59 国境進駐・突破・会戦と風土病
「そろそろ国境に、来るね。参謀君?」
「はい、あと2時間程度で着きます。欠伸しないで下さい。兵士に、示しがつきませんよ。」
「すまん。しかし寝るにも、寝れてないから、眠くて眠くて...」
「それもそうです。あんな、所では寝れませんよ...我々は皆優しく身体にフィットするベットですから。」
「ほんとそれな。次の休憩まで、まだ距離あるからな。それまでに、目は覚めさせておく。」
遼一は馬上で、参謀と話していた。約2時間経ち小休憩がとられていた。
「流石に強行は、疲れるわ〜なぁ?参謀君?」
「は、はぁ」
「なんか、併合しそうだよね。そうだ基地が、攻撃されたけど、どうなったんやろうか。なんか来てないか?」
「は!先程通信兵より、敵攻撃から基地を防衛しました。負傷者は10名、戦死者3名です。」
「戦争だから、戦死する者が居るからな。訃報を、知らせるのも俺の役目だからな。はぁ、訃報を届ける者の気持ちが、分かるよ。」
「そろそろ出発です。なので嫌な事は後で、考えてください。」
「へいへい。行きますか。」
嫌な事を考えつつも約3時間で、ツール王国国境までやって来た。到着後、すぐさま軍議をするので集合のが掛かった
「まだワイマール王国軍は来ないのか!」
「そ、それが各地で、戦闘をしているので、我らが軍の後を追ってきています。」
「兵力は?」
「騎士300だそうです。」
「な、なめているのか!」
「ま、まぁ落ち着いて王子。ワイマール王国も相当被害が、出ているので仕方ないですよ。こちらは、それほど被害が出ておりませんので、兵数は仕方ないです。あと、待ちましょう。」
「仕方ない、待つか。で、いつ着くのだ?」
「3日はかかるそうです。」
「分かった。」
「んじゃ、会議しよか。さ、アベル王子作戦会議しましよう。」
「そ、そうだな。今回の作戦は三方面作戦を行う。第3担当だけは決まっている。第3は影山軍だ。そして第2だけが決まっていない。」
「第1は何処が、やるのですか?アベル王子?」
「第1は、本軍が担当する。で第2なんだが、実は第2は現地民から聞くと、非常に道が狭いみたいだ。第3は、それほどでも無いのだがな。だから、第2は無視して進軍したいのだが、なにかあるかね?」
「王子の意見に従います。」
「同じく」
その後、続々と意見かまとまって行った。
「では、諸君夜に召集するので、それまで解散!」
「は!」
会議は、終わり貴族達は、自分の陣に帰ろうとしていた時
「か、会議中失礼します。!」
「なんだ?」
「は、は!西より砂塵が上がっているのを確認しました。」
「敵か?」
「そ、それが、ツール王国の旗は掲げておりませんでした。しかし旗の様なものは掲げており、確認出来たものは、1つは上から黒赤金で、2つ目は星が大量に書いていて横に青と白の横線のあるものが、確認出来ました。」
「何処の軍だ?ワイマール王国では、無いだろう。ツール王国にも、そのような軍が有ると、聞いたことはない。まぁ古い記憶では、有るがな。」
「あ、あのう...その軍隊、自分の軍隊です。今日合流するとは聞いていましたが、幾分か早いです。」
「そ、そうで有りましたか。それでは、失礼しました。」
伝令が、外へ行くのと入れ違いに、別の伝令が走って、テントの中に入ってきた。
「ほ、報告。敵城塞を分断に成功したので、城塞側が降伏しました。後方陣営から兵糧を、輸送しながら合流します。失礼しました。」
「では、皆取り敢えず解散だ。影山は、軍の再編と他は、作戦までなるべく気を抜かずに、休息してくれ。以上だ。」
「は!」
やっと会議が、終わり解放されたと思う貴族達だったが、遼一は内心「来るのはえぇぇぇ」と思っていたのであった。その為、遼一はダッシュで陣へ戻り米軍と独軍を再編しに戻っていった。
「(ちょっと独軍さん?米軍さん?どうしたの?無茶苦茶速いじゃん?どうしてこうなった。)おいおい参謀!来るの速いじゃん!?参謀も急いで!戦車とか何処にいるの?あと、再編の紙も!」
「は、はい!」
「やっぱ待てんから、参謀後から来い!」
「はい!」
遼一は、速くに米独軍のいる所へ向かっていった。
「さてと全ての書類を、持ったし急いで追いかけないと。おい行くぞ!」
「先輩待ってください。」
参謀達は、遼一の後を追いかけた。
「はいはい、皆さん退いてください。」
遼一が、来た時には戦車、トラック、砲を引率しているトラックが来ており、その周りには多方面の貴族の軍人や貴族達が執事を連れて、来ていた。が取り敢えず砲兵隊の中に組織されていた憲兵(MP)が円を作り中に入らせないようにしていた。
「憲兵ご苦労!」
「これは、影山中将閣下お早く中へ」
「うむ。して憲兵よ。」
「は!」
「指揮官か司令官は、いるかね?米独軍のなんだが?」
「我々は、アメリカ軍(USA)の憲兵ですので、アメリカ軍司令官ならトラックに、乗っております。そして後方には、ドイツ国防軍の憲兵が、規制線を作っております。」
「うむ。では、会いに行くか。あと後ろから参謀が来るから通してやってくれ」
「了解。」
遼一は、そう言ってドイツ、アメリカ司令官の所に向かっていった。
「す、すみません。通ります。通してください。」
「あなたは、影山中将閣下付きの参謀?」
「そ、そうで...」
参謀が、人に流されている時、人混みの中に手を、出している人がいた。
「この手に捕まれ」
参謀は、その手をがっしりと握り締めたら、引っ張られた。
「す、すみません。」
「まぁ、きにすんな。もう一人いるって、聞いたけど?おっ?おったおった。この手を、掴め。」
もう1人の参謀も、憲兵の手をがっしりと握り、引っ張られたのであった。
「あ、ありがとございます。」
「うん。中将閣下は、司令官に会いに行っている。走っていけば、追いつくだろ。」
「ありがとうございます。」
憲兵の隊長が、アドバイスをして、参謀達はダッシュで遼一を追いかけた。
「先輩!あの、後ろ姿は?」
「影山閣下だ。閣下!閣下!」
遼一は、後方から呼ばれているような気が、して後ろを向くと書類を、持ってきた参謀達が、きていた。
「影山閣下。遅れて、申し訳ありません。」
「別に構わんから、早く再編の紙。」
遼一は、そう言いながら手を出した。
「これであります。」
参謀は、ファイルから、軍再編書類を出した。
「アメリカ軍第5、第6戦車部隊は、陸上自衛隊戦車部隊に合流。米独軍歩兵師団はすべて合流。詳細は、ここに書いているから目を通してくれ。」
「は!」
こうして、米独軍陸軍は影山軍に合流し、歩兵師団が大量に増えたのであった。
そして、夜間になり基地の外には歩哨が立ち、夜間会議もあったりしたので遼一は、大変疲れたのであった。
「オフトンスャァ」
次の日も、会議などが続き、3日たった日に、ワイマール王国騎士団300が、合流した。
「これはこれは、ワイマール王国騎士団の皆さん。(やっと来たか)」
「アベル王子。遅れて申し訳ない。精鋭を選別して、連れてきた。これより、軍に協力します。」
「早速ですがこれより、行軍を行います。二方面から攻撃しますので、我々に、付いてきてください。全軍出発!前進!遼一、お主は後ろの方から来てくれ。」
「御意。」
こうして、ロマニャー王国軍に合理した、ワイマール王国軍は、そのままツール王国領へ、進軍して行った。
「ほ、報告。国境にいた、ロマニャー王国軍が、動きました!」
「良し!ならば各自作戦通り行動し、ロマニャー王国軍を、壊走させる。」
「おう!」
ツール王国軍監視部隊が、ロマニャー王国軍の、国境突破報告が届き、ツール王国部隊は平野で戦闘をする為、作戦行動を行った。
「はいよ!は!は!全軍止まれ!あれは...ツール王国軍だ。全軍戦闘!横陣を組め!歩兵隊は、前面。騎馬隊も、前面。弓隊は後列に行け!」
ロマニャー王国軍は、一般的な横陣をまず初めに敷いた。
「ほう。ロマニャー王国は、そのまま突撃か宜しい。こちらは、横陣を敷け!」
「はは!」
両陣営から、太鼓がなり、ロマニャー王国は横陣。ツール王国も横陣をまずは、敷いたのであった。不利有利でいえば、陣形では、互角であり。兵力では、ロマニャー王国軍が2桁ぐらいの差があり、ツール王国軍が劣勢と言った所である。
「短期で、行くぞ!全軍、突撃!」
突撃の太鼓が鳴り響き騎馬隊が、先頭を切り歩兵隊が、後ろから付いていく。
「盾兵!盾を前にせよ。槍兵は攻撃態勢!」
敵は、大将の指示のもと、盾兵が盾を構え、槍兵は槍を盾の凹んで入る所に立て掛けていたりしていた時、騎馬隊が突っ込んできた。
「敵は、少ないだろ!早く突破しろ!」
「報告!敵部隊を騎馬隊が、突破しました。」
その時、ツール王国軍陣営に続々と、部隊敗走の報が、届いた。
「も、申し上げます。左翼部隊指揮官が、戦死しました。そして左翼部隊は敗走。」
「も、申し上げます。右翼壊滅状態になり撤退を、余儀なくなりました。援軍を、要請しております。」
「申し上げます。右翼一部を残し敗走しました。」
「司令官、撤退の指示を!早くしてください。」
「わ、分かった。全部隊に、通達退却せよ!」
「はは!」
戦闘状況を、知らせに来た伝令は、司令官の撤退命令を、伝えに言ったのであった。
「報告します。敵が、撤退を始めました。」
「よし。全軍に、伝えよ。このまま、追撃をする。」
「はは!」
本陣からの、命令により全軍の騎馬隊が、突撃を始めた。
「太鼓の音が、鳴ってる。あっちは、戦闘を始めたのかそれとも、終わったかだな。こっちは、何も無いから楽で...(フラグ立っちまった。保険の為)3人で偵察をしてこい。」
「はは!」
遼一は、保険の為と思い、3人の偵察兵を出したのであった。
「このまま敵が、来なくて行ければいいが。(フラグ立っちゃ折るしか、回避できねぇww)」
言ってる事より内心に思っている事が、心配しながら、行軍していると数分前に出ていった偵察兵が帰ってきた。
「報告!敵を、発見しました。陣を立てて、宿営しているようです。奇襲を、かけるなら今の内かと...」
「戦車部隊が先頭だから、戦車部隊を突入させるか。『戦車部隊聞こえるか?』」
『は!聞こえております。』
「では、命を下す。この先に、ツール王国軍の宿営地がある。そこに突入せよ。歩兵部隊も時間差はあるが、突撃させる。」
『は!』
そして戦車部隊が近づくにつれて、地面が揺れ宿営地から敵兵が、数人出てきたが...
「撃てェ!」
車長の合図と共に、砲身から通常弾が、発砲された。
「弾着ーーーーーー今」
敵宿営地は、戦車部隊によりテントは消え去り、身体の一部が爆風により亡くなった者、砲撃をもろに喰らった者もいた。
「歩兵、戦車部隊前進!」
戦車部隊は、元の速力で宿営地を突破、歩兵部隊は宿営地に、入り安全の確保を確認した。
「書類は、念のため全てとっておけ。何かに、使えるかもしれん。」
部隊長は、敵宿営地にあった手紙、軍令、暗号書類などを、押収しそのまま行軍を開始。部隊長は、書類などを次の休憩時に全て出す予定であった。
『え〜諸君あと少しで、目的地目前になる。それに合わせて、少し進めば予定休憩地点である。それまで、頑張ってくれ以上だ。』
通信機器から、遼一による指示がとんだのであった。
「そろそろ休憩地点だな。」
遼一は、横の運転手に声をかけるが、返事がなく横を見ると、ガタガタ震えていた。
「おい!どうした?」
「す、すみません。大丈夫です。」
「顔色が悪いぞ!『全部隊止まれ!部隊の中に、何処か悪いとか具合が悪いとか言う奴はいるか?』」
遼一が、緊急通信ボタンを押し、全部隊へと通信を行った。
『腹痛、高熱などの体調不良を、訴える者が4名います。』
『こちらは、下痢などをする者が多数います。』
などの報告が、上がってきた。
『全軍進軍停止!医療班は、野戦病院の建設を急げ!』
簡単な設備ではあるが、野戦病院を設営し、高熱、嘔吐、下痢などをした者は、大半が脱水症状になっていた。
「この症状は、コレラだな。」
軍医が、他の軍医に症状を、言っているとそこに、遼一が現れた
「軍医どうだ?なんか、分かったか?」
「これは、中将閣下。原因は、コレラ菌です。人から人への感染はありませんが、排泄物、生物、食事に気おつけてください。今、健全な兵にはみなコレラに対する予防接種しています。本当は、入る前にやっとくべきですが異世界にも、風土病や感染症あるんですか...いまさらで気休め程度ですが中将閣下も、予防接種を受けてください。」
「そうだな。ちゃんと、調べもせずに済まなかった。」
遼一は、頭を下げ予防接種を受けたのであった。
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全兵士の忠誠が2%上昇
全兵士の減少が3%まで上昇
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遼一のスマホに、軍の情報が入っていった。
「中将閣下お探ししました。先の戦闘で、入手した書類などをお持ちしました。」
「うむ。敵さんにも、同じ症状が出ていた人間が、いたらしいな。死人も出ている。君、ここに書いている亜人?とはなんだ?」
「は。亜人とは、基本的に獣人種を指す差別or区別用語です。」
「獣人種は、複合獣と考えて良いのか?」
「そのように、考える学者も居るそうです。自分からは、どちらとも言えません。」
「そうか。下がってよし」
「それでは、失礼しました。」
その後影山軍は、感染症が発症する者が出てきて、1週間弱足止めを余儀なくされた。
コレラ:コレラ菌(Vibrio cholerae)を病原体とする経口感染症の一つ。
詳しい事は、Wikipediaをみよう。




