馬車?
いつもいつも遅くなってすいません。
自分、誤字脱字が多いもので指摘すごく助かっています。
今回も仕事が忙しくあまり時間が無かったので誤字脱字多いかもしれません・・・ごめんなさい。
「信じて任せたのが間違いだった」
トワは顔を手で手で抑えて首を振る。
「トワ様可愛そう………」
「すご~い!キレイだね~!おっきいね~!」
「ガハハハハ!そうだろうそうだろう」
トワの声はアイリにしか聞こえてなかった。
リーネは嬉しそうに馬車の周りを回ったり中を覗いては感動している。
そんなリーネの反応に嬉しそうにクラインが笑う。
そんな中、後ろから声をかけられる。
「おーい!おはようー!待たせた!」
「おはよ・・う!?・・・・クリュエルの装備って・・・それ!!」
その声がクリュエルの声だとすぐに気が付き笑顔で振り返ると一瞬固まり驚いて声を上げる。
クリュエルの装備は全身真っ赤な革の装備で、装備で隠れているのは大事な部分だけで、まるでビキニにパレオがついた水着のようで守られている箇所が少なく防御力に疑問がでるほど露出度が高く、健康的に焼けた小麦色の肌が露出していて、そこに真っ赤なマントを羽織りサイズと呼ばれる大鎌を背負っていた。
(元の世界でゲームとかでああいう装備とかエロくて好きだったけど・・・実際危険が多いこの世界で見るとあの装備って意味があるのか気になる)
「ん?なんかおかしいか?」
クリュエルがトワにそう聞く姿にクリュエルのパーティーの他のメンバーは笑いをこらえていた。
「なんかおかしいかな?」
クリュエルが振り向きメンバーに話しかけると苦笑いしていた顔を一瞬のうちに笑顔にする。
「いいと思うよ」
「うんうん、似合ってるよ」
「クリュエルには赤が映えるよ」
他のメンバーもうんうんと頷いている。
「そうだよな」
クリュエルはその答えに満足そうな顔を浮かべる。
(お前らが甘やかすせいか!!)
トワがクリュエルの後ろのメンバーを睨むと全員が目をそらした。
「ああ、うん、確かに似合ってるけど、防御力が心配だな」
小麦色の肌に赤い装備が情熱的でクリュエルの性格にも合っていて、髪の赤とも色が近くて統一感がありトワも似合ってると思いそこは否定出来なかった。
(確かに俺の好みに合ってる小麦色の肌に白も捨てがたいが・・・っ!)
トワがまじまじとクリュエルの姿を下心を出して特に引き締まった体から強調するように出ている場所を見ていると斜め後ろにいるアイリが笑顔でトワをつねる。
そして、トワの耳元で小さく呟き手を離す。
「大きいのが好きなんですね?」
トワは反射的にビクリと体を震わせ反論をしようとアイリを見るが、アイリは笑顔で どうかされましたか? と平然と聞いてくるので出かけた言葉を胸の内に締まった。
(違うぞ!違うぞアイリ!大きさなど関係ないんだ俺はどちらも好きだから!ただ、そこに立派な山が
あったら見上げたくなるのが普通だ!だって男の子だもん)
などと口に出す勇気が無いために心の中で叫び目で訴えるがアイリは笑顔で返すが、その目の奥には光がなくそれを見たトワは背筋がぞくりとした。
(よーし、今日はアイリをたくさん構ってやろう)
などと浮気して妻のご機嫌とりをする亭主のような思考になる。
「で、話し聞いてた?」
この後アイリの機嫌をとるのにどうするか悩んでいるトワにクリュエルが怪訝そうな顔で聞く。
「えっ!?あ、ああ、うん・・・ごめん聞いてなかった。何だっけ?」
トワは照れ隠しで頭の後ろを掻く。
「は~、トワが聞いたんだろ!まったく、防御力の話だよ」
クリュエルはタメ息をついて呆れたように言う。
「そうそう防御力!それは大丈夫なのか?」
トワの言葉にビシッと指差す。
「今度こそ聞けよ」
「わかってるよ」
「いつもはこの下に柔らかい革の装備の服を着てるんだけどね、ジェリアが付与魔法を覚えたから今日は防具にかけるから試して欲しいらしい。だから中に何かを着ているとわかりづらいからこの格好でって言われたのさ全員に。もちろん山に着く前には着替えるから安心してくれ。それに、それまでは魔獣もそこそこの奴しか出てこないから大丈夫だ。それと、私等じゃあドラゴン相手だと何の役にもたたないから山に着くまでは敵が出たら私等が倒すから馬車の中でのんびりしてくれ」
クリュエルは胸を張り笑顔で説明する。
(なるほど、あいつ等は甘やかしているのではなくて、あの格好の元凶か!)
トワがクリュエルの後ろを見ると全員が目をそらす。
クリュエルとしては仲間が付与魔法という珍しい魔法を使えることを自慢げに言ったのだがトワの反応がイマイチだったことに少し残念に思った。
「まっ、そう言うことなら護衛は任せるかな」
トワは視線をクリュエルに戻して手を伸ばす。
「ああ、任せろ」
クリュエルも少し残念な気持ちを切り替えて手を伸ばして握手をする。
クリュエル達との話を終えて振り向くとキラキラした目ではしゃいでいるリーネに説明をしながら嬉しそうに笑っているクラインがいた。
「なーアイリ?」
クラインの説明に、ほ~ や へ~ と相槌を打っているリーネを見ながらアイリに話かける。
「はい?」
「リーネは説明を全部理解してると思うか?」
「いえ、理解してないと思います」
アイリは苦笑いをしてリーネを見る。
「だよな」
「「はぁ~」」
二人で同時にタメ息をついた後トワはとりあえず出発の準備と文句を言うためにクラインの元に行く。
「馬車って・・・あれ!?」
クリュエルがトワの後ろのアイリの元まできて指差してアイリに聞く。
「そうみたいです」
アイリはクリュエルに苦笑いを向けながら答える。
後ろでアイリとクリュエル達がタメ息をついて話している声が聞こえてトワは馬車の事だと察して口元が緩んだ。
楽しそうなクラインの元まで行き口元を閉め直して腕を組んで睨み付ける。
「おい!そこの人のかたちをした筋肉!」
馬車の方を向きトワ達に背を向けるかクラインに声をかける。
「ん? !!」
振り向いたクラインはあからさまに怒りの様子を醸し出しているトワにビクリとする。
(名前じゃなくても振り向くんだな!ビックリだ!やっぱりバカだな)
トワは笑いそうになるところを抑えて顔に出さずにクラインを見る。
「馬車の事を説明してもらおうか!?それと、リーネも戻ってきておとなしくしなさい!」
「は~い」
リーネは返事をして素直にトワの後ろのアイリの元に行く。
トワの迫力に周囲の野次馬も静になる。
「お、おお、馬車だな。これは2頭引きの馬車で中も広くなっているし強度も問題ない。車輪も木製の車輪に地面と接する部分を鉄で覆っているために完全な木製のように車輪が削れてすぐにはメンテナンスが必要にならないし、鉄製より軽いから良いものだぞ!」
クラインは胸を張った。
トワは自分が聞きたい事と違う答えに一瞬固まってしまった。
「・・・・・いや、そうじゃなくて、何なんだこの派手な馬車は!」
「王家の馬車だが?」
クラインは何を言ってんだばりに王家の紋章を指差して言う。
全ての国の王家の紋章は王族以外がつけることを禁止していて勝手に使うと奴隷に落とされる事があり悪質な場合は死刑になることがある。
これは冒険者も例外ではない。
「あー、そうじゃない!なんでこんな派手な馬車なんだ!普通の馬車は無かったのか!!」
トワは頭を掻きむしりながら話が噛み合わない事に苛立ちを露にする。
「実はな最近 街道で盗賊が出るらしくてな、ついでだからお前らに片付けてもらおうと思ってな、それなら目立つ方が良いと思って借りてきた。勿論報酬は払うぞ」
クラインは当たり前のように余計な仕事を押し付けた。
トワが後ろを振り向くとクリュエル達が笑顔で頷いている。
「おい!・・・まあクリュエル達がいいなら良いか。それより、俺等が使って大丈夫なのか?」
トワはどうせ中にいる自分は乗ってしまえば恥ずかしく無いから外に出るクリュエル達がいいなら良いかと思い、それよりも王家の紋章がついた馬車を使って大丈夫なのか心配になる。
「女王に話したら快く許可をくれた」
クラインは何かを思い出したように苦笑いする。
「・・・・自分も行くと駄々こねたのか・・」
「・・・ああ」
クラインの顔から察したトワが聞くと頷く。
その光景が頭に浮かんで笑いそうになる。
「まあ、ならこれを借りて行くよ。じゃあな!」
トワ達が馬車に乗りクリュエルのパーティーの犬獣人のマーチェルが馬車を操れると言うことで御者台に座る。
他のメンバーは馬車の横を並走すると言ったがトワがさっさと着きたいから馬車の速度を落としたくないし自分とアイリとリーネが居れば外で警戒しなくても大丈夫だと言い張り全員馬車に乗る事にする。
「行ってきます」
最後にクリュエルが全員乗ったことを確認してクラインに挨拶をする。
「気を付けろよ。魔獣は勿論だが・・・できちゃった結婚は許さんぞ」
クラインは小さな声でトワに聞こえないように言う。
「フフフ」
クリュエルは馬車に乗り少し頬を赤らめて笑顔で手を振り御者台に行き隣に座る。
「ゆっ、ゆるざんぞーーー!!」
叫ぶクラインを置いて馬車は走り出した。
「クラインとクリュエルって付き合ってるのか?」
トワは二人がやけに仲が良い事が気になり小さな声でチッキャに聞く。
「クックッ、二人は親子だよ」
チッキャは声を圧し殺して笑う。
「「えっ、えっ!?えーーー!!」」
マーチェルの横で後ろからでも楽しそうにしているのがわかるクリュエルと腹を抱えているチッキャを交互に見てトワだけではなくアイリも叫ぶ。
「なっ、なんだよ??」
振り向いたクリュエルは少し赤い顔で驚きをみせる。
「本当に親子なのか」
トワは納得出来ないって感じにクリュエルに聞く。
(ありえない!あんな筋肉ダルマからこんな綺麗な娘が産まれるなんて・・・確かにクリュエルも女性としては引き締まっているがありえない)
「本当だ。それよりも……最後のき、聞こえてた?」
クリュエルはさらに顔を赤くしてモジモジしながらトワに聞く。
「えっ?いや、聞き取れなかったけど、なんか大事なこと?」
トワは何か喋ってるなーくらいでしかわからなかったがアイリとリーネには聞こえており二人は警戒を露にする。
「そっか……ううん何でもない。さー行こー!」
クリュエルは少し残念そうな顔をして前を向き直り右手の拳を振り上げる。
次も少し遅くなるかもしれません。
そろそろドラゴン出したいな~