第一話 プロローグ
初めまして、緋兎と申します。
投稿初心者の拙い文章ですので、温かい目でよんでやってください。
『赤原雪人様、残念ながらあなたは死んでしまいました』
ぼんやりとした意識の中そんな声が聞こえてきた。
「えっと……」
意識がはっきりしていないせいか、気の抜けた返事をしてしまった。
辺りを見渡すと何もない真っ白な空間が広がっている。
ただ目の前に綺麗な女性が椅子に座ってこっちを見ていた。
なんか神秘的な雰囲気を纏っている…というかちょっと眩しい。
でもその表情はお世辞にも明るいとはいえず、いかにも残念だというような表情をしている。
『驚くのも無理はありません。あなたは17年という短い時間で人生を終えられたのです』
その言葉を聞いて意識は完全に覚醒した。
これはあれだ、話の流れによってはラノベとかでよくある異世界転生とかそういう類いの話が始まるやつだ、慎重に考えて話さないとな。
「そう……ですか、死んでしまったのは残念ですが、分かりました。えっとそれで失礼ですがあなたは? それと、私は何か意味があって死後も意識が残っているのでしょうか?」
印象は大事だ、これからどうなるにせよあの女神らしき女性の機嫌は損ねないように、かつ自分の望むように話を進めたい。
『私はこの世界において、創造神様より死後の魂を導く役目をあたえられた女神です。あまりにも早く亡くなってしまったり、あまりに強く大きい魂を持った方々の願いを聞き、可能であれば叶えて差し上げています。残念ながら生き返るという選択は不可能となっています。一般的には、もう一度人間に生まれ変わったり、性別や国を指定したりなどの願いが多いですね。記憶は引き継ぐことができないとは分かっていても気休め程度ですが、次の生に希望が持てるようにそう願う方々もいらっしゃいます』
「一般的にということは、何か別の願いもあるのですか? 例えば物語のような剣と魔法の世界、つまり異世界に転生するといったことは可能なのですか?」
少しわざとらしい気もするけど、異世界について話を持っていきたい。
『ええ、まさにおっしゃる通りでたまにそのようなことを願う方もいらっしゃいますし、可能です。地球は数ある世界の中で文化的にも環境面で見ても序列が高いので、そう言った序列下位の世界に転生する場合、記憶や体はそのままで、かついくつかの特典をさしあげることができます』
「では、魔法や魔物が存在する世界への転生でお願いします。」
『かしこまりました。ご希望の世界では5つほど特典を与えることができますが何か希望はありますか?』
そう言って女神はどこからかメモ帳とペンを取り出した。
何もない空間なのにどこから取り出したのだろうか?まあいいだろう。
さてここからが問題だ、夢の異世界生活が目前に迫っているわけだがどうしたものか。
最強の〇〇といえばおそらく余裕で生活できるだろうし無双するのも簡単だ。
しかしだ、せっかくの異世界なんだからコツコツレベルを上げたりそれっぽいことしたい。
「では、鑑定やアイテムボックス、素質の付与、成長の補正、思考の補佐を行えるスキルなどはできますか?」
『はい、鑑定とアイテムボックスと成長の補正は問題ないです。
思考の補佐に関してはエクストラスキル【有識者】が適用されます。
素質ですが身体能力やスキルには補正がかけられます。
しかし、魔法には火、水、土、風の基本の四属性に加えて光と闇の二属性そして特殊魔法がありますが、こちらは個人の性質や性格によって決まってしまうため特典としては与えることができません。
しかし、特殊魔法の中には例外として後天的に習得することも可能なものもありますが、どちらにせよ特典として与えることはできません。
ですので魔力操作などの技能面での補正になります』
「ありがとうございます。十分です」
『それでは、【鑑定】【アイテムボックス】【成長補正】【素質付与】【有識者】以上が特典として付与されます』
よかった…、正直これで5つだと無理があるかなと思ってたけど何とかなった。魔法の適正が特典で手に入らなかったのは少し残念かなとも思うけど、これはこれでおみくじみたいでちょっと楽しみだ。
『私共から送る最後の特典として3日分の食糧と武具を与えます。武器種に何か希望はございますか?』
「刀でお願いします」
『かしこまりました。これらは【アイテムボックス】に収納しておきます』
正直、驚いた。この身一つで放り出されると思っていたからここまでの支援は本当にありがたい。
『さて、これから雪人様が転生する世界は【イリジオン】と言われる世界になります。文明のレベルは地球の中世ほどだと思ってください。言語については、転生する際に一度体が作り替えられますのでその際に特典とは別に習得されますので心配はありません。雪人様が最初に降り立つのは森になります。近くに小川が流れていますので小川に沿って歩けば街道に出ます。少々距離はありますが道なりに進んでいけば街に着きますので参考程度にどうぞ』
「何から何まで本当にありがとうございました。今度こそ天寿を全うしようと思います」
『それでは転送します。雪人様の人生に幸あらんことを』
女神の言葉に呼応したのか足元に魔法陣が展開される。魔法陣から光があふれ転送される、それと同時にこんな声が頭に響く。
〈告:エクストラスキル【鑑定】【アイテムボックス】【有識者】【成長補正】【素質付与】を取得しました。次いで【神々の加護】を獲得しました〉
いつもは読者側でしたが、思い切って執筆してみました。
ド素人の作品ですので、おてやわらかにお願いします。(*´▽`*)
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