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巨大奇迷路~脱出の鍵は少女?~  作者: 心叶音
一日目
7/7

最初で最後の自己紹介

「もうすぐで小屋に着くぞ」


気の強そうな男が勇気付けるように大声を出す。


もうすぐでひとまず夜を過ごすらしい、わかってはいたがなかなかキツい一カ月になりそうだ。


「大丈夫かい?すぐそこだよ」


「ええ」


隣の男性はよく私を気に掛けてくれるのでとても気が楽になる。


それはこの数時間でよくわかったし、これからのチームの団結には不可欠な物になるだろう。


リュックの中にいる少女とも団結出来ればいいが・・・それは二の次だな。






「小屋に入ったら荷物を置いてまずは集合だ」


気の強そうな男が入るとそれに合わせて僕らは小屋に入った。


小屋は想像では小さいと思っていたが、実際は皆が寝れるぐらいの大きなログハウスのようだ。


僕は大きなテーブルの上に荷物をそっと置き、ゆっくりと溜め息を吐いた。


皆も考えていた事は同じなようで、思い思いにリラックスしている。


「---全員荷物は置いたか?」


リラックスした所で気の強そうな男が仕切り始める。


「まずは、お疲れ様だ。明日はここから個々のグループに分かれようと思う。ところで、今日は自己紹介をしないか?」


男の顔にはもう怖そうな雰囲気はなく普通の頼れる男性に戻っていた。


「名前だけでもいいがな」


男は全員と視線を合わせ承認を確認する。。


「じゃあ俺からだ、俺は長井 杜氏。とうじのとうはご神木とかの意味を持つ漢字だ、覚えなくてもいいぜ。仕事は・・・ろくでもないな、こんなイベントに応募したぐらいだし。趣味はサーフィン。以上だ。ニックネームはいると思うか?」


皆はお互いの視線を確かめながらゆっくりと頷いた。


「俺の場合は・・・そうだな、普通だがトウジだ。そのままだな」


トウジは少し笑っていたが、その顔はもう怖くはなかった。


「じゃあ次は誰だ?」


「・・・じゃあ僕」


気が弱そうな眼鏡少年だった。


「僕の名前は安井 刀祢。ト、トウヤでいいよ・・・えと、趣味は・・・風景を撮ったりする事です。よろしく」


申し分程度の自己紹介を終えた後小さな拍手が起こった。


「次は?」


トウジは早く済ませてほしいと言わんばかりに周囲を見つめる。


「じゃあ僕」


カップルの男がここで名乗りを上げた。


「せっかくなんで彼女もいっしょに自己紹介したいと思います。僕は安藤 義次。ヨッシーでいいです・・・。彼女は山中 優香。いつもユカって呼んでるんで皆さんもそう呼んで下さると喜ぶと思います。だよね?」


彼女は小さく頷く。


「はは、彼女は結構喋るんですけどやっぱり環境が環境ですからね。たぶん時間が経てば慣れてくるでしょう。趣味は特にはないんです。二人で旅行ぐらいかな?よろしくお願いします」


そしてまた皆が拍手をしている間、僕には彼女が照れ隠しに俯いてるのに気づいた。可愛いんだな。


「はい、じゃあ次は誰?」


「じゃあ俺」


名乗りをあげたのは化粧が濃くて男か女かわからなかった印象が強い、どちらかというと苦手なタイプの人だ。


「俺は藤原 元。そのままゲンでいい。趣味は特にない。よろしく」


自己紹介の完成度に比例するように小さな拍手が起こる。残ったメンバーはいつ話そうか迷っているようだ。


じゃあここは僕が・・・。


「次僕でいいですか?」


喋ろうとした途端隣で 声がしたので驚きを隠せないまま振り向くと僕らのチームである一員の頭の良さそうな男性だった。


「僕の名前は中田 雅弘です。マサヒロと呼んで下されば満足です。趣味はないのですが、研究は好きなのでよろしくお願いします」


既に形式とかしている皆の拍手音を聞きながら、次こそは僕がと意気込み最終手段である挙手を使った。


「お、威勢がいいね。どうぞ」


「は、はい。えと・・・僕の名前は岡島 亮です。アキラでいいです。趣味は・・・すいませんないです。よろしくお願いします」


僕はその後何事もなく拍手が起こったのを確認し大きい溜息を吐いた。


「さて・・・あと四人だな?次は誰だ?」


するとスッと一人手が上がるのが見えた。フード姿の女性だった。まだフードを被っている。


「・・・私は里井 天音。アマネでいい。よろしく」


小さい拍手。皆の態度はわかりやすい、いかにもバレバレである。


「じゃあ次は俺でいいか?」


体格がごつい男が重々しく手を挙げる。


「俺は山田 相馬。ソウマでいい。学生の頃は相撲を続けていた。力はあるほうだから頼ってくれ。よろしく」


やはりか、相撲以外だったらどうしようかと思うほどの体格だ。


ある程度拍手も終わった所で、あとは二人だけになる。


ここで今までずっと俯いていた女性がついにといった雰囲気で手を挙げた。


「・・・私は・・・名前は智子。トモコでいい。よ、よろしく」


普通に喋れるんだと僕は少しばかりの安堵感を覚える。ひとまずヤバい人ではないみたいだ。


さて、残り一人。残ったのはいかにも話し出すのが苦手そうな少女だ。


少女は皆をチラチラ見ながらもう言ってもいいのかと目で緊張を訴えている。


「大丈夫だよ。自己紹介できる?」


マサヒロは少女に優しく声をかける。


「できます・・・」


少女はその後自己紹介を話し始めた。


「私の名前は花井 由実って言います。ユミって呼ばれてるので皆さんもそう呼んでください。水泳とか合気道とか習ってました。よろしくお願いします」


今までで一番大きい拍手がユミに贈られた。


ユミは少し照れると、俯く。この子も可愛いんだな・・・!いかんいかん。大人がそういう目で見ちゃいけない。


「じゃあ皆自己紹介終わった所でグループ名も考えたい所だが・・・皆疲れてるだろう。幸い部屋は一人一部屋きちんと用意されているだろう。だからひとまず今日は寝ようじゃないか。それでいいか?」


皆は頷く。


「じゃあ後は寝るまで自由時間だ」


その言葉を合図に、十一人はそれぞれ散らばっていった。



やっと名前決まったので進みやすくなります。

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