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食事は生肉?

2回目です。お話はゆるゆると進みます・・・・

 そいつはこの国の守り神みたいな人の息子らしい。

・・・へえ・・・

 でも守り神みたいな人とは,赤ん坊の頃,生き別れたっきりなんだって。


「なんでその人が親だって分かるのさ?」

聞いたらさ,なんでも親子3人で,楽しく暮らしているところに『お迎え』とやらがやってきて,引き離されたんだってさ。


「誘拐が好きな国なんだね。」

・・え?違う?

・・父親もしばらくしたら母親を探しに行くって・・出て行ってしまったんだって。


「で・・・おじいちゃんとおばあちゃんに育てられた・・・と?」

「そうだ。」

「・・・で?

 今までの話では,あんたが可愛いあたしの誘拐を企てたって言う理由にはなってないんだけどねえ。」

「か・・・かわいい?ぶふふふうう・・・・わっ」

 ちょいと指で押してやった。ぺたんと尻餅着いてる・・ふんだ。

 それにしても帰れないと困る。どうにかして,こいつに家へ帰して貰わなくちゃ。


「おまえがただの龍でないことは分かった。人龍なんだな?」

「いや・・・ただの人だよ。」

「だが今は龍だ。」


・・・


 反論できない・・・むむむ・・・ まてよ・・・

「龍ってことは,魔法とか使えるのかねえ?」

「おまえは水と氷の龍のはずだ。」

「へえ・・・たとえば,口からブリザードが出るとかぁ・・・どれ。」

ふう~~~~

わわわわ。真っ白な息が・・・


・・おおおおお・・・すごい!!!


「やめろ!!!俺を殺す気か?」


 あらら・・・


「ごめん。ごめん。もしかしたら飛べるとか・・・」

 羽を動かしてみる・・・ふわっ・・おっと。やめておこう。

「あたしを召還したってことは,あんたも魔法使えるってことよね?」

イシュだっけ?そいつはへたり込んでふうふう言ってる。ぶつぶつ言ってるようにも聞こえるね。


「チクショウ。何でこんな奴呼んじまったんだ・・凄い龍が呼び出せるって言ってたのに。」

 おやおや・・・誰があたしを呼び出すように言ったのかねえ・・・そいつとはきっちりなしつけたろ・・・あたしを元に戻して貰わなくちゃ。


「どうでも良いが,俺に協力してくれ。」

「ええ~~誘拐犯に協力するの?」

「誘拐犯はやめてくれ・・・」

 げっそりしてるね。でも誘拐は誘拐だよ。


「もとの世界に,もとの体にして返してくれるって言う保障があれば,協力も『やぶさかではない』けどさ・・・」

「そ・・・それは・・・今の俺には・・・」


 今の俺にはどうなのさ。真剣に・・・じろっと見つめる・・・イシュは目をそらす・・・なんなのさ!!!


・・・・・・・


・・ぐうううう~~~~


・・・静寂に響く音・・・

 あら。お腹が空いたわ。そういや,まだお昼を食べてないんだったわ。試合が終わったら監督のおごりでお昼だよって・・・

・・みんな勝ってバイキングに行くんだって張り切ってたっけ。負けたら準優勝だけどラーメンだぞって監督が言ってたっけ。

・・・・・しばし思いをはせるけど・・・ぐうううううう・・・・・


「お腹が減ったんだけど。」


・・・がさがさ・・・袋を探る音・・・それからはっと気が付いたようにあたしを見て・・・・


「おまえ何を食うんだ?」

「普通に料理した物に決まってるじゃん。」

そこではっと気が付いた。まさか・・

「生肉なんて食わないよ!」


・・・・・袋を探る手が止まったよ・・


 はあ・・・またイシュは盛大にため息をついた。

「生肉を食うと思ってたのに・・・」

 袋からでっかい生肉を出してきた。おえ~~~


・・・・あたしは野獣かい!!


「焼いてよね。何の肉か知らないけど・・・塊じゃなくて,ちゃんと切ってよく焼いて。もしくは煮てちょうだい。」


 イシュはその辺の木ぎれを集め出した。たき火かあ・・・あたしもちょいとお手伝いを・・・そこらの木をへし折ってみた。そしたら

「生木はやめろ。燃えにくい・・」

さらにげっそりした表情で言われちゃった。なるほどね。生木は燃えづらいっと・・1つ覚えたね。


 火が燃えだした。どうもイシュが,何かを唱えたら燃え始めたみたい。肉を切って鍋の中に入れている。ジュウジュウと肉が焼ける匂いがする・・・でも・・・食欲が湧かない匂い・・・

ややあって,

「ほれ。」

と出された物はどうあっても食えそうにない代物・・・

「こんなの食えないよ。もっとちゃんと料理してよ。見たところ味も付いてないじゃん。」

「龍のくせに味も要求するのか?」

「だから,あたしは人だって。龍に見えるんだろうけど,龍じゃないからね。」


・・・・無言で互いの顔を見る・・・


「ちょっと大きめの,仮装した人だって思って食事を作ってよ。」

・・・うむむう・・・

「あんたと同じものを食べるわよ。」

・・・うむむむう・・・


 すったもんだのお食事タイム。あたしの食べる量が半端ないってこともここで分かっちゃった。乙女の食べる量じゃな~~~~い!!! 早く元に戻りた~~~い。


まだお腹が減ってるのよね・・・でも味気ない肉はゴメンだわ。


まだ食うのかよ・・・もう肉はねえぜ・・・

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