世界が
ゼリーの中を歩いたらこんな感じかも・・・あたしは歩きながら考える。ゼリー食べたいなあ。オレンジのが良いなあ。ごろっと塊が入ってる奴・・・この世界にはゼリーってないのかなあ?
『何を食いたいって?』
『え?またダダ漏れだった?』
『おう。おまえの世界の食いもんか?うまいのか?』
『うん。あたしは好きだけどね。』
階段を降りながらそんな話をのんびりしてるけど,ますます重たい感じがするよ。なんだ?
・・・・・
ぎいいいいいいいって感じのドアだね。あたし達は当然すり抜けるから音はしないんだけどさ。
祭壇?
『祈りの間だな』
『こんな地下にあるもんなの?』
『あんまりねえな。』
近づきたくないなあ・・・でもあたし達は近づくんだけどさ・・・
祈りの場のところには丸く編んだ敷物が敷いてあった。
『触らない方が良いってあたしの中で何かが言ってるよ。』
『触らないと何も分からないって俺の中の何かが言ってるぜ。』
イシュが触ったとたん,急にごごごごごごご・・・・って音。空になってるのになんで?盛り上がるように現れたのは・・・黒い触手?
『わっこいつ・・・』
『凍らせるから砕いて』
素早くブリザードを吹きかける。凍ったところでイシュが破壊した。
『何だったの?』
『元凶ではなさそうだな。』
敷物の上に・・・仕方ない。二人して立った・・・とたんに光がはじけた・・爆発?あたし達の体がいきなり宙に浮いた。あたしの手をイシュがしっかり握りしめる・・・・くるくる・・・体が回る・・・
気が付いたらぱっくり裂けた地面の脇にあたし達はいた。
「だれが?」
「なんて力なの・・・」
裂け目から何か大きな黒い者が飛び出してきた。そいつには目が・・・目だけがあった。
辺りを揺るがすような哄笑・・・どこで笑ってるの?まさかこの目の化け物が?
「そうだ。」
こいつ口もないのに・・・いや。頭に直接響いてきている。
「良くここまでたどり着いたな。」
「おまえは誰だ?」
「分かっているだろう。私こそが元凶だと言うことに。」
「カケラじゃないの?」
「カケラ?あちこちの次元に飛ばしてあるのはカケラだがな。残念ながら私は本体だ。」
「何のためにここにいる?」
「負の力を取り込むためだ。」
だんだん声が大きくなる・・・頭痛がし始めた。
そいつはどんどん上がってくる。
『戦うの?この力はあたし達4人合わせても倒すことは難しそうよ。』
『・・・・』
「何を考えても無駄だ。おまえ達をひねる何てことはたやすいことだ。」
そいつはようやく上昇をやめてこちらを見下ろしてきた。本体はまだまだ続いていそうだよ。蛇みたいなのかな?
「ここの世界での私の実験は終わった。帰りがけに龍人間のエナジーを貰っていくのもよい。」
確かにの黒い物体は笑っている。哄笑はますます大きくなる。いやだ!!!こんな奴に負けたくない!!!あたしは叫んだ。
「あんたなんか元いたところに消えちゃえ!!!!」
いきなりそいつがもだえ始めたじゃない・・・どうしたんだ?
「美優!!!攻撃するぞ!!!」
その言葉と同時にあたしも我に返った。凍らせる凍らせる・・
向こうも立ち直ったらしい・・・
あたし達の頭に直接何か仕掛けてきている。割れるように痛む頭。このまま行ったら頭が破裂してしまう。そうなる前に・・・あたしはありったけの力で氷点下の世界を作り出す。黒い塊は少し白くなってきた。底にイシュが熱風を浴びせかけた・・・・
どのくらい交互の攻撃が続いたんだろう・・・
あたしは自分の鼻から何か流れるのを感じた。鼻血だ・・・頭の中に侵入してこようとする者を防ぎながらの攻撃は難しい。
不意に頭が軽くなった。なんだ?
『悪かった。今目が覚めた。』
ドラヘだ。フラメも。
イシュが飛び上がって直接爆風を浴びせかける。あたしもようやく軽くなった自分の体を上に・・
そいつは交渉をやめ身もだえ始めている。
「美優!!!もう一度さっきの言葉だ!!!」
さっき?
・・・・
あたしは全身全霊の叫びをもう一度・・
「元いたところに帰れ!!!全てのおまえも一緒に!!!」
そうだ。さっきは本体だけに働きかけたからあちらこちらの世界に散らばっていた者がこいつに加担しに戻ってきていたんだ。それら全てが還るように願わなければいけなかったんだ。
世界が回る・・・ゆがむ・・・きえていく・・・???
読んでくださってありがとうございます。後1話で第1部が終了します。




