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80 平和は遠い~鉄道爆破事件と暴動~

影山領鉄道駅のフィーレ駅から出発するお召し列車ガレオン蒸気機関車に敵対派の次期リーダーのコウテスが乗車した。

コウテスは列車に乗ると関係者を集めていろいろと話を初めていた。


外では、爆破時刻まで警備という仕事に専念することになる特殊部隊となにも知らないコウテスの側近たちであった。


列車が王都終着駅レッドアイズ・キング・ロマニャー駅へ向かっているが、長いので一般的には、レッド駅と呼ばれている。

名前の通り、駅は赤色を中心とした煉瓦造りの駅であった。


列車が終着駅間近になり速度を下げると、列車内にいた特殊工作部隊は時限爆弾を設置後、列車から降りた。

その後、駅近郊の草むらに隠れて爆破を待った。

列車が駅に止まると同時に爆弾が爆破、回りにいた警備員、搭乗駅員、コウテスとその側近たちは死亡もしくは重症をおった。


「作戦成功。これより第2作戦を行う。総員作戦準備に入れ。着替えが終わり次第作戦を決行する。」


特殊工作部隊は今から扇動工作員になることで、都合良く陸軍を駐屯させることである。


爆破から2時間後に軽爆から医療用の薬品等が下ろされ、重症に当てられた。

コウテスは死亡を確認され、遺体を一時警察預りとなった。

王の命により王都警備隊、影山陸軍憲兵隊、敵対派閥の捜査隊が、この事故の検証をすることになった。


「しかし、外がうるさいな。205班長!持ち場を確認してこい!」


「は!」


205班長が駅を出ると外では、デモが行われていた。

ほとんどが、第3王子派の者達が「第4王子の仕業だ。」や「第5王子の仕業だ。」等を声高々に叫び回り、王都の新聞はこぞって誰の仕業だ!などと社説を建てたりしている。

お召し列車を用意した影山閣下はノーコメントを貫いてるらしいなどの新聞記事を出している。


「大隊長殿!外の様子は、デモが行われており、マスコミなども来ております。そして、これが、各新聞社の新聞です。あと、取材会見を開けとも叫ばれておりますが…どうしますか?」


「会見は、政府がすることであるため嘆願書か請求権を使うようにと言っておけ。暴徒化したら武器を使っても構わん。王都警備隊と協力するように。(扇動員が暴徒を扇動する予定だからな。)」


憲兵隊大隊長は、一部の秘密部隊から派遣された工作員である。

この、秘密部隊は人数、場所、所属以外情報公開されていないので、何処で何をしているか解らず、大隊長になっている人もいた。


遂にデモ行進している一部の観衆が、略奪などを行うようになった。


「憲兵出動!捜査班以外は、暴徒を逮捕しに行け!」


憲兵隊がいち早くに出動していき、王都警備隊も武器を持ち治安出動した。


「諸君!これは、歴史を変える重大な出来事に成るだろう!王家の政戦により民は疲弊している!今こそ!私腹を肥やした貴族邸を強襲する!農民、労働者諸君!武器を取れ!革命を起こすのだ!」


潜伏していた社会主義の人たちが、暴徒と一緒に貴族邸、店などを攻撃していった。


「総員!殺しても構わん!止めろ!」


憲兵隊と社会主義者達の間で激しい銃撃戦が始まった。


「はやく、そいつを衛生に渡せ!衛生!」


1人が負傷すると、憲兵の補給部隊に入ってる衛生小隊に負傷者を引き渡して行くが、暴徒側も死者が出ているようだ。


「なに!警備隊が負傷者多数で撤退しただと!本国から増援を要請しろ。」


近くに、いつでも展開できる用に陸軍第65師団、第66師団、第67師団と西部防衛隊所属の大師団を増援として、王都に突入させた。


大師団が王都へ突入後、社会主義者の生き残りは逮捕され、遺体は遺族へ返還され、鉄道爆破事件も圧力により、犯人不明のまま事件は幕を閉じた。


「社会主義者どもが居るなんて、聞いてないぞ!」


「我々も予想外でした。王都にあんなにも社会主義者が潜伏しているとは、面目ありません。責任を取って辞職いたします。」


「辞職したぐらいで、事態が好転するものか!馬鹿か!お前!事態が好転する案で、挽回しろ!解ったか!」


「海軍はどうした!」


「は!上陸作戦の中止の報を受け取った後、上陸部隊を収容後基地に戻りました。」


「…まぁ…よい!暴徒の主犯は貴族と繋がっているはずだ。吐かせろ、じゃないと粛清が出来ん。王にも決議を持ちかける。」


「イエッサー」


陸海空軍参謀は執務室を出ていくと、急いで次のオレンジ計画を練り始めた。


「報告。王都における死者、負傷者、民間の数が出ましたので、書類を置いておきます。」


「あ、待ってくれ。サインするから、持っていてくれ。」


影山は万年筆で報告確認のところにローマ字でサインをして、印鑑をおした。


「遺族には、手厚い補償をしておくように遺族支援機構に言っておいてくれ。これで、人心をゲット出来なければ、今後の計画に支障が出ると言っておいてくれ。」


「は。」


報告に来た官僚は、そのまま遺族支援機構へと脚を向けた。


「はい。サインもしているので、いいですよ。あ、言われなくても手厚い補償は行います。それが、私達の仕事なので。」


遺族支援機構とは、戦時、訓練などで軍人、民間に死傷者が出た場合、ランクによって支払われる金額と見舞い品が変わってくる。

戦時死亡なら3年間の給金と二階級特進、訓練死亡なら2年間の給金と一階級特進、事故なら戦時、訓練問わずに1年間の給金と病院治療費の7割の国家負担と階級試験の2級パスが与えられる。

民間なら、通院、病気治療が1年で20万、2年で40万、3年で80万と増え、死亡なら5年間の給金と国葬される。

その制度で遺族支援機構が作られた目的である。

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