87 平和は遠い~北方戦線とリヨン城塞都市の戦いと内戦5~
まだ、続きます。
「あぁ~東西戦線は終わったのに、北方戦線が全然進まんのじゃぁ~。心がぴょ…負担がくるんじゃぁ~」
「司令、そんな事言わないでください。統合作戦本部から東西の師団がくるので、北方方面軍を再編せよと来ているのですよ!負傷者は名簿から撤退組に入れておりますが。」
「分かっておるわ!しかしな、こっちはなーーーーんにも進んでないんだぞ!東西方面軍が合流するとなると…あぁ~もうダメなんじゃぁ~」
「大丈夫ですって!」
「そ、そうか…では、合流まで待とう。」
「報告!敵に動きありと入りました!」
「なに?」
「は!敵軍、城塞を放棄及び撤退に入りました!」
「は?なんで?意味不明過ぎて、草しか生えないんだけど?。参謀君どう思う?」
「罠と考えることも出来ますが、罠の可能性は低い。やはり、東西の反乱軍が鎮圧されたことが大きいのでは?」
方面軍の司令の芳広は謎だった、参謀の小早川孝弘も謎であったが、攻勢に出ずに合流するのを待った。
城塞放棄を決定する前の反乱軍作戦会議では、東西の反乱軍鎮圧が尾を引いていた。
正直ここまで、鎮圧が速いとは思わなかった、北方方面で反乱した、カレーヌ・バンネルは頭を抱えた。
「皆に、集まって貰ったのは他でもない。我らの身の振り方を考えなくてならなくなった。まず、この城塞から撤退する。各々は制圧した都市に入都後守備に当たってほしい。包囲されたら降伏するも徹底抗戦するも自由にして構わない。私からは以上だ。」
「戦上手の将軍でも無理ですか、将軍の命令通り城塞放棄に賛成します。」
「やむなしか…。」
「他は無いか?」
会議に出席した先任参謀、参謀、幹部らは無言のまま頷いた。
「では、解散する。皆の武運を祈る」
反乱軍は、城塞を放棄して各制圧した都市に入り守備についた。
「報告!敵軍、城塞を放棄しました!確実です!」
「孝弘、やっぱマジじゃないか?行くか?」
「芳広少将、先ほど東西師団の到着を待つと決めたばかりじゃないですか!(こいつは、同姓の小早川秀秋か!)」
「しかし…わかった。待つ、どうせ軍法会議にかけられるからな。足掻いたって同じか…」
「(大丈夫だと思うんだけど、言わないでおこう。面白そうだし(笑))」
一週間で、西部方面軍約20万、東部方面軍約10万の兵力が北方戦線に集まり、各方面軍の第一機動輸送旅団は小隊規模の衛生部隊と負傷者を乗せて、王都へと帰っていった。
東西方面軍の総司令が北方方面軍総司令の芳広の所で作戦会議を開いていた。
「東、西方面軍総司令の加藤と大内です。これより我々は、北方方面軍に合流し、これより、指揮下に入ります。」
「あぁ。では、お二方に統合作戦本部からは、来月末までに終わらせるようにと来ているが、お二人はどのようにお考えか?」
「は!」
「今までの情報と斥候からの情報を合わせますと、城塞放棄は確実でしよう。しかし、死せる孔明、生ける仲達を走らすの言葉も有りますので、何個かの小隊を城塞に突入させ、異常がなければ、入城しましよう。」
「空城の計の可能性も考えられます。」
「空城の計は薄かろう。しかし、念には念をいれとけ。明日、城塞に攻撃をする。加藤少将の案を作戦とする。各精鋭で小隊を編成するように!」
「は!」
北方方面軍は城塞に近づくが、抵抗が感じられず、城塞の門が開いていたので、精鋭小隊を城塞内に潜入させると、一兵の敵影なしとの暗号の元、トゥール城塞に入城。
そのまま、航空部隊の偵察により敵はリヨン城塞都市、トリノ城、レリダ城塞、ビシー砦に立て籠ってる事が判明したが、統合作戦本部からは、制圧命令の元、降伏勧告と武力制圧かの選択肢があったが、降伏勧告に応じなければ、武力制圧をすることにした。
「すべて、包囲しろ。そのあと、降伏勧告を行え。とっとっと内戦を終わらせる。なんせ、隣国が内戦に便乗して国境で小競り合いしてるからな。」
「は!」
北方方面軍は別動隊を敵城塞や城塞都市へ向けて進軍させた。
兵法では、巨大な軍を蹴散らすためには、分散さすことがいいのだが、その事を知っていた芳広は分散させたのは、東部方面軍、西部方面軍を分散及び攻略に向かわせたため、奇襲はなかった。
リヨン城塞都市を包囲した東部方面第1軍の第1、第2、第3歩兵師団、第1、第3砲兵大隊、第2、第3工兵中隊など、五万の兵力で包囲し、砲兵大隊の昼夜を問わずに砲撃を行ったり、工兵中隊による土竜攻撃を城壁までおこない、C4爆弾を設置と起爆をしたため、城壁の一角が崩れると共に歩兵師団による密集攻撃と城内に突入後は、小隊規模の散兵攻撃を行ったりした。
その後、リヨン城塞都市は政庁占領と共に降伏、軍籍の兵士やギルド傭兵は武装解除させていたが、ギルド傭兵は反抗したため、おとなしくしたもの以外は、その場で射殺された。
これにより、傭兵ギルドは抗議したものの武装解除命令を無視及び反抗したので、ロマニャー国内法では、個人の正当防衛とし兵士たちは無罪になったが、国は傭兵ギルドに加盟しており、親族などがいる死亡傭兵には賠償金支払い命令が下されたのであった。
だが、臨時の影山は上告を決意し、その日に上告したのであったが、高等裁判にて、一審目の判決を否決して、傭兵ギルドの賠償請求は却下されたのであった。
傭兵ギルドは、武力行動をしたため王都などでは傭兵ギルドは廃れていった。




