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黒い山?



「ほら。朝ご飯だよ。」

あたしはなにやら楽しそうに話してるミャアコちゃん達に声をかけた。

「早く来て座るが良い。」

そう言うドラヘは,白髪のおじさんだ。赤い髪のきつい目をしたフラメもこっちを見てるね。なかなか慣れないよ。


「夕べはありがとう。」

それから気になってたので,

「いちいちさんを付けなくても良いわよ。」

って言ったら,

「目上のヒトには,敬称を付けにゃさいって。」

なんて言うんだよ。イシュが,

「かまわん。」

って言った。ほんとにいっつも偉そうだよねえ・・・ミャアコちゃんもそう思ってるのが丸わかりだったから,

「あら。イシュはこれで王子なのよ。」

って教えてあげることにした。

「奇遇だな。俺もだ。」

ズィルバー?本当かしら?ロートを見たら頷いてる。奇遇だわねえ。


朝ご飯の後は,また歩き。あと2日。明日のお昼頃には到着だって。

「ネエネエ。」

ヴァイスが皆を呼び止めた。

「ホラ」

後ろを見たら,また神殿が現れてた。元凶退治に来る人のため?


「ちっ。俺たちが失敗すると思ってやがる。」

ズィルバー。悔しそう。

「なんでぇ?」

「また次に来る奴のために装ったんだろ?つまり,俺達では無理だと踏んだと言うことだ。」

ってイシュも言う。

「確かにそうじゃのう」

のんびり言うドラヘの口調も何だか怒ってるみたいだ。


「これは・・どうあっても退治しなければなりませんね。」

ロートの顔も厳しいよ。

「龍が4人もいるんだよ。」

ミャアコちゃんが言ったら,ズィルバーとイシュが面白くなさそうだった。


「わしらを忘れていませんか?」

不意に鎧とシュウが現れた。あ・・・忘れてた。



「戦力が増えたのは良いことだね。」

ミャアコちゃんはにこにこして言うんだ。

「隠してたみたいになったのに。そう言ってくれるんだね。ごめんなさい。そしてありがとう」



 この日も順調に進んで野営。ここからは火を使うと臭いが風に乗っていきそうだって。

ミャアコちゃん達が持参してきた食料を分けて貰った。美味しい~~~。

 明日はいよいよ黒い山に着くんだという。



 黒い山。だんだん近づいてきたら・・・

「なんでぇ くろぉいのかぁ とおもったらぁ」

「キガ クロインダ」

そう。生えてる木が真っ黒。葉っぱも真っ黒。地面も真っ黒・・・

「こんなとこに足を踏み入れるのはねえ・・・」

あたしのつぶやきを拾って,

「へえ・・おまえにも怖いもんがあるのかよ。」

イシュ。すっごくいじわるな口調だぞ。ふん。

「そ・・・」


山は,あんまり高くない。

「なんか古墳みたい。」

あたしは思わず言っちゃったよ。

「古墳?なんだそれ?」

聞かれるけど・・・

「昔の人のお墓よ。円墳とか,方墳とか,前方後円墳とか・・・」

って言う説明しか出来ないよね。

「なんですか?詳しくお聞きしたいですねえ。」

ロートが身を乗り出してきいてきた。後でね。



大きく見えた山は,近く付くに連れ小柵鳴ってくような気がするよ。普通逆だよねえ・・・

「何が仕掛けられているのか分からんのう。」

ドラヘがぽつんとつぶやいた。りゅうでも分からないこともあるんだ。

「わしらは,元々ここの世界の者ではないからのう。推測は出来ても,何かは分からぬのじゃ。それは,おぬし達も同じじゃろうて。」

ってフラメも答えたけど。確かにそうだよね。自分の世界のことも全て分かるわけじゃないのに,違う世界の事なんて分かるわけない。

「そうですね。確かにに分かりませんが。推測は出来ますね。」

凄いな。ロート。


足を踏み入れる前に,後小半刻で着くだろうっていう距離のところで,休憩を取った。



「ねえねえ・・」

「なんだ?シュバルツ?」

「言いたいこと分かる。」

私も思ってた・・

「あの山さっきと形が違うような気がするんだけど」

そうでしょ?シュバルツを見たら頷いてる。


「さっきは円墳みたいな形だったのに・・・」

「さっきはどっちかってえと・・・球を半分に切って伏せておいてあるって感じだったよな?」

イシュの言葉にズィルバーも

「おお。そうだ。今は球に近くなってねえ?」

「ッテイウヨリ・・・ヒトノ アタマ・・ミタイダ・・・」

「主。ついたてのような物が出てきたぞ。」

鎧が言い出した。

「え?」

「ほんとだぁ・・・」

「ナンダ?」

「あれって・・」

「てにぃ みえるぅ・・・」


ほんとに手というか指というか・・・

「手の平よね。で。指先が見えてる?」

年か思えないんだけど。


「この山は,もしかしたら・・・」

ってロートが言ったのと,山が動き出すのは同時だった。

「えぇ~~~?」

「ナンダ?」

「おいおい・・・」


山は立ち上がってあたし達の方に向きを変えた・・・みたいに見えるよ。


「ほう・・」

ドラヘが感心したように言ってるんだけど・・・

「これが門番か?」

って鎧。

「もんばん?」

シュバルツが聞くけど,あたしも聞きたいな。

「おそらく。こいつの下に負の場があるに違いない。」

って。

「糧が沢山ありそうだな。兄者。」

シュウがにこにこして言うね。

「おお。1000年は眠らなくても良さそうじゃ。」

って。どのくらいの量?



読んでくださってありがとうございます。次回は30日の予定です。

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