106 終結するも内戦へ~制空権をかけて ロマニャー空軍vs共和国空軍~
「こちら、キャット1。キャット2聴こえるか?」
『無線は良好です。』
「そろそろ、共和国空域に入る。お前は、初陣だろ?俺たち先輩の動きをみてろよ?」
『は、はい!』
「アリィ、少しは女らしくしろ!あと、新人いびりは辞めろ。」
『隊長、セクハラですよ?』
「ちょっと、なにいってるかわかんない。」
『いいかね?ガルーダ隊?レーダーに反応あり。真下から来るぞ。』
ガルーダ隊内で、会話している中で、ガルーダ隊よりも遥か上にいる空中哨戒管制機から無線で、敵機の警告情報を受けた。
「だそうだ。行くぞ。」
ガルーダ隊の隊長であるヨーゼフが、掛け声をすると、X-22戦闘機5機が散開、共和国空軍を待った。
一方その頃、共和国空軍基地では、拡張機からサイレンを鳴らして、スクランブルをしていた。
「敵機影レーダーに捕捉!ロマニャーです!」
「なに!発進できる戦闘機を上げろ!」
「は!」
共和国空軍基地の滑走路では、戦時中にロマニャーにて可決した戦争に関する法律で、味方支援の為の法律である武器援助法(別名味方支援法)により、航空機も援助されており、旧式であるが、ジェットエンジンを積んでいる航空機が滑走路の上で発進準備を整えていた。
「D-2一番機!発進!」
滑走路からD-2攻撃機の一番機が発進して、ある程度の距離が開くと、二番機、三番機と発進していき、一気に高度を上げって行った。
「見つけた。喰らえ!」
共和国空軍機はX-22を捕捉、両翼備え機関銃である20mm軽機関銃(軽の為装弾数は600発×2)を発射するも軽量弾で有るため、弾があまり真っ直ぐ飛ばない現象が起きた。
「政治家共の連中が作った法のお陰で、ジェット機と戦闘かよ!」
『アリィ…』
「分かったわよ!発射!!」
女性パイロットであるアリィの乗るX-22のパイロット目線にてD-2をロックオン音により、X-22ミサイル発射スイッチの上のカバーを外し、赤スイッチを押すと、X-22四番機からSRAAM(短距離空対空ミサイル)に属するAIM-9Xを2発発射。
1発目はD-2の片翼に接触して爆発、2発目は別のD-2の回避運動により、背面に接触して機体もろとも爆発した。
「しっゃ!おら!舐めんなよ!共和国がぁ!」
『荒れてるねぇ。』
「話してる場合なの?やりなよ!」
『やってるわ!数多すぎだろ!クソッ!』
ガルーダ隊が奮戦しているなか、ロマニャー空軍の援軍がやって来た。
『よぉ。ガルーダ隊のみなさん~』
「アピューレス!てめぇ!何しに来やがった!」
『何しにって援軍だよぉ?戦闘中だからさ?私怨は無しでぇ~』
『アリィ落ち着け』
「ああ!分かったわよ!(絶対ぶっ殺す)」
アリィとアピューレスの関係は、アリィが軍に入る前に付き合っていた彼氏を略奪して、妊娠、結婚までしたので、略奪されたアリィは恨みに恨んでいた。
アピューレスは、軍に入り空軍所属となったときに、アリィと再開して、恨んでいる事を知りながら、アリィをおちょくったりしていた。
今回の援軍もアピューレス一機であったためか、アリィに罵声を飛ばされていた。
アリィと付き合っていた彼氏は、アピューレスの妊娠脅迫で結婚したという経歴があった。
アピューレスが孕んだ子供は、ちゃんとアリィが付き合っていた彼氏の子供だったので、アリィは子供まで何も言わなかった。
『アピューレス、ちょっと聞いていいか?』
ガルーダ隊の隊長がアリィをなだめながら、アピューレスに話を振ってきた。
「あら、何かしら?」
『なぜ、君は一機なんだい?しかも、除籍されたのでは?』
「そ、それは…」
アピューレスはアリィの彼氏を取ったことも負い目にあったり、軍から除籍(退役)したけど、アリィのことが、気になり無断飛行してきたとは言えなかった。
『言いたくないならやっぱいいわ。集中、集中と(はぁ…)』
『隊長!そんな奴の話なんて聞かなくて良いです!』
『んだとぉ!こら!』
アリィとアピューレスの仲はこんなんであるが、ガルーダ隊の隊長は、全てを知っていた。
何故か、それは、アピューレス本人から聞いたからである。
彼氏を寝とられたアリィも悪いのだが、アピューレスも彼氏の相談に乗るたびに、流れでそうなったと聞いていた。
『(はぁ…)仕事してくれ…』
こんな、戦闘をしている最中で、こんな話をしているが、共和国空軍の数が凄かった。
『二人とも、仕事して…』
ガルーダ隊の隊長の悲痛な叫びにより、会話しながらも撃墜機を増やしていたアリィとアピューレスは、もっと撃墜機数を増やしていた。
『(地上に落ちたらどうなることやら…アピューレスもどうなるんだが…一般人になったのに…)』




