ふたたび?
あたし達は王妃の部屋を後にした。なんか・・・やりきれないって言うか・・・何とも言えない気分だけどね。
『あたしには理解できそうにないな。』
『もう少し齢を重ねれば理解できることも多かろうて。』
『そういうもんなんかなあ・・・』
『人によると思うぜ。』
どういう意味だ?じろって見ちゃう。
この城であとは見落としはない?そういえば。あの魔法使いと黒服の男は見つかってないな。塔にもいなかったし。あたしが言ったら,
『そういやこの城からどうやってどこに行ったんだろうな』
って。ドラヘもフラメも辺りを探ってくれたけど・・
『鎧なら知ってるかなあ?』
その鎧は未だ眠っているようだし・・シュウはどうかな?
『シュウって寝てる?』
『あ・・・どうかな。シュウ,シュウ?』
シュウもまた眠っているようだったよ。
『ねえ。あたし達弱いんじゃない?』
『そうか?』
『だって・・・鎧もシュウもまだ眠ってるし・・・あたし達の力が弱かったから,体力使い果たして眠ってるんじゃないの?』
私達はもう一度あの場所へ向かっている。
『そういうわけではないと思うが。奴等はずっと眠っておったからのう。給に働いて疲れただけじゃろう。』
何かヒントがあるかも・・・黒く焦げた地下のその部屋は,よどんだ空気が流れてk¥いるみたいに思える。あたしは風を巻き起こしてよどんだ空気を浄化した。そのとき水も一緒に出して部屋を綺麗にあらう・・・一瞬で綺麗な部屋に生まれ変わった。
『便利なのな。』
『うん。』
『イシュ。妾の力で綺麗に燃やす事は簡単だぞ。』
『いや。いい。』
部屋の隅々を確認・・
『なあ・・・この小さい黒いのは何だ?』
床に落ちている?くっついている?
『触っても大丈夫かなあ?』
急に後ろに背負ったバット入れから鎧が飛び出してきた。え?鎧はそのまま黒い塊に突き刺さる。じゅう・・・煙が上がる・・・なに?
それから人型の鎧が現れた。
『いや。よく寝ました。糧が落ちていたので目が覚め申した。』
『糧?』
『黒い力じゃな。その凝縮されたモノが黒いしずくじゃ。おんしら・・しずくが糧だったのか・・・』
『黒い力って・・・そんなの食べて大丈夫なの?』
『浄化されておるから大丈夫じゃ。』
『よく見りゃあちこちに落ちてるぞ。』
『シュウ。起きろ。糧じゃ。』
シュウもイシュの懐から飛び出した。二人で黒いしずくを拾い集める・・・入れ物いるかな?あたしも一つ拾ってみた。きらきら・・・きれい。
『ブラックダイヤってとこかな?』
『ブラックダイヤ?』
『宝石だよ。』
『宝石が好きなのか?』
『いや。そういうわけじゃないけどさ/』
二人は沢山拾い集めて・・・
『塔にも落ちていたかもしれぬな。』
『惜しいことをしたのか?』
なんて言ってるけど・・・
『黒いしずくってその辺に落ちてるものなの?』
不思議。
『いや。おそらく,異界の者の落とし物じゃな。』
異界の者?あたしみたいな者の?
『落とし物?』
『エナジーのことだよな。』
おや。イシュ。あたしも消えるときは残すのかな?
『おまえは消えねえし,落とし物もしねえ。』
へえ?何で断言できるのかな?
『まあそういうことじゃ。主。この城にはまだ秘密がありそうじゃ。この部屋の壁・・・』
鎧が言いよどんだ言葉を引き継いで,
『おお。そうじゃ。最初来たときは邪気に紛れて見えんかったのじゃな。』
とフラメが言う。壁?確かに一カ所ゆがんで見えるところがある・・・もしかしたら?
『出入り口?』
『どこへ続いてるんだ?』
『分からぬが・・・この向こうになにかありそうじゃ。』
いったん城や,紫電先生に連絡を取ろうよ。ってあたしが言わなかったら,そのまま突入しちゃうとこだったね。
次回は6日です。
すみません。都合で更新できませんでした。8日更新にします。




