乙女の体は居心地がいい?
勝手に乙女の体を乗っ取って・・・こちらに連れてきたことへの恨み辛みが一気にでそうだわ・・・
『待て。美優。今暴走してはまずい.』
『させてるのはあんたでしょうが!』
『いやいやいやいや・・・待ってくれ.』
待てと言っても・・・はあ・・・
どうやらドラヘは,自分が召還されそうだって気が付いたらしく,召還の触手から逃げるべく神社から飛び立った。・・・ところへ,触手が伸びてきた。・・のでとっさに下に舞い降りた。と,そこに,ちょうど試合中のあたしがいたらしい。あたしから発する『気』がものすごく気持ちのいい波長だった上に,『迫る触手から守ってくれそう』な気がして・・・あのドスッ,ゴンに繋がった・・・と言うことみたい。
『いや~~~まさか美優ごと召還されるとはのう。』
『か弱い乙女を盾にするな!!!』
『美優のことは,神社によく来ていただろう?そのときから知っていたのじゃ。』
『・・・』
『他の誰よりも,わしと波長が合う気を持ってると思って・・見ていたのじゃ。』
『もしかして,試合会場に来たのって偶然じゃなくて,あたしを探してきていたってこと?』
『おお。それそれ・・・よく分かったのう。』
『分からいでかっ。』
ぷりぷり・・・・
まあ。白龍の奴。あたしが怒り出したら返事もしない。全く!!!いつか必ず追い出してやるっ
『一生このままじゃ・・』
え?
「おい・・おい,美優」
はっ。
「何?イシュ。」
「独り言は終わったか?」
「な・・・独り言じゃないし。」
「分かってる。今聞いていた。白龍は,俺から逃げようとしておまえの中に逃げた・・・そうだな?」
「そうらしいね。」
「白龍は,いろいろなところに召還されては・・望まない殺生をさせられていた。と言うことだな。」
「そうらしいね。」
・・・・・
はあ~深く深くため息をついたね。イシュ。
「今までそんなこと考えたこともなかった。召還される側のことなんて・・・」
「いい機会だから考えな。これから上に立つ人間になるなら,なおのこと。」
はあ~~~~深い深い・・・ため息だね。
「美優。約束の飯の時間だ。行こう。」
あれ?優しい?
食堂にはさっきより沢山の美味しそうな物で一杯だった。食堂のおばちゃん達が,「血を見ないで戦いが済んだ」と言うことで,喜んで御礼に沢山作ってくれたんだそうだ。
あたしは遠慮なんてしない。沢山魔力を使った上に,さっきドラヘと疲れる話もしているから,相当お腹が空いてるもんね。
食べながら,これからどうするかという話をしたんだ。
・・・・
「俺たちは,おまえに勝手な要求をしていたんだな。」
「初めて知ったってとこがむかつくけど,気付かないよりいいわ。」
「おまえ・・ばあちゃんの家に帰るか?」
「帰っていいの?」
「・・・ああ・・・」
へえ。ほんとかね?
「イシュ君,君はそれでいいんですか?」
いつのまにか,紫電先生がいたわ。おや。
・・・・・紫電先生はあたしが異世界から来たことを知らないはず。
「紫電先生。」
「美優さんの白龍だけでも,一緒に付いてきてもらえませんかね?」
そりゃあ無理。白龍=あたしだもんね。
「一緒に行くか,全く白龍を貸さないか,どっちかしか選択肢はありませんよ。」
あたしが教えたら,
「白龍に曲げてお願いは出来ませんか?」
しつこいなあ。
「む・り・で・す」
・・・・・
「なんで,隣国とこちらの国は争っているんですか?」
・・・・・
「あの黒い山のせいですよ。」




