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準備だけどさ・・侵入者が多すぎない?

 とりあえず,明日の朝出発するんだって。あたしも行くこと確定なんですか?友だちが心配するんだけど・・・

「大丈夫です。タリーさんはリルケさんの娘さんですからね。」

って校長先生が教えてくれた。タリーは,魔力を持ったお母さんと,騎士のお父さんの間に生まれた,要するに「魔女っ子」?まあ・・・側にいて嫌な感じがしなかったのはそういうわけだったのか。城にお父さんがいれば,あたしのことも少し分かってくれてたわけだ・・・さすがに白龍と同化しちゃってるなんてことは知らないだろうけどさ・・・現時点でそれを知っているのは,おじいさん・おばあさん・イシュ,王様,校長先生ってとこか・・・とりとめも無いことを考えてるうちに,

『旅行か。良いねえ』

は?こいつ脳天気なの?

『旅行じゃないよ。偵察だよ。』

小さい声で下を向いてぼそぼそ・・・

『わしが付いていれば鬼に金棒じゃ』

そんな言葉まで知ってるんだ。ちょっとびっくりだよね。

『白龍神社はなかなか居心地が良かったのじゃ。』

さよですか・・・ちょいと黙ろうよ。


・・・・・・・


部屋に戻ってやれやれだ・・・

ノック・・・珍し・・・廊下側から来るなんて。

侍女さんが開けたら,いろんな荷物が次々と運ばれてきた・・・

明日,出かける準備らしい。こんなに持って行けません。


「こちらのリュックに詰めるようにと王が寄越しましたよ。」

ってお爺さんがリュックを持ってやってきた。

「はあ。まさかの何でも入っちゃうよリュックかな?」

「よく分かったねえ。さすがだ。」

いや。異世界のお約束では?


「リュックに衣類を詰めて,食料も詰めて・・・」

ぶつぶつ言いながら詰めてく。布団を詰めるときはさすがに躊躇したけど・・・まあ・・・寝袋が大きくなった物だからねえ・・・詰め込んだ後は・・・もう夜も更けたし。寝るしかない・・・けど・・・ちょっと外で伸びてくるかな・・・


外に飛び出すのと同時に姿を消し,龍になる・・・ううんっと思い切り伸びて・・羽ばたいてみる。今度はスムーズに飛び上がれた。上空まで飛び上がり,ぐるりと城の上を旋回してみる。右の羽を沢山動かしたときと,左の羽を沢山動かしたときは回る方向が変わるね。どのくらいのスピードが出るのかなあ。ここで飛んじゃうと,二度とここに戻れないかも・・って思ったから,そのまま下に降りてみる・・・前回よりましかな。


降りる途中に気が付いちゃった。変な男(?)が庭にいるのを・・・誰だろう?一応イシュに知らせとくか・・・居場所の確認をしながらイシュの部屋の窓をたたく・・・

すぐイシュが顔をのぞかせた。

「誰か庭にいるんだけど」

「誰が?」

「わかんないけど・・・黒っぽい服装だね。」

「まさか・・・」

イシュは,何かに向かってつぶやいたんだけど・・・

「それはナニ?」

「通信機だ。」

へえ・・・


あたしはまた龍のままで庭に待機だよ。

「何してるか教えようか?」

「通信機がもう一ついるな。後でばあちゃんに言っとく。」

「こんなに簡単に侵入を許すようじゃこの城は駄目だね。」

つい言っちゃうよね。

「まあ確かにな。おまえ何か良い考えねえか?」

・・・・

「waruikokorodesironihaittayatuminnnazisyusiroya」


「これでどうかなあ?」

「おまえいつも何を言ってるんだ?」

「まあ・・・いろいろ・・・」


わーわーと声がするね、

「なんだろね?」

そこに慌ただしく何人かの騎士さん達が入って来たよ。

「侵入者が捕らえられたんですが,異常はありませんか?」

・・

「大変だ。美優様がいらっしゃらない。」

「なんだと?」

慌てて出て行こうとするから,イシュが

「大丈夫だ。ここにいる。」

って教えてた。そしたら騎士さん達。あからさまににやってしたからさ・・・

あれえ・・・夜にイシュの部屋にいたって誤解されたんじゃないのかなあ?それはイヤだ。

「あたしは庭にいるよ~~~」

って庭から聞こえるように言っちゃったよ。

皆変な顔してたけどさ。誤解されるよりましじゃないかなあ。

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