潜入???
紫電先生も結局ここにきて話を聞くことになった。乱麻。一人で大丈夫かな?心配になったから,ついでに皆を転移させた。紫電先生は分かってたから驚かなかったけど,乱麻とライトはびっくりしてたね。
結論から先に言うと,この子は,この街の窃盗団に所属してるんだって。えええ。そりゃ大変。ここか,もうひとつの宿屋か,どっちかに忍び込む予定で調べに来ていたらしい。「窃盗団なんて抜けちゃいな。」
「良いこと何て無いぞ。」
「俺たちのことを何にも知らないくせに!!!」
この子,悔しそうだね。
「だから,お話ししなさいなって言ってるんでしょ。」
全部しゃべっちゃいな・・・「iitaikotoha zennbuie kakusigoto sinaide minna haityaina」
話は結構長かった。で,分かったのは,この街の貧富の差。この子,窃盗団は,義賊だって思ってるみたい。いや,この子がそう思わされているのかな?
「早く帰らねえと,怒られる・・」
そりゃあそうだよね。
「乱麻。」
「はい。おじさ・・・父上。」
「おまえ。この子に付いて行きなさい。」
「え?何故ですか?」
「本当に義賊なら,今後,お互い役に立つでしょう。義賊でないなら,捕らえるまでのこと。この子には,夜,居所がなくて出歩いていた少年を保護したと言って,連れて行って貰えば良いのです。本当に良い人の集まりなら,仲間に入れてくれようとするでしょう。そうでなければ・・・」
「そうでなければ?」
「ドラヘがついているでしょう?」
・・・・・
紫電先生。龍使いが荒い・・へいへい。一緒に行けばいいんでしょ。
「俺も一緒に行く」
おやおや・・・
「3人も一気にいなくなるとどうでしょうねえ・・・」
「ま・・・考えてる家に夜が明けちゃう。ここは目を瞑って行かせたら?」
・・・
あたしとイシュは空になり,(もちろんイシュはあたしが空にしたんだけどさ。初めての体験ですっごくおどろいてたね。)姿も消して後を付いていくことにしたんだ。
夜の町。屋根をかける2人の少年・・・ほどなく集合場所に出たようで二人は立ち止まった。
「遅かったな。」
「そいつは誰だ?」
3人くらいいるのかな?
「親を探しに旅して来た奴だ。泊まるとこもなくて,うろうろしてたのを見付けて連れてきた。」
「ほう?名前は?ラン?へえ・・・」
じろじろと観察をしてる・・・少し薄汚れた格好にしろって言って,わざと汚した服を着させてるのは,正解だったね。
「犬じゃないだろうな?」
「いぬ?」
「警備の奴らの手先じゃねえだろうなって言ってるんだ。」
「警備の人って・・この街にいることすら知りませんでしたよ。」
・・・・・
しばしのやりとりの後,隠れ家に連れて行ってもらえることになったみたい。
やれやれ・・・複雑だよねえ・・・後を付けてるあたし達・・・
「少し寒いな。」
イシュはわがまま?
「あたしは特に寒くはないけど・・・そうだね。暑さ寒さを調節できるようにしちゃえば凍死も何もしないよね・・・」
ついでに乱麻にもかけとこっと・・・。
・・・・・
「お腹空いた。」
「おまえはそればっかりだな。」
「仕方ないでしょ。かなり力を使ってるんだからさ。」




