赤黒い世界に
姿を現すか?いや。ちょっと待とう・・
あたし達は息を殺してじっとしている・・・
「姿を現しても現さずともどちらでも良い。さあ。始めようではないか。」
それと一緒にぐにゃって辺りがまたゆがんだ。
『美優!!!』
『イシュ!!!』
あたし達はしっかり手を繋ぎなおした。
建物が揺れている。出る?いや。このままで・・・
揺れが収まった・・・
「こここそ我が世界。おまえたちと闘うにはもったいないが・・・これも定め。」
「定めって・・・」
あたしは思わず問いかける。
「ほう。ようやく話す気になったか。」
「ここに来るのが定めってどういうこと?」
「不変のモノなのだ。ここで生じ,ここで滅びる。」
「だれが?俺たちのことなのか?」
「ほ。もう一人?それは重畳。それでは,定めではなく運命か。」
「そう言う意味だ?」
「白龍が来るは定め。他が来るは運命。」
運命と定めって同じ事じゃにの?ドラヘ?
「戯れ言はこのくらいにしよう。さて。戦いの幕を開けようではないか。」
おや・・・家が崩れ始めたじゃないの。あたし達は,手を離して空へ飛び上がった。家の屋根を抜け,
『え?』
辺り一面赤黒くてうねっているところに飛び出したんだ。
『さっきまで湖だったよね?』
『ああ。』
「我が僕達と闘うがよかろう。」
大きな声がとどろき,赤黒い,くにゃくにゃしたモノが次々と現れたんだけど。あたし達のことが見えてるのかな?
『美優。奴には我々が見えているようだ。実体化して闘うしかあるまい。』
ドラヘが言う。
「ドラヘはあいつが何者か分かってるんでしょ!!!後で,あいつのことちゃんと教えてよ!!!」
「フラメもだっ!!!」
あたし達ちょっと怒り気味だよ。定めだって?運命だって?なんなんだ!!!
怒ってる間にも,グニャグニャした蛸だか烏賊だかの形をしたモノは増えてく・・もとの世界に戻ったら,敵のように蛸をやけ食いしてやろうか?それとももう食べたくなくなるか?ってくらいの量。
それらが,あたし達の方に分かっているかのように正確に炎を吹きかけてくるグニャグニャしたものたち。あたし達は龍に姿を変えた。あたしは凍らせようと冷気を吹きかかる。凍ったモノをイシュが破壊する。その間にも炎はあたし達に向かってくる。きりがない!!!!
『向こうから何かが近づいてきているぞ。』
ドラヘ。注意力散漫だね。あたしはちらっと言われた方を見る。龍?龍だ。2頭いる。白いのと黒いの。それがこっちに近づいてくるよ。敵なの?味方なの?
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次回は22日の予定です。
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すみません。22日、朝、更新する時間がなく、明日23日に更新いたします。




