はっくしょ~~~~~ん!!!!
まさかの一番前の席・・・・
あたしは黙ってそこに行って・・・どうやって入るんだ?長机・・・真ん中・・・左右に,ふと・・・でっかい男の子・・・・
「済みません。そこに座りたいんですが。」
片方はめんどくさそうに片目を開けてあたしを見るだけ・・・もう一人は・・・・眠ってるし・・・どうしろって言うのさ!!!
「そこに座りたいんですが。」
もう一度下手にでていう。
「あ?」
眠ってる方も目を開けたけど・・・こっちを見てるだけだよ。やな感じ。
周りの者達は・・興味津々という感じで見ている・・ちょいと!!!か弱い女の子が困ってるんだよ!!!なんとかしなさいよっ
後ろの席の女の子が見かねて,
「ちょっと,どいてあげなさいよ。」
って言ってくれた。おお。勇気ある子だ。気に入った。
それでも動かない。この横着者めが!!
あたしは黙って片方の男をつまみ上げ,ぽいってどかした。続いてもう一人も・・・
それから悠々と座ったんだけど・・・
「「「おおおおお」」」
どよめきだよ。なんだ?
あたしは後ろを向いて,勇気ある女の子に,
「言ってくれてありかとう。か弱い女の子に対して失礼な男どもだよねえ。」
って言ったら周りの皆が爆笑してたんだけど・・・
二人の男は,何事もなかったようにあたしの左右に座り直したけど・・・その顔怖いんですけどぉ・・・
ちょうどそこに先生が入ってきた。
「おや。楽しそうですね。」
そう言ってにこにこ笑っている先生は,柔和な感じのすてきな人だった。
ここはお決まりの出席だろうって思ったら,それは当たっていたわ。一人一人名前だけを紹介するように言われた。なぜ?
「ここでは家名は必要ありません。皆等しく平等に学ぶところですから。」
おおお。そうか。ここは騎士とか貴族とかもいる所なんだね。う~~~~ん。
端から横に紹介して言ってる。あたしの左隣の眠ってたヤツは,
「シモだ。」
一言で座ったわ。
「あたしは美優です。何も分かりませんので,いろいろ教えてくださいね。」
って言って座った。ふんふん。こんなもんでしょ?
右隣はさらに不機嫌そうに
「フリだ。」
ぷっ・・思わず吹いちゃった。ふと・・でかい男の子は二人で霜降りかぁふふふ・・・
二人とも凄い形相で見るんだけど・・・変なこと言ってないよぉ。
後ろの女の子は
「タリーです。」
って。友だちになれそうかな?後ろを向いてにっこりしたら,向こうもにっこり返しをしてくれた。うれしいな。
その後で,明日からの動きを教えて貰い,皆で食堂に移動することになったよ。あたしは早速タリーさんとお近づきになりに・・・と思ったら,4~5人しかいなかった女の子達があたしの周りに全員やってきたんだけど。
「美優さん,お友達になってね。」
口々に言われて・・・ちょっとびっくり。まんざらでもないけどさ・・・なんで?
「あのシモとフリをどかしたお手並み。素晴らしかったですわ。」
「あの人達ちょいと家の権力を笠に着て昔から失礼な奴等ですの。」
ほうほう・・・家名のある人達なんだ。
タリーさんも近くにいて頷いてる。
「あたしのことは美優でいいよ。」
そういったらみんなきゃ~~~って喜んでるんだけど・・・なに?変なこと言った?
「あたしのことはロリって呼んでください。」
「ずるいわ。私のことはミカって呼んでください。」
「あたしは・・・・」
・・・・・
全員の名前をとにかく頑張って覚えたよ。
「タリー,ロリ,ミカ,ユキ,フローあたしも入れて6人の女の子だね。仲良くしようね。」
食堂でも1つのテーブルに6人で座って楽しく食事が出来たよ。 ちゃんとバイキング式で沢山食べれて幸せだった。あたし達のテーブル以外は,あたし達のクラスのテーブルは静かだった。他のクラスのテーブルの盛り上がりが嘘みたいに・・・。1年生のクラスは3つらしい。と言うかどの学年も3クラスずつ。聞いたら結構この学校は狭き門なんだそうだ。入学試験や編入試験も難しいとのこと・・・あらら・・・受けてないんだけど・・・これは内緒だね。
遠くのテーブルに,上級生のクラスが座っていた。その中にイシュの姿もあった。あいつ・・・女の子に囲まれてる。まあ・・あたしも女の子に囲まれてるけどさ・・・
見てたら目が合った。お互い探るように見つめる・・・と・・鼻がむずむずしてきた・・・ま・・・まずい。あたしは慌てて立ち上がった・・・
「どうしたの?」
「お・・おてあらい・・・!!!」
叫ぶのと一緒に外に走り出た。目星を付けていた茂みに走り込んで・・・
「はっくしょ~~~~~ん!!!!!」
盛大な音・・・ぽんって・・・あああ・・・白龍になっちゃったよ。見えちゃうよ~~!!!
ま・・・まずい・・
どうなるのぉ????




