62 巨馬を捕獲せよ
結構短いと思います。箸休め程度だと思ってください。
『戦国影光戦記』
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※前までのサバゲーしてたら戦国時代に!の物が上記に変更しました。内容も変わっております。
よろしくお願いします。
※6月8日後書きに、馬に関する説明を追加。
ところ変わって影山軍は、輸送車の故障が相次ぎ輸送の為の馬を捕獲する為に、小隊を派遣した。
「馬は傷つけるなよ。輸送用なのだからな!」
歩兵が網を持ち徐々に隅へとゆっくりと、押し込めていく。
「よいぞ。そのままゆっくりと行け。」
その時、馬の咆哮が聞こえた。
「なんだ。この甲高い声は...鳥達も何処かへ飛んでいくが...」
騎乗している将校がふと上を向くと、空から黒い物体が、降ってきた。
「な、なんじゃこりゃ!なんちゅう巨馬や!ぬぉぉぉい歩兵腰を抜かすではない!離脱せよ!(やばい!速く逃げないと確実に死ぬ!)」
網を持っていた歩兵達は、将校が言った通りに離脱して行った。
「お、おい動け!」
手綱を右に向け逃げようとするが、馬が動かない。この時馬は、気絶状態に落ちていた。
「く、ならばこれでどうだ!」
将校は拳銃を右斜めに上げ発砲した。その時馬の目が、正気に戻り将校も殺されそうになったが無事?離脱して逃げっていった。
一方陣営では...
「最近どうよ?利常」
「最近は特に言って何もございません。」
「であろうな。王子の奇襲を受けた報から3日経っておるが、帰ってきたのは負傷した通信手と軽傷の護衛のみ出会ったが...ま、飲め」
遼一はそう言って、茶を出した。
「ありがとうございます。」
「どうなっておるのやら。」
その時、外から伝令の声が聞こえた。
「もし上げます。先程野生馬捕獲に出向いていた小隊が、恐慌状態で帰ってまいりました。」
「あ?なんで輸送用の馬を捕獲するのに、恐慌になって帰ってくるんだぁ?隊長連れて来い!」
「は、はい!」
伝令は急いで捕獲部隊の隊長の所へと、走っていった。
「捕獲部隊隊長。閣下がお呼びです。仮設茶室に来るようにです。」
「わ、分かった。」
「大丈夫ですか?」
「あ、あぁ...」
そう言うが今にも倒れそうなで、近くに居た兵士が助けながら仮設茶室へ向かっていった。
「中将閣下。捕獲部隊の隊長浦上晴久参上しました。」
「お前。たかが馬如きで、恐慌状態になったそうだな。」
浦上晴久に背を向けて話し出す遼一であった。
「そ、それがその馬は通常より大きい馬でして...」
「そうか。まぁ普通なら許されん事だが、今回は特別に許すが咎め無しとはいかん。故にまずは、その馬の特徴を述べよ。」
「は。まず毛と皮膚は黒色でした。身長は通常の馬より2倍近くは、ありました。立髪だけが白色でした。」
「では、罰を下す。そこに居る利常を、連れてもう一度2人で行ってこい。ただし、逃げるなよ?」
「謹んで受けさせてもらいます。」
「利常は、どうだ?」
「1つよろしいでしょうか?」
「ん?」
「もし、その巨馬を捕獲出来たならば、私めに下さらないでしょうか?」
「構わん。」
「ありがとうございます。さ晴久少佐参りましょう。」
「は、はい。」
2人は、馬に跨り陣を出ていった。
「あの者が、言っていた馬の特徴は正しく...『松風』か『絶影』もしくは『ただの馬』かも知れんな。俺もそんな名馬欲しいわ。」
予想と文句を言った遼一は、自分で立てた茶を飲みながら三色団子を食べていた。
その頃、利常と晴久は捕獲地へと向かっていた。
「晴久。その馬の特徴は聞いたが、どんな感じだった。特に人間に関して」
「は。人間に関して、怨みを強く感じました。恐らくツール王国が何かをしたのでしょう。もしくは、我らかも知れませぬが...」
「なるほどの。」
その後は、目的地へと馬の速度を上げて向かっていった。
「利常少佐この辺りです。」
「確かに、巨馬の足跡があるな。西へ向かったか...追いかけるぞ」
「は、はい。」
利常、晴久は西へ向かって走っていく。
「晴久少佐。この辺で足跡が、消えておる。周りを探してみよう。」
「はい。」
2人は、馬から降りて辺りを探し始め30分後に、晴久少佐が巨馬の足跡を見つけた。
「利常少佐。見つけました。」
「ふむ。森か...馬で行けるわけないか。よし行くぞ晴久少佐。道は一本道だ。苦労はあまりしないだろうな。」
「は、はい。」
2人は、森へ続く一本道へと入っていった。そして1時間ぐらいたった頃だろうか...迷っていた。
「利常少佐迷いました?」
「う、うむ。迷った。で、でもこんな時はコンパスを...針が狂ってますわ(笑)。」
「笑ってる暇ないでしょう。速く来た道戻りま...一寸先は闇とはこの事か」
迷ってしまったために来た道を戻ろうとするが、真っ暗であった。
「このまま真っ直ぐ歩こう。」
「それしかないようです。」
そのまま真っ直ぐに道を歩いていると、池がある所に出てきた。
「こ、ここは...幻想的だな。」
「はい。でも右をよくご覧ください。」
「ん?」
「あの馬が、捕獲する巨馬です。」
晴久少佐が指を指しながら、そう喋ったが馬は池の水を飲んでいた。
「では、俺が飛び乗るからお前は見ていてくれ。もしやばくなって、俺が降りれなければ助けには来てくれよ?」
「は。」
この時の様子を晴久の日記にこのように書かれていた。
『この時、私は巨馬に乗り。それを乗りこなす利常少佐を、私は凄いと思った。この男いずれ私の、想像出来ない者に成るだろう。』
このような日記が何年後にとある歴史研究家が、発見し利常少佐とその巨馬をいた事を、示す証拠となった。
「堂々。堂々。なかなか気性が、荒いな。」
何時間もかけて、馬を利常は自分の意のままに、操る事に成功はが...
「お、おい」
操る事には成功したが、勝手に何処かへ走っていく
「えっ!ちょおま。」
晴久少佐もこの時びっくりしたようで、慌てて追いかけて行った。
「(速い!これほど速いとは...思いもしなかった!さてこの馬の名前は...)」
巨馬の速さにも慣れてきて、名前を考える事にしたが、考えていると陣が見えてきた、それで慌てて立髪を引っ張った。
馬は前足を上げ大きく止まった、その時後ろを走ってきたと思った晴久が、テレポートで馬の横に、飛ばされていた。
「ファッ!!?あれ?後ろを走っていたのに...」
「あ、あれ?晴久少佐後ろでいたんでわ?」
「俺が知りたいよ」
肩を竦めて逆に問いかける。
「帰ってきたか!」
その時陣営から声が聞こえた。
「こ、これは閣下!」
利常は慌てて下馬し敬礼をした、晴久もそれに続いて落ち着いて敬礼をした。
「そろそろ帰ってくると思っていたが、感が当たったわ。でだその横の巨馬が浦上が、言っていた馬か!(この特徴『松風』の特徴と同じじゃん!)して名前は決めておるのか?」
「そ、それが、考えている時に陣に戻ってきまして...」
「では、俺が付けていいか?」
「そ、それは、ありがとうございます。」
「では、名前は『楓絶』だ。名前を取った馬は、『松風』と『絶影』から取った。」
「その様な名馬から名前を拝借出来るとは、誠に嬉しいです。ありがとうございます。」
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利常の忠誠度が大幅に上がった。
浦上晴久の忠誠度が少し上がった。
兵士達の忠誠度、士気が大幅に上がった。
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遼一の脳内にピロンの音ともに、液晶画面が目の前に現れた。
「(いやスマホに、来るんちゃうかい!あと何故に士気が、上がったんですか?)」
スマホのメールボックスを、確認していないのが悪い事に、気づいていなかった遼一であった。
後日メールボックスを確認してみると、ステータスアップや色々な通知で100件も来ていたのであった。
「ヒェェェェなんじゃこりゃ!」
その後5時間弱かかりメールの返信、削除、電話などをしまくったのであった。
そのメールの中に輸送車の修理に関しての文面が、あった。
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輸送車の修理に関して
輸送車の修理お受け致しました。技術者をそちらにお送り致しますので2日お待ちください。
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これを見た遼一は、軍用機でこちらに着くように会社にメールを送り返した。
『閣下。御用でしょうか?』
「陸軍航空に輸送機で、三ツ葉会社に技術者を迎えに行くように、連絡を入れておいてくれ。」
『は。』
さっそく通信部は、陸軍航空に輸送機で迎えに行くように指示を送ったのであった。
『こちら陸軍航空分かりました。さっそく輸送機を飛ばします。』
そして、第205陸軍航空隊から輸送機1機が、三ツ葉会社に向かって飛び立っていった。
「部長。陸軍より輸送機が、来るそうです。それに乗るように指示が来ましたが、どうしましょうか?」
「しゃ、社長に連絡をしてみる。」
受話器を取り社長室に連絡を入れてみると、軍の指示を聞くようにと言われたのであった。
「軍の指示に従えか。修理の数は?」
「18両です。」
「結構な数だな。よし修理する為の技術者を集合させろ。(軍にも技術者居るはずなんだが...)」
「部長。1つ言い忘れがありました。部品を大量に持ってきて欲しいとの事です。」
「あっ(察し)」
その後無事輸送車の修理が終わったのであった。
松風
前田利益の愛馬。別名谷風。前田利家を水風呂に騙して入浴させ、前田家を出奔した際に奪った。並外れた速さで走り、勇猛果敢で体力も抜群。凡馬では三日ともたないほどの巨体の前田利益を乗せて悠然と駆けた。
絶影
中国の後漢末期に活躍した馬の名前。曹操の乗馬。名前の由来は影を留めないほどの速さからとされる。
『三国志』武帝紀注引『魏書』によれば、絶影は曹操の乗る馬であり、曹操が張繍から夜襲を受け、宛城から脱出する際に額と足に矢を受けた。




