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湖?


糸を穴の入り口にくっつけて・・・

「とれない?」

『とれぬ。』

「ほんとかよ。」

『龍の力を信じろ』

信じられればねえ・・・潜る前に,城と,紫電先生のところには忘れないで連絡を・・・『ああ。しばらく連絡が取れねえかもしれねえ。ああ。美優も一緒だ。守れって?あいつには守りなんていらねえよ。ははは・・・そうだな。親父とお袋によろしく言ってくれ。帰ったらいろいろ話し合おうってな。じいちゃんもばあちゃんも風邪引くなよ。じゃあな。』


 おそるおそるだよねえ。あたしは元々お化け屋敷は苦手なんだよ。とくににょろにょろしたモノまで一緒だとなるとねえ。

「なんだ?おまえ。震えてるのか?」

「いや。ちょいとね・・・」


『美優。行くぞ。』

『分かってるって。』

目の前の穴・・・通路とは違う。奥は黒く・・・見えない・・・

『ここからは二人手を繋ぐが良かろう。』

『何で?』

『離ればなれになって違う空間に出たらまずかろう?』

『そう言えばそうだな。』

あたし達は手を繋ぐ・・温かい手だね・・

そのまま穴に・・・

『待て。』

『今度は何じゃ?』

『空気のないところに出るやもしれぬ。』

『宇宙空間とか?』

『なんだそれは?』

『いや。水じゃ。奴は水の中の生き物だと見た。水に繋がっておるのかもしれぬ。』

『アンマリ利口そうに見えないんだけどねえ。』

『俺もそう思うぜ。』

どんなところでも凍えないように。どんなところでも息が出来るように・・・あたしの魔法は願い?なら。願うだけ。


・・・・・


『良いか?』

『良かろう。」

ぐにゃっと視界がゆがむ。


 うわ・・・出たところは水の中だった。一瞬パニックになりそうになる。上で何かあらそう気配。あたし達は水を?いて水面を目指す。重い水。深い。ようやく水面に出た。昼頃?日の傾き方でそう思うけど,これから昼になるのか,もう昼過ぎなのかは判断が付かないね。真ん中に島がある。あたし達は空に向かって羽ばたいた。もちろん空になって。もし,龍を見たことがない人達が住んでいたら驚いたりパニックになったりするといけないからね。

『結構大きい湖だね。』

『ああ。あそこに建物があるぜ。』

島の真ん中には建物が確かにある。側にふわりと着地する。空になっててよかったね。何だろう。鉄条網って奴?回りに張り巡らせてるよ。痛そうなとげとげ・・・


回りには改造されたような変な動物が徘徊してるよ。

『気持ち悪いな。』

『ん?』

『自然じゃないものを無理に作り出そうってとこがな。』

おや。意外だね。



静かに中に入っていく。不法侵入・・・ははは・・・

奥に行くに連れ,ますます変な生き物は増えていき・・・それぞれが争っているのが見える。なんか嫌だねえ・・・


「我が家へようこそ。」

え?あたし達は顔を見合わせる・・・誰にも悟られたことのない空・・・それを見破る?

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