103 新たなる戦争~首都陥落と講和~
第一次革命闘争が終わると王帝派は、ロマニャー国との講和条約締結のためのコキュ王国の降伏条件を積めていたが、国民に対しては、講和は戦争が始まる前の国土回復をしてからと言ってしまっていたので、水面下でロマニャー側と接触しなければならなくなった。
戦争は継続することになり、コキュ王国陸軍の徴兵も多くなり、生産力は右肩下がりであった。
コキュ王国海軍は、ロマニャー海軍との戦闘を避け、輸送船護衛の任務についていたが、ヒップット港の停泊しているのを偵察機により発見され、ジェット機による空襲で、ぼろぼろにされていた。
戦場では、対歩兵兵器である戦車部隊を投入、戦車の後ろから歩兵がついてくる方法で、被害を押さえていたりした。
戦車の投入により、対戦車兵器など持っていないコキュ王国陸軍は戦線の崩壊とともに、後退また後退と撤退を繰り返ししていたので兵士の士気は最悪の状態であった。
「俺たちには、虎の子戦車部隊がついているだ!頑張れ!首都までまっしぐらだ!」
戦車の機動もありコキュ王国首都へ包囲をじりじりと縮めていくと、首都を要塞化しており、先発隊の1万5000の混成師団が軽く攻撃すると、手応えを感じ指揮官の機転により大損害を被る前に撤退を指示、後方から来る味方に戦況を報告すると、味方が合流するまで、持久戦に入った。
後方から来る味方の軍は、先発隊からの報告を受け、進軍速度を速めたが、先日の大雨のおかげか、戦車の履帯が泥にはまったりして、戦車は故障もしくはエンストを起こし、速度は鈍足になっていた。
自動二輪のオートバイに乗車している機動混成機械化歩兵師団のオートバイは後輪が土に嵌まり、これもまた鈍足かしていた。
「収用車はまだ来ないのか。」
「は。現在空輸しているため、この付近で降下させる。と、先ほど報告がありました。」
士官が言った戦車やオートバイを収用するための収用車とは、名前の通りなのであるが、ぬかるみに嵌まらないように設計されており、特にタイヤに対して重点的に開発された特殊工作自動車である。
一機の飛行機が真上を通ると、少し過ぎた辺りで後部が開き、何かが降下してきた。
「収用車です!」
「そんなの見ればわかるわ!はやく案内をしてこい!」
「は!」
降下してきた収用車は案内され、戦車、オートバイを収用すると、先に先発隊の陣地へ向けて出発した。
戦車、オートバイを収用された戦車兵、機動混成機械化歩兵師団の兵士たちは、別の収用車に乗り、先発隊のところへと向かった。
他の、歩兵師団などはトラック輸送により輸送されているため、戦車、オートバイが嵌まったぬかるみを避け、別の乾燥した道を通り先発隊のところへと向かっていった。
すべての味方の軍が集まったのは、先発隊が到着してから二週間で、到着した。
要塞化されている首都では、二週間目となる日の前に、先発隊しか見ていなくて、当日も霧が濃く視野が確保されていなかったため、霧が開ける頃には、先発隊も含むロマニャー陸軍が首都を包囲していたのが、見たのである。
「砲兵部隊に通達。首都内にいる別動隊への合図準備。予定時刻に合図用空砲砲撃。」
「は!」
先発隊から選別された特殊部隊に一時的な改編し、暗闇に紛れて城内に潜入、内から門を開ける計画や撹乱などの準備を援軍が来るまでに、終わらせておいた特殊部隊は、合図を待っていた。
特殊部隊に送る合図を放つ時刻になり、砲兵部隊からの空砲による砲撃を5回行い、首都内は混乱に陥った。
「作戦通り!に動け!」
「了解!」
合図砲撃により、内部に潜んでいた特殊部隊が行動を起こし、内から閂をとり門を、開け味方の軍を引き入れ、別れて行動していた部隊は、守備兵を倒していった。
「門が開きました! 」
「よし!全軍突撃せよ!」
包囲していたロマニャー陸軍から歩兵師団、戦車部隊が攻撃を開始、ヘリによる空輸で城内に降下して、攻撃も行った。
「降下!」
ヘリから降下を終えた隊員たちは作戦通りに、散開及びヘリポートの守備を行い、攻めてくる敵歩兵に対して鉛玉をプレゼントしていた。
「お、おのれ、ロマニャーめ!えぇい、ここを捨てて後方に下がるぞ!」
「ほ、報告!後方からもロマニャー軍が城門を突破!城内にて戦闘!」
「報告!城内に潜んでいたロマニャー軍により、前方の城門が開けられました!それにより、ロマニャー軍が城門を突破!城内にて戦闘!」
報告を受けている最中、聞いたことの無い足音が聞こえてきた。
「要人発見!警告する!今すぐ両手を上げ降参しろ!」
聞いたことの無い足音はヘリから降下してきたロマニャー軍の特殊部隊SDの一部だった。
「王をお守りしろ!」
「仕方ない!王と貴族以外撃て!」
特殊部隊の伍長命令により、武装している敵に向けて、特殊部隊標準装備のH&B社製Gak98小銃7.92mm弾が撃ち込まれていく。
「盾を前に出せ!こちらも撃ち返せ!」
狭い場所で盾を全面に出し、ロマニャー国から買った銃GAF社製F101銃をコピーしたものであったが、この銃にはある欠点があった。
それは、給弾不良の多発であった。
特に、連射をするとマガジンタイプでは三発目で不良を起こすという欠点を持っていたが、三発目を撃ったあとリコイルレバーを一度引けば、10発までは不良を起こさずに撃てるのである。ただし、ベルト給弾もできる仕様の方では不良を起こさないというある意味の欠点もあり、そして、ベルト給弾に変える作業にも手間のかかるため、ロマニャー軍では正式採用はされなかった。
「敵撃破!さぁ!降伏されよ!」
「降伏はせぬわ!末代まで呪ってくれるわぁぁ!」
「逆恨みも甚だしいわ!」
王は帯剣している剣で自分の首を切り落とし、逆恨みの言葉を発するも、伍長から発せられた言葉により、さらに憤激した顔で死んでいた。
「おい、貴様はどうする!」
「わ、私は、降伏する。」
「川島!ちょっと耳を貸せ!」
「はぁ?、は!」
伍長は川島の耳に王に関してしゃべった。
「「川島、この顔なんだが関羽に似てないか?」」
川島はぞっと肩に手を置いた。
「ちょ、まてよょ~」
伍長は関羽の死んだ後のことを知っていたたため、ショックが大きかったが、それを聞いた、大統領である影山は気にする必要は無いといつつも大いに笑ったそうだ。
ショックもいつまでも出来ない伍長は、大臣格を捕縛し王の首は木箱に入れ、首からしたの遺体丁重に陣地に運ばれ、王城では白旗が上がり、大臣格の言葉を伝えに行くため大臣とともに市民や王族が隠れているところへ行き、降伏したこと王の最後を語り市民は解放、王族は連行された。
その後、大臣格と王族の人間と暫定政府による講和条約の締結を行い、ロマニャー(&暫定政府)vsコキュ王国の戦争は終結。
同調していた国とは、特に交戦しておらず占領した国境で睨み合っていただけであったので一旦和睦したのであった。




