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たゆたう想い

作者: 南郷 蕎麦子

一度はこんなこと考えたことありませんか?

くだらないけど、なんだかぐるぐると、はまっていってしまう不思議な人生の疑問。

どんなに無いと言われても、100%確証は得られないふしぎな世界。

歯の間に挟まったもののように時々無性に気になるんです。

だって、自分が見てない場面で何が起こってるかは見てないから分かんないんだもん。


照明を豆電球まで落とした薄暗い部屋で、午前一時の静けさに浸る。


茶色い景色のなか、隣で小さな寝息が聞こえる。


ふさふさの髪の毛は黒く柔らかい。


黒目がちでつぶらな瞳は閉じられているが、時折きゅっと眉をしかめる仕草が愛らしい。


頬っぺたはとろけ落ちそうなほどにふっくらと丸く、つるりときれいな肌が薄闇の僅かな光さえ反射している。


母乳を飲む夢でも見ているのか、時々モグモグと動くおちょぼ口は愛しさをむくむくと増幅させ、柔らかな吐息は春の風よりも心地よく鼻先をくすぐり至福の境地へといざなう。



幸せに心を浸らせておくと、ふやけた心からじんわりと暗闇の影が浮かび上がってくる。



幸せな気持ちが心の特効薬なら、得体の知れない不安は常に付きまとう副作用だ。



昼は大丈夫。


陰鬱な気持ちなど、日光が、生活の騒音が、美味しい料理が、忙しい毎日が、全て打ち消してくれるから。


だが、誰もが寝静まる夜は、人口100万人は下らない大都市に身をおいていても己の精神を一人ぼっちにする。


自分という人生の主役以外の皆さんは、どこか別の世界にある楽屋に帰って休憩しているのではないか。


静かな夜は、そんな下らない妄想が頭を支配する。


いつか見た、幼稚なミステリーコミックのような世界がよもや現実にもあるのではないか。


そう思わせるほどに、世界は静まり返り、私だけを置き去りにしていく。


隠れて悪さをしたときも、恥ずかしい状況に陥ったときも。


上手く隠していたつもりだけど、どこか別室で完全にモニタリングされていて、皆で笑っていたのではないか。




隣にすやすやと眠る愛らしい赤ん坊に顔を近づけ、鼻息で頬をくすぐりながら、ほの暗い妄想から逃れるためのスイッチを探す。





あった。






赤ん坊の顔から20センチ、照明の全ての光を愛しさに変換して反射する赤ん坊の顔から20センチ。


視界いっぱいに、その顔を収め、ふやけるような心地に浸り胸のすくような愛しさに息をつまらせる。


ふっと、気持ちが軽くなり、そんな舞台があっても面白いなと思わせる。


おやすみなさい。愛し子よ。


あなたが次の主役だよ。



さあ、楽屋へ戻ろうか。

そう独り言て布団を肩までかぶると、悩んでいた気持ちが嘘のように眠気が襲ってくる。




なのに、




愛らしい赤ん坊はふぇふぇ…ふぇむぅぅと泣き出す。





あれま。と、眠気を振り払って抱き上げ乳を与える。


眠ったらまた最初からやり直しだ。


でも何でだろうか。


己を必要とし、呼ぶ声は得体の知れない不安の鎖を、いとも簡単に取り去ってしまうではないか。


幸せな夜は更けていく。



人生の主役たちを薄闇に照らしながら。


この街にいる主役は100万人は下らない。




眠るものも眠らぬものも、等しく時を刻み、いつか訪れる終わりの日まで舞台の上で活劇を続けるのだ。

寝れなくて、誰も読まなくても良いから今考えてることを初めて小説に書いてみたくなりました。

いつもログ専門なので文章力はいまいちです。

日記みたいな雑文ですが何か心に引っ掛かればこれ幸い。

もう少しアイディアを貯めて、今後自分なりの世界観を文章にしていけたらと思います。


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