100 新たなる戦争~マジノ要塞防衛戦とヤーツク攻略戦~
奇襲作戦の成功によりコキュ王国海軍は暗号にて知らせると、陸軍によるマジノ要塞再度攻略のための戦闘が始まった。
一度目の攻撃により北部が崩壊していたマジノ要塞ではあったが、南部マジノ要塞援護に派遣命令のため移動していた機械化師団と一部戦車部隊が穴埋めに向かっていたので、防衛体制は、万全にとられていた。
『コキュ王国軍にて動きあり!再度攻めてくるようです!』
城壁の上から双眼鏡で偵察していた観察員からの報告により、即応待機命令が発動された。
「どうだ?」
即応待機命令中の上官が、観察員に状況を尋ねるが、コキュ王国は態勢だけとって攻めてくる気配が無くなってきた。
「上官殿!報告します。コキュ王国軍は態勢を取るも攻めてくる気配がありません!」
「そのまま監視しろ。なにかあれば、これを鳴らせ。」
そう言って、弾が一発だけ入ったリボルバーを手渡し、階段を降りって行った。
一日がたち、二日も過ぎ、三日目に事態が動いた。
「なんで、三日目なんだよ!」
悪態をつきながらも、ハンマーをおろし、リボルバーの銃口を上にあげ引き金を引くと、空中に赤色の光が灯ると、城壁の裏側からミサイルが飛んできた。
「ふ、伏せろ!」
城壁の上に待機していた監視員が、他の監視員に指示をした。
ミサイルは赤色の光の位置に飛んでいくと、母体から小型ミサイルが散発して、一体の地面が、穴だらけになった。
「こ、こりゃすげぇ。これが、新型兵器か。しかし、まぁ酷いこと。」
この新型兵器、V11型クラスター爆弾ではあったが、通常は投下型しか無いのだが、手を加えて、擲弾筒型、擲弾筒ミサイル型と改造して、XV11-2,XV11-3と呼称を決定し実戦での実験データにより、V11-2,V11-3を改めて、本戦闘に配備され2度目の実戦を積むことになった。
「うぉぉい!まだ、生きてるぞ!」
指揮官が拡張機で、生存者に降伏を進め、降伏したものは、傷の具合度により、青、黄、赤、黒とラベルを左腕に貼っていき、捕虜収容所へと連行されていった。
「降伏者以外の生存者は、発見できませんでした。」
「そうか、研究者どもも後方に遅れ。」
「は!」
「(いつになったら終わるのやら…)進軍命令は無いのか…。」
「報告。参謀本部からです。」
「読め。」
「は。『ただちに準備を整え、進軍せよ。』以上です。」
「進軍準備命令だ。出発は明日。行け」
「は!」
南側のマジノ要塞は、命令により次の日の未明に越境をした。
越境後、南側師団はすぐさま北上、北側マジノ要塞にて攻撃途中の後方から攻撃を仕掛けた。
南側にいたコキュ王国軍のほとんどが、北側マジノ要塞に張り付いていた事が分かり、三日間の動きはその為であった。
「指揮官殿!味方です!味方が後方から攻撃をしています!」
「よし!こちらも攻撃をどんどんしろ!」
後方からの攻撃により、混乱していたコキュ王国軍は、前方からの大砲、機関銃などでも混乱が広がり、さらには戦車砲により、辺りは、肉片が飛び散っているところもあった。
マジノ要塞に攻撃していたコキュ王国軍はこの戦闘により全滅、南側師団はそのまま、コキュ王国首都を目指し進軍した。
マジノ要塞攻防戦が一息つく頃、コキュ王国領ヤーツク地方首都ヤーツク港湾都市では、ロマニャー海軍と陸軍による強襲上陸作戦が始まっていた。
「砲撃始め!」
港を封鎖しているロマニャー海軍による艦砲射撃が始まり、強襲揚陸艇から小型の揚陸艇が浜辺を目指して出発した。
「上陸はさせん!射撃構え!撃て!」
住宅の二階などから港に向けて機関銃が浜辺に放たれたり、広場から大砲が、軍艦や揚陸艇に向けて、攻撃を始めた。
揚陸艇が次々と、浜辺に陸揚げされ、前方ハッチが開き、歩兵分隊が浜辺の占領するため、突撃を開始した。
「上陸!各分隊ごとに、任務にあたれ!アレン!爆薬筒!」
「はい、分隊長。」
爆薬筒を鉄条網の前に置き、引き金を引くと、爆薬が炸裂、鉄条網を含む一体が無くなり、敵陣地及び市街地戦に入っていた。




