生み出す力があるらしい。心臓は魔力炉、血管は魔力回路、血液は魔力ねえ。
魔法の発現までのプロセスは何となくわかった。宝石に置き換えるとわかりやすい気がする。
原石を発掘して職人が宝石に加工する、設計どおりに加工すればアクセサリーの完成だ。
取りあえず俺がやらなくちゃいけないのは
1.魔素を知覚する。
2.魔素を魔力炉で魔力へと変換する。
3.変換した魔力を体になじませる。
こんなところかな。とりあえずはやってみなきゃ始まらない。
「すぅーーはぁーーすぅーーはぁーー」
深呼吸で心を落ち着かせる、周りのことなんて気にせず集中だ。
―――この世界の空気には魔素が含まれている。
ということは、今もなお俺は魔素を取り込んでいるわけだ。
__この世界に存在するすべての生命は魔素を保有している。
神によって転生された俺もそれは例外ではないはずだ。
目を閉じ自然体をで立つ、深呼吸を続けながら。自分の周りにエネルギー体が集まってくるようにイメージし念じる。そしてまたゆっくりと息を吐く。すると雪人の体表がぼんやりと光り始めた。優しい光でそれでいてどこかぽかぽかしたような安心感に包まれる。
〈告:魔力の概念を伝えられただけでゼロから魔力の知覚、さすがです主〉
魔素は知覚できたみたいだ。次はこれを魔力に変換する。少しずつ体に取り込んでいき、心臓へと集めていく。少しずつ、少しずつだ。すると今度は冷たい水色の光が体を包み始めた。
「なんか冷たいけど大丈夫なのかこれ」
〈解:魔法適正の高い者の中でたまに、その上位属性に親和性の高い魔力を持つものがいます。主の場合、水属性に高い適性を持っているのでその上位の雪・氷に親和性の高い魔力であるためと推測します〉
問題がなさそうならその魔力を体に廻らせていく、血管の中を血液が廻るイメージだ。体中にどんどん力が満ちていくのを感じる。しかし、それは静かでどこまでも冷徹な力だ、睨まれれば思わず鳥肌が立ち竦んでしまうそんな力だ。魔力が体を循環するにつれて視界や思考、動きの一つ一つが研ぎ澄まされていくのを感じる。試したい、この魔力を形にしたい。そう思ってしまえばその欲求はもうとどまることを知らない。あの太い木を狙おう。
自然と、まるで挨拶でもするかのように言葉は紡がれていく
『我は汝らを付き従わせる者なり。汝らのその気高き忠誠に対し我が魔力を賜与する。我が魔力を糧とし、汝らのその牙で忌敵を噛み砕け』
詠唱と共に魔力が練り上げられていく、雪人の周囲の気温は下がっていき吐く息は白く染まる足元の草たちは霜がつき凍っていった。そして呟かれる。
『氷狼噛砕』
その声と同時に雪人の周りに二m弱はある、白銀の体毛に覆われた五匹の氷狼が出現する。雄々しくも儚げなその姿に目を奪われていると、氷狼は動き出した。雪人の身体能力ではとらえることができなかった。白銀の五本線が目標の木に向かい様々な角度から交差する。突然氷狼は止まりこちらを見てきえていった。出現から消失までに10秒もかからなかった。
いつの間にか日が傾きもう夕方だったようだ。無残にも砕け散った木片には氷のコーティングがされており夕日と相まって幻想的な光景を生み出していた。そんな光景に見とれていると。
〈告:魔法【氷狼噛砕】の解析が完了いたしました。以後魔法名での魔魔法の起動が可能です〉
優秀なはずの慧智者さんの雰囲気をぶち壊した発言に思わず苦笑いをもらした。
初投稿から3日が過ぎました。
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