まじめなターンだよ・・・・・
砦に戻る途中,後ろをひょいと振り向いたら・・・あらら・・・攻撃? 花吹雪だよね。綺麗。返す方も花。ははは・・・平和が一番。捕まえられるかな?手助けだけしておいたほうがいかな?ちょっとだけ・・・縄・・蔦でいっか。くるくると蔦が絡まる。そのまま車の上に縛り付けた。1・・・2・・・3・・・5人かな・・・。
よしよし・・・あたしは今度こそ砦に向かった。
砦の監視塔に降り立ちながら姿を変え,ついでに姿を現す・・・
「よう。どうだった?」
「うん。今お土産を積んでくるはずだよ。」
「土産?」
「牢か何か必要かな。」
「・・・と言うことは?」
「5人。」
・・・・・
慌ただしく一閃さんが通信筒を使って下に伝令を飛ばしている。まあ・・・それぞれ怪我はないからね。
我々も下に向かうんだけど。
取り合えず,司令室に会合場所を作るってことで,イシュは下にお出迎えに。あたしはあの人を起こしにお部屋に行ったんだ。
お部屋ではその人はまだぐっすり眠ってた。あたしは起きるように魔法を解く・・・その人はゆっくり目を開けてあたしを見た。
「あなたは?」
「今日は女の人の方なのかな?」
ゆっくり起き上がりながら,その人は頭をゆっくり振った。
「ここはどこ?」
「砦だよ。」
「砦?」
「あなたは,テントのところで迷ってたんだよ。」
あたしはその人に服を渡した。その人が着ていた服はぼろぼろだったから,新しい灰色の上着とズボンだよ。その人は,受け取って不思議そうな顔をしていた。
「これは?」
「とりあえず着てね。着方は分かる?」
「多分。」
立ち上がって上に来ていた寝間着を脱いで,上にシャツを着る。胸があるね。女の人だね。その後,ズボンをはいて床に足を下ろした。足は女性のものだね。華奢だよ。靴も靴下も,足に合わせて持ってきて貰ってある。
仕度が出来たその人を連れて司令室に行く・・・ちょうど騎士の一人に会ったので,食べるものを持ってきてくれるように頼んだよ。この人何も食べてないよね。寝てたんだから当たり前だけどさ・・
座って少しお話ししていたら,イシュがおじいさんとおばあさんを連れて入って来たよ。
「ライゼ?」
おばあさんは見るなり聞いたよ。
イシュのお母さんなの?あたしはイシュを見る。イシュは首を振る・・・お母さんの顔をはっきり知らないんだった・・・
「おまえは誰だ?」
その人は野太い声で聞き返した。また男の人が出てきたんだ・・
「まさか・・・ルストか?」
「知らん。」
・・・・・・・
顔はイシュのお母さん。声はイシュのお父さんのものらしい。
と言うことは?どういうこと?
『おそらく・・・』
急にドラヘが言い出したよ。
『何らかの呪いで,2人が1人になっているのではと・・』
『それって・・・』
『イシュの父でもあり,母でもある・・・と言う可能性があるということじゃな。』
・・・・・
『また,何らかの意図を持って,わざわざ似せているだけなのかもしれぬ。』
「そう言う可能性は?」
『十分考えられよう。』
どうとでもとれるってこと?
司令室の中は重苦しい空気に包まれた・・・




