暗い?
王と沢山のことを話したよ。過ぎ去った年月や,この国に出来た学園のこと。魔法学園の存在を知らされてかなり驚いてたね。
・・・・・
白々と夜は明け,辺りが騒がしくなってくる・・・
「王!!!こんな所に?」
「その者達は何者?」
「くせ者か?」
口々に叫びながら近づいてくるんだけど。
「これじゃ負ける訳だね。」
「ああ。王,根本的に鍛え直すとか,組織を組み直すことを考えた方が良いぞ。」
あたし達は立ち上がりながら王に言った。嫌な感じの人達だねえ。王はまともそうで良かったよ。いや・・・待てよ。
「王。この者達が影の味方という事は?」
「分からぬな。」
王は首を振ってゆっくり立ち上がった。でっかいから威圧感があるね。
「皆の者。静かにするのだ。我らを助けてくださった客人に対して無礼であろう。」
どよどよ・・・まさか。こんな子どもが?なんて声も聞こえてるね。どこにいたんだろう?この沢山の人達。
「皆花壇に植わっていたようだな。后と王子はどうした?」
「は。お部屋に入ってお着替え中です。」
「侍女も元に戻れたのか?」
「はい。」
あたし達はこの人達を一人ずつさりげなく調べていった。ここにいる人達は大丈夫そうだね。
『そういえば,王妃と王子のことはよく調べてなかったぞ。』
『あ・・・』
あたし達は顔を見合わせた。城を良く見て回る前にあの二人のことももう一度確認しなくちゃね。でも・・・変わらせられてたんなら,シロだと思うんだけどな。
『行こうか?』
『ああ。』
「おい。俺たちはまた,この辺りを探ってから帰るが,何かあったらドラゴニアに連絡くれよ。」
「もう行ってしまうのか?」
「ああ。またそのうちに来るさ。親も連れてな。」
王は寂しそうに笑った。
「ああ。会いたいなあ。」
・・・・・
なんか影が薄そうな王だったね。ライザさんってもてたんだねえ。それで選んだのがルストさん。どうしてルストさんでなければいけなかったのかな?お金や権力よりルストさんを選んだ訳・・・あたしにはまだ分からないな。友だちの中には中学から彼氏がいる子もいたけれど・・・すぐ取っ替えしてたな・・・あたしだったら・・・どうかな・・いやかな・・・
王妃の部屋はすぐ分かった。大騒ぎしてるね。
「この服は何だかほこり臭い。こちらは何だかくすんでおる。」
そりゃ10数年も誰も手を触れてなかったんだろうからねえ・・・少しは布が朽ちてるかもしれないよねえ。虫も眠っていたのかな?それなら虫食いはないだろうけどさ。劣化はするよね。
・・・王妃はなんか心に暗いモノを持ってるようだったよ。
『あの影のようではないな。』
『魔物の臭いはしない』
『だが気になるのう・・・』
しばらく見ていたら,王妃はため息をついたよ。
「元に戻ってしまった。」
え?元に戻りたくなかったの?
「せっかくあの人にいつも見られる存在になれたと言うに・・」
え?え・え?
『王妃は,愛されてないのを知ってるんじゃな。』
イシュ。
『あの王は最低だな。』
『誘惑する方も,それに乗って誘惑される方も同罪じゃろうて。』
フラメ・・あたしには難しいみたいだよ。
『ふん。おこちゃま。』
『あたしに言える立場?』
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すみません。次回は4日です。




