157 魔王城へ~魔王城包囲戦二日目~
一日目の夜営から明けて、二日目の魔王城攻勢に入った。
ロマニャー軍は、一日目同様に砲撃を使った攻撃を始めた。
連合国軍は、魔王城攻勢に対して、大型攻城兵器を使った攻撃をやり始めた。
「報告、霹靂車の準備が整いました。」
「よし、攻撃始め!ロマニャーに遅れを取るな!」
別の加盟国軍は、井闌車を使った攻撃を魔王城に攻撃をしていた。
連合国軍は大型兵器を使った攻勢をしていたが、兵器も魔王軍の魔法使いにより、大規模魔法で破壊されていたりした。
「此方も魔法使い部隊を出動させろ!」
魔法が最も得意と言われた魔法使い国も、後方支援から、一転攻勢に加わり魔王城の城壁等を破壊していた。
~ロマニャー帝国軍指揮司令部~
「報告!砲撃するも城門に傷一つ着いておりません。また、魔法使い国軍による城壁等は破壊去れておりますが、あまり効果は無く、破壊より復元の方が速いと思われます。」
「うーん…やはり…鉄鋼魔法を組み込んだ砲弾の使用許可を出す。やれ。」
「は!」
一人の伝令が、指揮司令部から出ると入れ替わりで、新たな伝令がやって来た。
「報告します。連合国軍が城門に対して兵器を使った攻撃をしました。しかし、大損害にあい、一部の飛行モンスターの強襲を受けているので、救援要請が来ております。」
「魔導飛行大隊を援護に回せ!」
指揮司令部からの通達は、伝令や無線、有線などで、前線に送信された。
魔王城の城下町には煙がたちこめていた。
ロマニャー帝国軍の歩兵師団が砲兵支援の元、段階的突入を敢行し、市街地戦を繰り広げていた。
また、有るところでは勇者一行が、戦場に乱入してきて、魔王軍配下を蹂躙していた。
昼頃、指揮司令部を訪ねてきた者がいた。
名前は、ハリスと言うらしい、出身はレーム国で、勇者一行に加わっていると言っている。
「勇者一行の御方が何をしに此方に?」
「十分後に、勇者様が此方においでになる。その先触れを果たしに来ただけです。失礼する。」
先触れをいいに来てから数分後に、勇者が現れた。
「て、勇者様は攻撃を辞めろと?」
「はい。魔王は勇者にしか倒せない。」
「それは、分かっています。ですが、今日の攻撃中止は出来ません。明日なら攻撃はしません。これでいいですね?」
「いいでしょう。我々は、明日魔王城に乗りこみます。」
勇者の付き人でありる高貴の出の、メンバーにより、指揮司令部は明日の攻撃中止命令と即応待機命令を出した。
二日目の攻撃は、日が下り二時間の戦闘延長を行い二日目の攻撃は終了した。
「本拠地というわで、被害が多いな。備蓄は?」
「は、本国から陸空にて食糧、医薬品などの物資、弾丸などの戦略物資が届いているので、三ヶ月は粘れます。包囲するだけなら六ヶ月です。」
いろいろと議題があがったが、夜間定例会議は終わり、全員に紙で書いた本国の作戦部から、大統領印のある秘密文書が書かれた物を見せた。
「これって秘密文書ですよね?」
「あぁ、しかし、これは作戦会議に出ている者達には、見せなければならない物だ。要件は、明日の攻撃は中止しない。魔王城に勇者が乗り込み、昼過ぎから攻撃開始だ。政治判断だろう。」
大統領と知己となり同郷の出である勇者を、高度な政治判断で、勇者にしか倒せない魔王を倒した事を確認または、共倒れを確認後、攻撃をすることが、秘密文書には書かれており、指揮司令部の攻撃しないと言うのは、実際はトップダウン式の命令の一つであった。




