表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/113

うん

 食堂にそのまま奴を運ぶ。後ろから騎士さん達がぞろぞろついてくる。もちろん前には一人案内人がいるのだけれど・・・

食堂に入ったら,

「乱麻。どうした?怪我でもしたか?」

って紫電先生。

「こいつに放せと言ってください!!!」

言われなくても。ぽいっと。

どさっ

「痛たたたた・・・。おい。こいつを捕まえろ!!!見ているな!!!」

蹴ったろか?


 いやいや・・・美味しそうな匂いの方にまっすぐ行くわ。あ・・・手を洗ってない。水水っと・・・しゃわ~~~。おっと。目の前に水・・・気が利くわね。あたしは手を素早く洗った。タオル・・・タオルっと・・・空中からタオルも現れた。手をささっと拭いて・・・

 テーブルに着いた。あれ?何で皆,唖然として見てるのかな?

「食べていいの?」


・・・


「どうぞ。愚息が失礼したようで・・すみません」

「なんでそんな奴に謝るんだよ!!!」

「乱麻,この方は,皇太子妃になるお方だぞ。」

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

この沈黙は何?

「俺の趣味が疑われている・・・」

ぼそっと言ってるのが丸聞こえなんだけど・・・知らん顔して食べちゃうよ。


「豚みたいに食うな・・・」

聞こえてるよ。乱麻・・・

わっ・・・

 ちらっと見たら,口に大きく白い×に貼られた乱麻がいた。誰がしてくれたのかな。いい人だ・・・


 いつもみたいに沢山食べて,食後のお茶を所望する・・・うん。まあまあだね。

皆げんなりした顔してるけど・・・しかたないなあ。

「これからどうするの?」

ってあたしは聞いた。これって空気読んでないのかな。


「ああ・・・」

皆,はっと我に返ったみたい。

「しかし・・白龍の加護持ちの方は,凄い魔力を使われるのですな。」

あれ?紫電先生。急に丁寧になったね。

「凄い魔力って?」

あたしは聞き返す。

「水を出したろ,」

「タオルもですよ。」

イシュと一閃さんも続けて言ったけど・・・

「あれ?誰かが気を利かせてくれたのかと思ってたんだけど・・・・」

皆さんの目・・・

どうやらあたしが無意識にやってたらしい。あたしと言うより白龍がかな?

白龍は,氷や水をよく操るらしいから,水を出せるのは当然かもね。



 向こうは攻撃する気は満々みたいだね。ふふふ・・・お互い攻撃してみれば面白いのにな・・・ぼそっとつぶやいた声が聞こえちゃったみたい。

「おまえ・・・以外に好戦的なのな?」

いやいや・・・違いますから。あたしは,自分が施した魔法を思い描く・・攻撃は全て薬草に変わるんだけど・・・臭かったらイヤだな・・・

・・・

「臭くない薬草で,いい匂いがして,目にも綺麗なのはどれ?」

「は?」

 他の皆さんは,話を詰め始めちゃったから,ぼ~っとしてあたし達を眺めていた乱麻に聞いたら,びっくりしていた。

「え・・・と・・・はくらん・しんくらん・らんりゅう・・・当たりがいい匂いでございます。」

何その言い方。

「普通にしゃべりな。」


・・・・


 固まってる乱麻にかまわず質問を続けると,

「はくらんは,どんな効き目?」

 周りにいた騎士のうち一人が,詳しいらしくて,いろいろ教えてくれた。

「傷に効きます。」

「しんくらんは?」

「腹痛です。」

「らんりゅうは?」

「心臓の病ですね。」

「匂いもいいの?」

「飾っても美しいですよ。」

 あたしは頷きながら,漠然とした薬草をその3つの花に置き換える。うんうん。


 そのうちに,

「大変です。敵が動き出しました。」

っていう報告が入ったわ。これは楽しみ・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ