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アイテムボックス?

 今回は凄く短いです。

 遅くなった上に誤字脱字が多く噛み合わない所があるかもしれません。

 気付いた時にその都度直したいと思います。

 すいません。

 

 賊を返り討ちにして、クリュエル達は売れそうな装備品を集めたあと数十人の死体をそのままにするのは気が引けるが、クリュエル達の血の臭いで魔獣が集まると言う言葉にとりあえず死体を風魔法で街道から離れた位置まで飛ばして、土魔法で街道や周辺の血を埋めて整備し直してその場を離れ森にはいる。


 森は馬車が走るのに問題ない幅があった。


 トワは森を走りながら盗賊達のステータスが奪えなかった事を残念に思いながらクリュエルの戦いを思い出していた。


(ん~あれだけ目の前で人が死ぬところを見てもやっぱり平気だし、死体をどかすのも問題無くできるな。異世界補正か?)


「トワ様?どうかなされましたか?」


 トワが神妙な顔で考えているとアイリが心配そうにトワの顔をのぞきこむ。


「何でもないよ」


 そう言ってアイリの頭を撫でる。


「そうですか……」


 アイリはトワが何かを隠していることには気が付いているが聞いてはいけない気がしてそれ以上は聞かなかった。


「そ、そう言えば、メルーシトさんはアイテムボックスのスキル持ちなんですね。よく前のパーティーを抜けれましたね?」


 何も説明しないことで明かに落胆するアイリの空気にたまらず、トワは話を変えるために盗賊からの戦利品をアイテムボックスに仕舞っていたメルーシトに話を振る。


「メルーシトだにぁ!」


 メルーシトは勢いよくトワの側に来て鼻が触れるかギリギリまで顔を近付けて目を見開いて言う。


「ちょっ!えっ?・・・メルーシトさん?」


 後ろのアイリと御者台にいるリーネが振り返り物凄い睨んでいるために、トワは急いでメルーシトの肩を掴んで顔を離しながら首を傾げる。


「メルーシト!だにぁ!」


「えっ?えっ?」


 トワの困惑した様子を見ていたクリュエルが笑いながら助け船をだす。


「ぷっ、くくく、メルーシトはさん付けをやめて呼び捨てで呼んで欲しいのさ」


「そうだにぁ!」


 クリュエルの説明にメルーシトは胸を張る。


「・・・なるほど、えっとじゃあメルーシトはアイテムボックスのスキルを持っていたのに前のパーティーを抜けられたね?」


 トワが改めてメルーシトに質問する。


「アイテムボックスに仕舞える量が少なにぁくて、予備の弓とか矢とかを仕舞っとくと空きが殆んどなかッたにぁ。だから隠してたにぁ」


「なるほど、よくバレなかったね」


「皆知ってたと思うにぁ」


 トワは矢を取り出すときによくバレなかったなと思ったがメルーシトの予想外の答えに驚く。


「えっ!?ならなんで?」


「隠してたからにぁん」


「・・・・・・・」


 トワは意味がわからず眉を潜めて沈黙する。


「悪いね。メルーシトは聞かれたことは喋るけど面倒な説明は省くんだ」


 苦笑いでクリュエルが説明する。

 いいつの間にか普通に戻ったアイリが耳元で説明してくれる。


「猫獣人の中には喋る事を面倒だと思う人が多いんです。勿論、私は違いますよ。トワ様とのお話しは楽しいです」


 そう言うアイリを撫でながらリーネ様子も見ると楽しそうに外を見ていた。


「わかった。それで、何でかは説明してくれるのかな?」


 クリュエルが頷く。


「私が話すよ。トワは世間の常識には疎いんだね」


「まーな、田舎の出だからな。出てきてからもそんなにたってないし」


 トワは咄嗟に自分の出身の設定を思い出す。


「短期間でこの強さはそれはそれで凄いけどな」


 クリュエルが感心する様にまじまじとトワを見る。


「お、俺の話より説明を頼む」


 トワはボロが出ない内に話を変える。


「そうだな。なんの話だっけ・・・アイテムボックスの事か。アイテムボックスのスキルは珍しいと言われてるけど実はそこまで珍しくないんだ」


「えっ?そうなの?」


「ああ、鑑定のスキルは一万人に一人とか言われているけど、アイテムボックスのスキルは十人に一人位の割合でいるんだよ」


「えっ?じゃあ何で珍しいと言われてるんだ?」


「一般的にアイテムボックスのスキル持ちだと言われるのは運搬できるだけの容量がある奴を言うのさ。そう言う奴等は少ないのさ。それに、殆どの奴はわざわざアイテムボックスを持ってますなんて、大っぴらに言わないから知ってるのはパーティーメンバー位だからね余計にスキル持ちが少なく思われてるのさ。しかも、大体の奴は自分の荷物で一杯にならるから言わないし、他の奴等も言わないのは容量が少ないとわかってるから何も言わないのさ」


 戦いに必要かもしれない道具を捨ててまで戦利品の収納を頼むと、下手をすれば後々に何かあった時に危険なために冒険者の暗黙の了解として自ら持っていると言わない限り使えないものとして扱うのが基本だった。

 普通の冒険者は魔法使いなど魔力を訓練して増やしていなければ20程しか無い。

 その為20種類の物を20ずつしかアイテムボックスに仕舞うことが出来ない。

 矢の場合は木の矢や鉄の矢を20ずつ仕舞えるが着替えは服として纏まるわけではなくズボン、上着とそれぞれが別々の種類として仕舞われるために直ぐに20種類前後など埋まってしまう。

 

「へー、荷物持ちに残ってくれとは言われないんだ」


「中にはそう言う奴等もいるけど、荷物持ちにまで報酬を分配するくらいなら素材が減る方を選ぶ奴等の方が多のさ。それに、常に死と隣り合わせの商売だからね、ただの荷物持ちより一人でも多い戦力が欲しいのさ。メルーシトから弓を取ったら何もないからね」


 魔法や剣を使える者のなら荷物持ちをしながらでもいざと言う時は戦えるが弓術士は矢が無ければ何もできなくなる。

 その上パーティーメンバーと連携が上手くいかなくなった為にメルーシトは簡単にパーティーを抜けることができた。

 

「皆さん町が見えました。日も傾いてきましたし馬さんも休ませたいので今日はあの村で休みましょう」


 御者をしているマーチェルが後ろに向かって声をかける。


(まあ、いいか)


 トワはまだ色々と気になることがあったが、今はとりあえず新たな町の事が気になった。


 門で受付のさいにギルドガードを出したら門の兵士達に感動した様子で握手攻めにあい全員に敬礼で見送られながら町に入った。


「とりあえずどうします?」


 馬車がすれ違える位の大きさの通りをゆっくりと馬車で進みながらトワが聞く。


「この町には正式な冒険者ギルドが無いからとりあえず冒険者ギルドの出張所によった後に宿を探そう」


 クリュエルの答えにトワは驚く。


「冒険者ギルドが無いの?」


 トワの疑問にクリュエル達が頷く。


「この町は貴族が治めている町なんだ。だから、依頼料から税金を引かれるからあまり依頼を受けるやつが少ないのさ。それで冒険者ギルドが治めている街は支部として、それ以外は出張所扱いにして何時でもこちらは手を引くぞって圧力をかけてるのさ」


「それじゃあ、冒険者が寄り付かないからもしもの時は大変なんじゃ?」


「魔獣の群れが襲ってくるなんてそうそうあることじゃ無いからね。それに、依頼を受ける奴等は少ないが冒険者は多いんだ」


 クリュエルが視線に釣られてトワも外を見ると冒険者らしき人が多い。


「確かに………」


「国境に向かう街道の途中の町だから商人の護衛とかで冒険者が来るから問題ないのさ。それに、花街があるから人も集まるのさ」


 クリュエルが町の一画を指す。

 そこは町の中なのにまた塀で囲まれていた。


「なるほど、それで、浮かれてる冒険者の男が多いのか」


 ニヤニヤと笑う男達を見ながらトワが言う。


「あと、この町の貴族に関わらないように」


(うわー、ふフリだよなそれ)


 クリュエルの忠告を聞き頷きながらトワは内心そう呟く。

 その後はギルド出張所で絡まれることもなく宿屋で人数分の部屋はあるが、一人部屋しか無いらしくアイリとリーネがどうしても一緒がいいと言ったが、なんとか話し合って全員別々の部屋になった。



 


 全員で夕飯を終えてトワは部屋で出かける準備をしていた。


「アイリとリーネには装備の手入れを頼んだから部屋から暫く出てこないだろうから大丈夫だろう」


「さて、いくか。ビバ芸者!ビバ御座敷遊び!」


 そう言ってトワが扉を開けるとそこには笑顔のアイリとリーネがいた。


「・・・あ、あれ?ふ、二人ともどうしたの?」


 予期せぬ二人の登場に唇を震わせながらトワが言う。


「トワ様こそ何処へ行かれるんどすー?」


 アイリは笑顔のまま首を傾げて言う。

 その迫力のあるアイリの笑顔にトワは一歩下がる。


「あ、あれー?アイリさん?その喋り方は、なにかな?」


「・・・・・・」


 無言のまま笑顔で近付くアイリに部屋の中に戻されてリーネが部屋に入ると扉を閉めてカチャリと鍵をかける。


「あ、あれー?リーネさん?何で鍵を閉めるんですか?」


 トワは後ろが無くなりベッドに座ってしまう。


「ご主人様~?夜遊びはいけないんですよ~?」


 リーネはニコニコと笑う。


「あ、ああ、うん、堪忍して?」


 トワは手をベッドの上で土下座をしながら顔の前で合わせて謝る。


「そんなに遊びたいなら私達が相手になりますよ。覚悟してくださいね?」


 アイリがそう言うとアイリとリーネはトワに襲いかかった。



 その頃別の部屋ではクリュエルがベッドから立ち上がり扉に手をかけてベッドに戻るを繰り返していた。

 クリュエルが部屋に入る時にチッキャがクリュエルの耳元で、一人部屋なら邪魔がいないからチャンスだと言ったことでクリュエルは夕飯の後から堂々巡りを繰り返していた。


「ああ、だが、しかし、……それでも、・・・・・でもなー、」


 と、部屋のでクリュエルは呻き声にも近い声を上げていた。


 そうして満たされて満足げな二人と、疲れきった顔の二人の計四人は眠らないままそのまま朝日を迎えた。




 最近ステータスを書いてない気がする。

 ・・・・・・今回の依頼が終わった頃に書くと思います。

 予定、たぶん、・・・・・



 えーと次回はもう少し遅くなるかもしれません。

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