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国境ってどこ?

 不思議な人のことがはっきりするまで,潜入は待つことになった。テントの住人が一気に消えたことで,誰かが見に来るかもしれないからなおさらね。


不気味なことに,隣国からの接触は全くないんだ。テントも無人のままだしさ・・・毎朝,飛んで確認してるんだけど・・・周囲の花だけは消えてた・・・昼間,何人かの・・多分地元の人かな?来て拾い集めてたって,見張りの人が言ってたな。白いのはあたしが毎朝回収して食べてたから,残ってたのは赤いのとピンクの・・・黄色いのもあったっけ?剣の代わりにしてたのは剣に戻して砦の倉庫だし。まあ。腹痛とか心臓の病に効くらしいから・・いいんじゃないかな。

 

『ねえ。ドラヘったら,』

『何じゃ?』

珍しく返事したね。

『白い花って食べるのをやめたら,転移できなくなるの?』

『あ?ああ。もう定着する頃だろう。食べるのをやめても,能力は開花したままじゃ。』

『開花って・・・もしかしたらしぼんじゃうこともあるってこと?』

『面白いことを言うのう。』

『花って開いたら,しぼんで・・やがて実になるじゃないの。能力も開花したら・・・やがて実になるのかなって・・・あれ。何かあほなこと言ってるな。あたし。」

「何ぶつぶつ言ってるんだよ。そろそろ爺さん達が来るぜ。」

「ああ。」

・・・

あたし達は砦の上にある監視塔の上から城の方角を見ていた。

「何事もなく,到着できるといいんだが・・・」

「見てこようか?」

「いいのか?」 

「いいよ。」

 あたしは,さっと転移して庭に降りると同時に姿を消し,白龍となった。素早く空に羽ばたいていく。風が起き,周りの人がびっくりしているのが分かったけど・・・今はごめんなさいだね。


見ていた方向に向かう・・ずっと飛んでいくと王室の車が3台やってくるのが見えた。等間隔で走ってるね。多分真ん中のがお爺さんの車かな。濃紺だね。前後は灰色だ。分かりやすすぎない?空からでもどこからでも攻撃されちゃうじゃん。ちょっとこれは,王に進言だね。狙いやすすぎる!!!


何事もなく無事に砦に着けそうだね。あたし達が来る時遭遇した集団は,どこかに行っちゃったのかなあ?いやいや・・・油断大敵。もしかしたら,砦を攻撃する方向とか,城を攻撃する方向とかに転換したかもしれないからねえ・・

でも,城の守りはばっちりだし・・砦も大丈夫・・・そこであたし気が付いちゃった。

「あああ!!!!!」

町を守ってない!!!

あたしは大慌てでドラヘを呼んだ。

『ドラヘ,ドラヘ!!!』

さすがに返事してくれたわ。

『何じゃ?』

『町を守る魔法って賭けてないことに気付いたんだけど。』

・・・

『そう言えばそうじゃな・・・国を守る魔法をかけたらどうだ?』

『えええ・・・この国広いんでしょう?おまけに,中に侵入している者はどうするの?』・・・

『ま・・・考えなさい・・』

・・・・・

おい!おい!何で黙りになるのかなあ!!!


とりあえず,この国の規模を教えて貰わなきゃなんにもできないわあ・・

・・・すっごく困っちゃった。国境ってどこかも分からないのに,国を守る魔法なんてかけられないよ。

考え考え車の後を付ける。砦が見えてきた。この辺りまで来たら,攻撃は全部,花になっちゃうからね。うん。もう大丈夫。あたしは先に砦に戻ることにした。

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