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81 平和は遠い~労働者革命とオレンジ計画~

東の国、サンタリオ農村にて農民一揆が起きた。領主館も占領され、武器庫から多数の武器を強奪、各村の成人男性が赤のハチマキを巻き、サンタリオ農民一揆と合流し、『全労働者立つべし!鉄槌を特権階級どもへ振り落とせ!全労働者立て!振り落とした、金槌はとまならい!特権階級に対する闘争だ!』と農民達は声をあげて、赤旗に書いてある文字を読みながら、帝都を目指した。


その頃、帝都ではサンタリオ農村にて起こった農民一揆と労働者一揆を鎮圧するために、軍が治安維持出動した。

しかし、それを見計らってか帝都でも労働者による一揆が起きた。

帝都駐留軍の一部は労働者一揆に解散を命じつつ、いつでも攻撃できる用に体制を取っていた。


「陛下、サンタリオにて起こった一揆は数を増やし帝都に向けて進んでいるようです。帝都で起きた労働者一揆は睨み合いを続けております。」


「弾圧しろ。」


「しかし、陛下。弾圧すれば、また一揆が起きます。」


「構わん。皇帝の名の元に、農労連合の討伐を命ずる。軍は準備を整え次第鎮圧に迎え。」


「り、了解いたしました。(愚か者め!サンタリオの農民は軍より銃を持っているんだぞ!一部の軍は農労連合に参加している。)」


軍は治安維持出動した軍を追いかけるように増援を派遣した。


「ほ、報告!」


「どうした!」


「は、サンタリオ農民一揆、労働者一揆は関所を落とし帝都間近まで迫っております!」


「先程、軍を出動させた。」


「安心せよ。下がってよい。」


伝令は、頭を下げると侍従に支えられて部屋を後にした。


その頃、治安維持出動した軍は農労連合と対峙していた。


「農民、労働者諸君!早々に、解散しなさい。あなた方の気持ちはわかります。解散しなさい。」


軍の指揮官は解散警告を行い、農労連合の代表は軍の指揮官の名前を呼び同行を呼び掛けた。


「アレン将軍。私達の気持ちが解るなら、一緒に帝都へ向かいましょう。まぁ、無理だと思いますが」


「どうか、平和的に解散してほしい。」


その時、後方から発砲を命令する声が聞こえた、兵士達は、一斉に射撃をした。


「撃つな!やめろ!やめろと言うのが、解らんのか!」


前列にたっていた農民や労働者は、銃弾に撃たれ倒れていった。


「構え!撃て!」


農労連合からの射撃により軍もダメージを受けたが、農労連合程ではなかった。

やはり、訓練の差か軍が徐々に農労連合にダメージを与えていた。


「貴様!なぜ、撃たせた!」


「将軍、良いのかね?階級でも上の私に、そのような口の聞き方は?」


「くっ!」


「突撃!」


高級士官の突撃命令により、突撃ラッパが響き、銃剣突撃が始まった。

訓練をしていない農民の死者が圧倒的に多く、最後は降伏した。


「全員殺せ!降伏した者も殺すのだ!」


「駄目だ!するな!」


「指揮官は、私だ!私の命に聞け!」


高級士官は腰につけてある拳銃を取り出すと、平和的解決を目指した副官の腹めがけて発砲した。


「な、なんてことを」


副官は、落馬し兵士に担がせて後ろに下げた。


「邪魔は、いなくなった。それ、突撃!」


農労連合は、降伏した者も含め虐殺された。

この虐殺は、従軍カメラマン(スパイ)が、隠し撮りして、SDにいれて本国へ送った。


「閣下。スパイよりこのような写真が」


「虐殺?の写真か?」


「報告によりますと、カールスラント帝国領サンタリオにて、農民、労働者による一揆が起こり、軍は治安維持として出動したようです。この写真は、降伏した農民、労働者の虐殺の写真のようです。」


「リークして」


「は。」


次の日、カールスラント帝国の虐殺が新聞、メディアを通じて報道され、カールスラント帝国は、報道に検閲をかけていたため、国内では、一切話題になっていなかった。

ロマニャー王国の一部でも検閲はあるが、影山領では、報道の自由の原則が有るため、政府からのリークやスキャンダルも大々的に報じられていた。

作戦計画も報道マスコミに露見したこともあり、軍にて内部調査も行われたこともあった。


それから数日後、陸海空統合作戦立案室からオレンジ計画なるものが、上がってきた。


「なんだね。これは?社会主義者を利用して、王都を事実上占領する?無理だろ?アホな、貴族連中が連合組んで挑んでくる。さすれば、内乱だ。わかるな?作戦参謀長」


「は。第2案はどうでしょうか?」


「第2案ねぇ。これも、なんかねぇ。しっくり来ない。やり直しして。」


「は。」


その後、新たなオレンジ計画を提出して、作戦認可を得た。


「やはり、内乱しかないのか…このスマホ動くかなぁ。最近動かしてないから…動け!」


祈りを込めながら電源ボタンを長押しした。


「ウォォォシャァアァァァ!動いたで!」


大陸での政府転覆をどのようにやったか、を検索しまくった。


「やっぱ、選挙なの…もう、いいや~内乱でも何でもなちっまえ。陸海空軍を説得しても秘密警察や軍隊警察(憲兵)によって感ずかれるから無意味か」


国家転覆は合法なら選挙や独裁などあるが、非合法なら軍隊を使ったクーデター政権を作ることも可能である。

しかし、クーデター政権は評判が悪いのが世の常である。

道は、内乱しか無かった、隣国の独立も懸念される中、軍による圧力をかけることが最善と、オレンジ計画に書かれていた。

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