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おでかけ?

そんなこんなの授業は,「氷を出すには・・・」って言う話で終わっちゃったよ。

 もちろん先生がいなくなったら,皆で一斉に氷出ろって魔法をかけてる・・・まあ・・・タリーの杖の先に霜が少し付いたって皆で大騒ぎしてたらさ,


「おい。」

あ・・・イシュ


皆一斉に静かになったんだけど・・・

「なに?」

「帰るぞ。」

「「「「きゃ~~~~」」」」

「「「「「おおおおお」」」」」

今度は男の子達まで・・・なんだ?


あたしはタリーに

「また明日ね。」

って言って荷物をまとめたわ。

「お待たせ。」

側に行ったら,また

「「「「「きゃ~~~~」」」」」

「「「「「おおおおお」」」」」


「おい。なんだ?」

「知らないわよ。あんたの方が詳しいんじゃないの?」

・・・腕がむずむずしてるわ・・・伸びもしたくなってきたし・・・

 そうぼそって言ったら,ますます慌てて,あたしの腕をつかんで走るように歩き出したんだけど。

 ちょっと!!!速いわよ!!!


学校を出たら立派な車が止まっていて,皆が遠巻きにしてみてる。

「乗るぞ。」

「え?」

そういや朝見た車だね。動力を聞こうとしたところで話が終わっちゃったんだっけ。

 乗り込みながら,恭しくドアを開けてくれてるおじさんに,

「この車の動力は何ですか?」

って聞いてみた。

「陽の光でございますよ。陽の光を魔玉に蓄えて走らせているのでございます。」

ほほ~太陽光発電かあ・・・地球に優しいね。あれ?ここって地球なのかな?

魔玉って魔力の玉って訳じゃないのか・・・何でも魔力で光を動力に変えることが出来るようにしてあるそうだ。玉は小さくて,車の上の方に10個付いてた。1個でも十分走るんだそうだけど,10個ついてるのは王族だけなんだって。よく分からん。


「そんなんあとでいいから早く乗れ!!」

 イシュが怒鳴ったのにはびっくりだよね。見たら向こうからお嬢様軍団が近づいてきてる。わあ。

 慌てて車に乗り込むと,すべるように走り出した。タイヤは着いてないみたいなのにがたがたしないね。不思議。

「がたがたしないのは何故?」

「知らん。」

あ・・そ・・・

 助手席にいた黒服の人が後ろを振り向いて,

「失礼ですが,イシュ様。私に答えさせてください。」

って言ってきた。

「クッションが効いているのは,魔玉ではなく,・・・魔力玉のおかげでございます。」

「動力の玉とは違う?」

「少し違います。」

 そりゃそうだよね。ガソリンはクッションにはならないからね。クッションはクッションだよね・・・

 魔力玉が車輪や軸に働きかけて,バネのような,ゴムのような役目をしているらしいね。なるほど。で。その魔力玉には何が込められてるのかな?

「無色の方の魔力を込めて使っています。魔力玉の生産工場もあるんですよ。」


・・・・


「無職?」

「はい。無色です。」

 無職の人にも仕事があるんだね。ん?じゃあ無職って言わないよね。あれえ??



 車は街を通り過ぎ,少し小高い丘の上に登っていくね。左右には時々家や,まるで牧場みたいな風景も見えてるね。

「あの動物は?」

「この辺りで飼ってる羊だな。」

イシュが今度は答えてくれる。

「へえ。こっちにも羊がいるんだね。」

「おまえんとこはどうかしらねえが,こっちの羊は毛を刈って,乳も搾るぞ。」

「一緒だね。」

・・・そういや。ジンギスカンって羊だよねえ・・

「肉も食べるの?」

「おお。あんまり食わねえが,偶に食わせるところもあるな。俺は嫌いだからくわねえがな。」


「あれ?こっちでも肉を食べてるけど,何の肉なの?」

「ああ・・・大体・・鳥が多いかなあ。」

へえ・・・牛とか豚はいないのかな?

「猪豚は食うぞ。ただ,あいつら魔物だから,獲るのは大変なんだ。」

あたしはまた考える。

「もしかして,最初にあったとき持ってた肉って?」

「おおよ。猪豚の肉だぜ。前の日に狩ってきたばっかりの肉だったんだ。」

へえ・・・

「今度あたしも狩りに連れてってよ。」

そしたらいや~~~な顔したんだけど。むっ


そうこうしているうちに,立派なお屋敷に車が入ってく・・・お屋敷と言うより・・お城?でも,丘の上から向こうの丘にもっと大きいお城が見えるしなあ。

「ここは?」

「じいちゃんとばあちゃんの家だ。」

「あっちのは?」

「王城だ。」

「へえ・・」


車から降りるとき,イシュが嫌そうにあたしの手を取って下ろしてくれた。あら。お姫様気分だわ。


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