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160 勇者凱旋パレードととある少女と大統領とその後

完結です。

魔王討伐を果たし、ロマニャー帝国軍の砲撃から生き延びた勇者は、集中治療により無事回復した。

そして、勇者は今ロマニャー帝国皇居の謁見の間にて頭を下げていた。


「勇者よ。面を上げよ。」


勇者は大きな声で返事をすると、頭をあげ皇帝の目をみた。


「此度の功績誠に見事であった。ロマニャー帝国からは、従四位の位と一等鉄十字条、旭日昇天勲一等入国パスが出来る短剣と証明書を授ける。」


ロマニャー帝国の医療機関に運ばれた際に、聖教国からロマニャー帝国皇帝に面会に来ていた聖教王から論功行賞が行われた。


「ロマニャー帝国皇帝様と同じになるが、此度は誠に感謝する。聖教国からは、三位の位と仲間達に特級三位の位を授ける。そしてこれは、約束していた帰還方法が記された書物じゃ。だが、いくぶん古いのでな。」


勇者は、感謝の言葉と共にロマニャー帝国からは、従二位の位を表す勲章と赤小冠を授与され、他の物は特注な為期間が開くと説明された。

聖教国からは、上記の物を貰いロマニャー帝国・聖教国合同の論功行賞は終わり、貴族達には別の形で論功行賞が行われた。


論功行賞が行われた次の日は、勇者を筆頭としたパレードが行われ、観衆からは歓喜の声と共に花吹雪が舞い万歳を行い、勝利を祝いあった。


ロマニャー帝国皇帝、聖教国国王、ロマニャー大統領らの演説と祝賀演説がおわって城下が賑わっている頃、大統領室にとある客が来ていた。


「君、護衛ご苦労。この少女との話が終わったら呼びに行かせるから。下がってて。」


「は!」


護衛として少女に付き添っていた、指揮官は宛がわれた部屋に案内された。

護衛が、大統領室から出ると部屋が真っ白になった。


「久しぶりですね。遼一殿」


「は、女神様もおかわりなく。して、なぜ魔王城の地下などに女神様に似た方が??」


「実は、貴方に転生して貰ったのはその子を助ける為です。我が子を救っていただきありがとうございます。」


「え!我が子!」


「さぁ、来なさい。」


女神は、手を出すと少女に来るように諭した。

しかし、少女は動かずに大統領を見ていた。

すると、少女は首を横に降り地上に残ると言った。

女神は、ニッコリと笑い地上に残ることを許可はしたが、何年後かに迎えに来ると行って大統領室に周りが変わった。


「よかったかい?」


「はい…母の使徒様にもご迷惑をおかけしました。これからは…何年後に迎えにくる母の為にも成長した姿を見せるために聖女になろうと思います。ありがとうございました。」


「そうか、頑張れ!」


大統領は応援の言葉を言うと、机の上にある固定電話で、護衛を呼ぶと命令を下した。


「君には、これからこの少女の護衛任務を命ずる。陸軍大臣、大統領からの命令書だ。」


護衛の指揮官は、一階級特進と毎月の特別手当ての支給などを盛り込んだ命令書を渡した。

ちなみに、この護衛が選ばれたのは少女の指名であったからというのも理由のひとつであり、護衛の指揮官の所には子供が居ないこともあった。


「謹んで拝命致します。」


命令書を受け取ると、護衛の指揮官と少女は大統領室を出ていった。


「さて、最後の仕事に取り組むか。」


勇者の凱旋パレードから二週間後の通常議会にて、大統領から重大な発表があることを議員とマスコミに通達していた。


通常議会当日、天気は雨であった。

大統領が議員全員が座っていることを確認すると議会委員長からの指名で重大な発表について発表することを命じられた。


「ロマニャー帝国憲法の議会法に基づき本日、通常議会において私ロマニャー帝国第三代目大統領を辞職及び政界引退すると共に、上院、下院の総解散することを宣言する!」


大統領の辞職と閣僚達の辞職に伴う総辞職と政界引退を発表すると共に、上下院の解散が行われ、選挙戦に入った。


ロマニャー帝国全土にて与野党と新政党の選挙戦が開始した。

王都近郊地域と大都市では、与党である自由保守党から立候補した者達が当選、村落では野党の社会党、共産党が当選していたが、地域ごとには、与党自由保守党が圧倒的であった。

新政党は、党首が当選したため解散という悪夢は脱した。


二週間の選挙戦を乗り越え、党開票が始まった。

党開票により、与党自由保守党は議席六百五十席、野党社会党、共産党、共和党、民主党はそれぞれ十席、新政党改新党、平和党などの小政党は一席ずつとり、与党が過半数強を維持、大統領辞任の為上院、下院内にて、大統領戦が始まり、そして立候補出来るのは、与党もしくは過半数を取った政党からしか、立候補出来ない法律があるので、与党の自由保守党からの有力者達による激しい戦いが始まった。


そして、二週間後に本会議場にて与野党の投票が始まり、新しい大統領の就任により、引き継ぎ後に旧大統領は退陣して第四次政権は終焉した。


十数年が経ち、政治期間の空白や経済政策の失策、他国への内政干渉、ブッロク政策、経済の低迷期など混乱した年が過ぎ、野党から政権を取り戻した自由保守党による尻拭いを経て、ロマニャー帝国は新しい時代を迎えたのであった。


大統領を辞職した元大統領の影山遼一はとある居酒屋から出てきたところで、男に声をかけられた。


「ロマニャー帝国元大統領閣下の影山遼一殿ですか?」


「いかにもそうだが?」


男は懐から拳銃を出すと使いなれてない拳銃の引き金を引き、動揺していた影山遼一の胸に9mm弾突き刺さった。

銃声を聞いた居酒屋の使用人が、悲鳴を挙げると、中にいた元閣僚や現職の閣僚が出て来て、救命活動を行っていたが救急車に乗せ病院へと向かった。

救急車の中で目が覚めた影山遼一は、横に座っていた友人であり現職の閣僚に言葉を残した。


「撃った…犯人は…私の…後ろ…か…ら…だ…。」


そう言い残すと心拍数を計る機械からアラームがなり、救命行為をするものの病院に着くまで意識は戻らなかった。

そして、病院で二度目の目が覚めると、また言葉を残した。


「妻に…いままで…悪かっ…たと伝え…てくれ…子供達を頼むと…成人した…長男…には好きに生きよと…伝えてくれ」


目を瞑ると、それ以降は目は開かずになり、心拍数も零をさし、死亡した。

死亡したことは、直ぐ様次の日の朝刊、夕刊、ニュース速報で流れた。

葬式は親族だけで行ったことを伝え、ロマニャー皇帝一家には死亡した旨を伝えると、皇帝自らと先代皇帝が葬式に出席した。


その後、ロマニャー帝国は帝国を捨て、立憲君主制と移行、民族自決の元、多くの国が自治領として独立国として独立したのであった。



~完~

次回作

https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/1532652/

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