124 ロマニャー&アンシュvs小国連合~アレーハン国内戦~
次回は、水曜日
増大した前線基地の一室で陸空軍の作戦会議が行われていた。
「陸軍としては、このままアレーハン国首都を目指が、ホルドゥン、アーディティラニリを攻略して、首都を目指す。」
「空軍は、このまま待機です。出撃要請があれば、いつでも出撃出来るよう待機しておきます。」
陸軍と空軍作戦参謀たちは作戦を詰め、部屋を退出した。
次の日の朝、陸軍機械化部隊と戦車部隊は早くに基地を出て行軍を始めた。
空軍は、戦闘機の整備や爆撃機の整備などをやったりしていた。
陸軍空挺部隊は、そのまま基地に残り、基地の拡張整備などを手伝っていた。
陸軍が基地から出て二時間あまりたった有るところで、前隊の通信機から前方に街を発見したことを伝えてきた。
「全軍停止!地図を持て」
「は!」
兵士が胸元にいれてある地図を出し、街の名前を確認するが、地図には載っておらず、街並みだけが、衛星写真に載っていた。
「中規模の街かな?よし、前隊以外出発!近くに来たら停止せよ。」
前隊の通信機に停止命令を出し、中隊、後隊はそのまま行軍を行い、前隊と同じところまで来ると、直ぐに軍を展開し街に使者を送った。
「私は、ロマニャー国陸軍第二十六軍である。ここの街の最高責任者は誰だ?」
使者が閉ざされている門の前で、口上を述べると、城壁の上から声が飛んできた。
「この街を納めるトゥラアデ伯である。なにようか!」
「降伏を進めに参りました!」
「誰が降伏などするものか!我々はアレーハン国に忠誠を尽くし、国家を守ることである。ロマニャーの蛮族に降伏などせぬ!」
「本当に良いのですな?」
「構わん!これ以上言うと矢を射るぞ!」
「分かりました!」
使者は、サイドカーに乗り込み自分の所へ帰っていった。
そのまま、使者は軍団長に報告に行った。
「報告します。降伏は拒否しました。」
「そうか、砲撃用意!撃てー!」
トゥラアデ街では、市民の避難が終わりそうな時、ロマニャー軍から攻撃が開始された。
ロマニャー軍の砲撃により、門は爆発、ミサイル搭載機動車から放たれたミサイルにより、城壁は穴が空いたりしていた。
「退くな!戦え!」
砲撃により、城壁の上にいた兵士たちは砲撃の爆発に巻き込まれ、肉片が飛び散り士気が一気に恐慌状態に入り、我先へと城壁から降りて逃げようとしていた。
それを止めるため、怒号を放つトゥラアデ伯でも止められず、側近に抱え込められて城壁を飛び降り、避難を始めた。
「門が爆発したか…よし、進撃。」
戦車を先頭に、戦車の後ろに歩兵部隊が付いて、街に入った。
街に入るとまだ元気のある兵士から銃撃を受けるも、散発的で纏まり性が無く、発射感覚も長かった。
「伏せろ!戦車を盾に使え!」
歩兵部隊は、銃撃されたことで体を伏せながら、戦車の影に隠れ敵の出方を伺うと今度は、戦車に攻撃を行った。
しかし、発砲により場所がバレて、建物の窓から撃っていたため、戦車の主砲が窓に向き、主砲から砲弾が、窓に向けて放たれた。
窓に着弾すると内装や壁といった建物を破壊した。
「あそこか、領主の館は…砲手!ここから撃つぞ!」
「は、はい!」
砲手は装填して仰角を直すと、引き金を引き、砲弾が放たれた。
砲弾は、領主館の付近に着弾したが、連続射撃を行い、領主館に集中攻撃した。
追従してくる歩兵部隊の制圧射撃により、建物内から撃ってくるアレーハン兵に攻撃したりした。
戦車から放たれた砲弾が領主館の屋根に着弾した。
全速力で戦車を領主館に向けて走らせ、戦車の後方と左右に歩兵部隊を載せ、領主館につくと、半壊している門を戦車で通り、歩兵部隊を下ろして、歩兵部隊が館に突入すると豪華な鎧を纏っている軍人が倒れていた。
「脈ありません!」
「そうか、占領したことを街中知らせよ。ポールの国旗をおろしてロマニャーの国旗掲げておけ。」
「は!」
領主館の敷地内のポールからアレーハン国国旗を降ろし、ロマニャーの国旗を掲揚したあと、街中に占領したことを伝え、人命救助や住民確認のための速やかな救助依頼、避難地からの退去が勧告された。
住民たちが避難していたところは、教会に退避しており、何度も呼び掛けた。
一台のジープがやって来た。
「どうした?」
「は!ここから、教会の特地だそうで…」
「特地?なんだそれは?」
「おそらく、一般開放されている大使館的な役割じゃないでしょうか?」
「まぁ、わかった。君たちは他の任務に当たってくれ。」
「は!」
兵士達を別の任務を与え、場を返さすと無線機を取り、本国へ対処を伺った。
「本国から命令は受けた。『えーえーマイクテス、マイクテス、教会に退避している皆さん、出てきてください。住民確認を行いますので、出てきてください。炊き出しや治療も行っております。出てきてください。』」
教会からローブを着た人達が出てきた。
「何度も言うが、ここからは教国領である。侵略者の相手に対する言葉は無い。」
そう教会側は宣言すると、教会に入っていった。
「兵糧攻めと匂い攻めだな。こりゃ…」
始めに、何日にもおよぶ兵糧攻めを行い、食料などを運ぶ商人に金を渡し、何日分の食料かなどを探ったりして、そのときは来た。
「そろそろだな。炊き出しを行い匂いを教会側に流せ。食欲旺盛な子供はからなず出てくる。親もしかりだが、教会側の対応によっては一気に崩壊する。食料が無いだけで崩壊してそうだが…」
炊き出しを行い、匂いにつられた子供達は教会から出て来て、親はそれを捕まえようとするが、既に体力的余裕の無さが現れ、子供達は炊き出しをもらっていた。
親も炊き出しを貰い、住民確認などがスムーズに確認がとれていった。
一人の軍人が親に教会の内情を聞くと、崩壊は目に見えてきた。
「そろそろか…」
それからも続々と、教会から逃げてきて、教会側は教会を脱出した。
「追いかけなくてよい。我々も炊き出しなどが終われば、軍に合流する。」
住民確認などが取れたので、軍に急ぎ合流するため、ジープを三台用意し、憲兵中隊を置き、急いで軍に向かった。




