山へ向かおう
朝食の後,イシュが,
「大学の町に戻る前に,神殿跡に行く。」
って王やお爺さん達に伝えた。
聞いたとたんに王やお爺さん達は,
「二人で行くのか?」
「護衛は?」
などと口々に聞いてくる。そんなに心配しなくても・・・
「いらない。白龍と赤龍がついているんだ。どんな護衛より,確かだ。」
「大丈夫です。通信機もありますし。」
あたしも口添えする。
その言葉に5人は納得してたけど。
「でも心配なのじゃよ。イシュ。おまえはこの国の世継ぎの王子だと言うことを忘れるな。」
「そんなの・・・おじさんがお后を貰えばわかんないじゃないか。」
王は悲しそうな顔をしたよ。
何か訳がありそうだね。あたしはイシュだけに話しかけた・・・
『なんか訳ありみたいだよ。それは言っちゃいけない言葉なんじゃないの?』
イシュははっとしてあたしを見たよ。
『・・全部終わって,帰って来たら,あたしが帰る前にいろいろ話を聞きたいものだね。』
『帰る?』
『あたしの家にだよ。忘れたの?』
イシュが何とも言えない顔をしたよ。そうだよ。あたしは家に帰る。そのために協力してるんだよ。
『そんな冷たいことを言うでない。イシュが可哀相じゃ。』
『は?』
イシュは慌てて手で口を押さえていた。時々フラメやドラヘは間が悪い発言をするよね。
・・・・・
校長先生が,あたし達に沢山入るリュックを手渡してきた。
「ここの守りに使う魔力が少なくて済むようになったので,余力でこれを作ってみたんです。これから食料や着替えなどたくさん入った方が良いでしょう?」
って。いつの間にか,丁寧に話しかけてくれるようになってるね。
ベージュ色で少し金糸の刺繍が入っているリュック。それにはすでに食料やら着替えやらが入っているって。お婆さんとお爺さんと校長先生が夕べ詰めてくれたらしい。その場にふさわしい物が出てきますよって。へえ・・・面白そう。どれだけ入ってるか分からないけど。
『1ヶ月は悠に生活できそうじゃぞ。』
へえ。すごいね。
あたし達は朝食の後,程なく出発した。王達は,紫電先生の所に応援を送るって言ってた。そうだね。二人じゃ何かあった時困るもんね。
この国は車の移動が出来る。でも,あたし達は空になり,空を飛ぶことを選んだ。
『あれ?イシュって飛んだことあるの?』
『ない。』
・・・・・
そんなにきっぱり言わなくても・・・
『どうするの?』
『やってみる。』
この人なかなか負けず嫌いだね。
何回か庭で練習した後,ようやく飛ぶことが出来るようになった。でも・・早いね。
『行く?』
『ああ。』
『落ちないでよ。』
『ふん。大丈夫だ。』
あたし達は空に・・・
『すげえ・・・』
『そうだね。』
『城があんなに小さくなった・・』
『国境の山はだんだん近くなるよ』
『あれは?』
『ああ・・・この前作った国境の守りだよ。』
薄ピンクのもやのようにも見える。そこで武器を使うと全て花になるんだ。
『まあ・・・戦いで人が傷つくより,花になった方が,確かに平和的なのかもしれねえな。』
『そうそう・・』
眼下に砦を見て,まっすぐ山に向かう。いよいよ・・・?
読んでくださってありがとうございます。
あちこち書いてるうちに,混乱してきたところがあり,見苦しい箇所があるかと思います。すみません。
鏡について言及するのを忘れていたことに気付いたので,さかのぼってかき込みました。大筋には変わりありません。
お気づきの点や,変だと思われる点,気に入ったところなど,お聞かせ願えると嬉しいです。




