?????
その子から,いろいろ聞き出したけど,なかなか確定的なことは分からなかった。何故って本人が何も知っちゃいなかったから・・・ううん。
どうも,いつの頃か,記憶喪失になって,そのまますごしてきたらしい。
男女両性体らしい。
年も分からないらしい。
若いようにも,そうでないようにも見える。
一部に記憶の混乱もあり,テントにはいつ来たのかも分かってない。
イシュに似ている。
この情報が全部だったよ。
不思議な人。魔法も使えるみたいだけど,何かぎこちない。自分でも,なにができるか分かってないみたい。
「いつ頃から,訳が分からなくなってるんだ?」
「分からないけど・・・びゃくらんが10回以上咲いた。」
?
「びゃくらんって?」
「春に咲く花だ。今は咲いてないな。実になってる。おまえも食ったろう?何かぼけた味の実だ。」
「ううん・・・覚えてない。」
「10回咲いたと言うことは,10年以上前からってことですね。」
その人は考え込んだ。
「多分そう。覚えたことも端から忘れる・・・でも花は10回咲いた・・・多分。」
それから頭が急にがくんと落ちた。
「「え??」」
びっくりしていたら,急に頭を持ち上げて,
「ここはどこだ?」
男の人の声だ。
・・・
「あなたはどなたですか?」
紫電先生が丁寧に尋ねた。
「私?私は・・・・誰だ?」
皆顔を見合わせた。
「二重人格。」
あたしが言った言葉に,皆,なんだ?って顔だね。
「一人の人の中に2人の人格が入ってるってことだよ。」
「この人は,一人だけれど,2人ということか?」
「多分そう。」
ここでも質問をしてみた。今度は男の声なので,男の人だって分かってるよね。
「名前はあるのか?」
「分からない。」
「年はいくつだ?」
「知らない。」
「びゃくらんは何回見た?」
「びゃくらんとはなんだ?」
この人は,花の知識があまりないんだね。
「テントで何をしていた?」
「料理人だ。皆はどこに行った?」
「ちゃんと全員無事でここにいるぞ。」
「やつらは私に優しくないからどうでもいい。次の勤め先を探さなければ。」
「優しくないって?」
「飯がまずいだの,私の仕事以上のことをやらせようとする。」
・・・・
隣国の人は,いあまりい人じゃないのかな? でも,これだけじゃまだ分からないね。
「おまえと一緒にいる女性は何だ?」
一閃さんが聞いたとたん,その人は硬直し・・・首ががくんと倒れた・・・
え・・・今度はなかなか首が持ち上がらない。生きてるよね?
不思議なその人は,武器がないか,おばちゃん達の手で確認された後、一室を与えることになった。
・・イシュに似ていると言うことで,もしかしたら,王と関係あるかもしれないからだろうな。逃げ出さないようにしてくれって言うから,ちょっと・・・眠りの魔法を・・これでお爺さんとおばあさんが来るまで,ゆっくりおねんねしてるでしょう・・・
どこかで1話分飛ばしたみたいです。つじつまの合わないところがあるのでは・・・




