開戦前夜と戯れて362
アチきは尋ねたのでありんすね。
「IS、所謂イスラム国はどうなったの、たかさん?」
たかさん曰く。
「シリア内戦は泥沼カオスの坩堝で、ISの残党は名を変え、戦法を変えてアサド政権内部にも、反政府勢力内部にもいて跳梁跋扈しているのを、米露共に特定出来ない情勢でしょう┅」
アチきは言ったのでありんすね。
「そんなカオスの坩堝状態じゃ、いつ大戦になるか全く予断を許さないな、たかさん?」
たかさん曰く。
「一触即発でしょう┅」
アチきは尋ねたのでありんすね。
「最近、IS、イスラム国の蛮勇がメディアで報じられないけれども、殲滅されたわけ、たかさん?」
たかさん曰く。
「シリア、イラクに股がった勢力を誇っていたイスラム国は勢力が衰えたとはいえ名を変え、戦法を変え、シリアの内戦で反政府旗頭の本に、工作、偽装を繰り返し、戦闘を繰り広げていますよ」
アチきは尋ねたのでありんすね。
「ちょっと待ってよ、米はその反政府勢力に加担してアサド政権に空爆、ミサイル攻撃を仕掛けているのだろう。それじゃ米は憎きIS、イスラム国を援護している形になっているのか、たかさん?」
たかさん曰く。
「七年も続く戦争は、米露の思惑を背景にして、トルコをも参戦しており、泥沼化してカオスの坩堝であり、反政府勢力の誰がISなのか、誰が純然たる反政府勢力なのか判別不能状態でしょう。アサド政権内部でも昨日味方だった勢力が今日は敵対勢力に翻り、攻撃して来る中、仲間のサウジアラビアと米もその識別判別が出来ないので、反目し合っている情勢ですから┅」
アチきは言ったのでありんすね。
「そんなカオスの坩堝状態じゃ、化学兵器を使ったのも、反政府勢力の誰かがアサド政権に見せかけての可能性だってあるじゃないか?」
たかさん曰く。
「諜報工作戦、実戦にしても正に泥沼カオスの坩堝状態でぐしゃぐしゃですから、敵も味方もなく、同士撃ち当たり前で、収拾がつく見通しは全く無いのが現状でしょう」