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クリュエル(知らなかったこと)?

 前回、次はトワ達が助け出すところまで行く予定でしたが、・・・・・・そこまでまだいきませんでした!

 後1、2話クリュエル編があると思います。


 ドラコン討伐の続きもう少し待って下さい。


 誤字脱字はごめんなさい。

 母親が死んでクラインは今までよりも家に帰ってくるがそれでも5日に一度程度だった。

 最初は母親が天国で安心していられるようにも少しでも話しをかけていたが顔を合わせる回数が少ないために、日に日に顔を合わせても会話が無くなっていった。

 二年程たったころにはクリュエルは冒険者の活動をしなくなり朝から晩までスラムに入り浸るようになった。


 クラインは今まで理由はどうあれかまってやらずにいたために負い目に感じていて何も言えなかった。

 ギルドマスターとしても犯罪に関わったわけでは無い一冒険者にしっかりと依頼をうけて活動しろとは言えなかった。

 なぜならば冒険者とは犯罪に関わらないかぎり例外を除いて自由だからだ。

 国にも縛られずやりたい仕事をして、やりたくないことはやらないと言うのが冒険者だ。

 

 クリュエルはスラムと言うと犯罪の温床にいてもこの国の法に触れることには関わってないために、クラインはただ見守ることしか出来ないでいた。



 スラムで毎日をすごしていたクリュエルは最初の頃は喧嘩を吹っ掛けてくる奴や、いやらしい顔で近付く奴もいたが、そんな奴等を来る度に力で黙らせていると次第にクリュエルを慕い近付いてくる者や恐怖から建物に隠れている者の2つに別れた。


 ある事件でチッキャと出会い彼女はクリュエルの強さを目の当たりにして戦って見たいと思いクリュエルに戦いを挑む。

 久しぶりに勝負を挑まれてそれをうけて返り討ちにすると、その日から何度も勝負を挑みに来る。

 諦めず毎日毎日戦っていると次第に強くなっていくのがわかった。

 そして、チッキャといるのが楽しくなりいつしか何時でも一緒にいるようになっていた。


 

 そらからしばらくして、ギルドマスターが大怪我をしたと言う話が王都を震撼させた。

 クリュエルはその話しを聞いたときに自分の母親のことが頭によぎるが、何時でも自分勝手なことをしていた父クラインのもとには行かないと決めた。


 そしてクラインの怪我をしり行かないことを決めた翌日に、寝泊まりしているスラム街にあるチッキャの家にいるとノックがありチッキャはまだ寝ているのでクリュエルが扉を開けると女性が二人、クラインのパーティーメンバーのメイシーとアーヤが立っていた。


「クリュエル」


 アーヤが祈るように手を胸の前で組んで悲しそうな顔で話しをかける。

 クリュエルはこんな場所にいるハズの無い二人の姿に驚いたが、すぐに扉を閉めようとするとメイシーが閉まる扉に足を出して止める。


「まったまった!あたし等は別にクラインに言われて来たわけじゃあ無いから」


 メイシーがそう言うとクリュエルはゆっくりと扉を再び開ける。

 

「よかった」


 アーヤが嬉しそうに笑い、またすぐに真剣な顔になる。


「クリュエル、話しだけでも聞いて」


 クリュエルはその真剣な顔に嫌な可能性が頭を過りビクッとなり震える唇をどうにか動かして聞く。


「・・・・ち、父に何か・・・」


 一命はとりとめたと言う噂は耳にするが、回復魔法があるのにそれから回復した噂はなかったためにクリュエルは嫌な想像をしてしまう。

 そんなクリュエルの質問にアーヤは首を横に振って笑顔で答える。


「クラインは元気よ。油断して毒を喰らってしまって継続的な少しダメージと体がマヒしているだけよ。今、教会に高位の回復魔法師呼んでもらっているところよ。私の回復魔法でダメージが溜まったら治しているから死にはしないは」


 毒やマヒ等の治療には回復魔法のレベルが3以上必要で、回復魔法3レベルの者は数える程度しかいなくて、殆どの回復魔法師のスキルレベルは2しか無くケガは治せるが毒等は治せない。


 アーヤの答えにクリュエルはホッとして息を吐く。

 いくら嫌いだと口では言っていても血の繋がった父のことを心のどこかでは想い心配に何かあれば感じてしまう。


「フフン、パパが無事で嬉しい!?」


 クリュエルのその行動を見ていたメイシーはニヤーと笑い茶化すように言う。


「・・・あんな奴、死ぬなら勝手にのたれ死ねば良い!私には関係ありません!・・・・話しがそれだけならお引き取りを!それでは、失礼します!」


 クリュエルはメイシーの言葉に反発して反論するが、自分の言葉に胸の辺りがチクンと痛むのを感じた。

 しかしクリュエルは意地になっているためにそれぐらいでは態度を変えず扉を閉めようとする。

 アーヤが扉を掴み止める。


「待って、あんたも「ウグッ」余計なことはしない約束ジャナカッタ?・ごめんなさい大事な話しがあるのよ。貴女達親子にとって大事な話しが」


 メイシーは隣に並ぶアーヤに鳩尾に肘を喰らい崩れて蹲りながら ごめんなさい と掠れた声で呟いている。


「話し、聞いてくれるわよね?」


 クリュエルはまだ蹲っているメイシーを一瞥してアーヤの言葉に固い動きで頷く。


「よかったわ、中に失礼しても良いかしら?」


 クリュエルが再び頷くとアーヤは嬉しそうに部屋の中に入る。


「わ、私も・・・」


 倒れているメイシーが這って近付くとアーヤは当然のようにメイシーが入る前に扉を閉める。


「ひ、ひどいよ~、」


 メイシーは肘で打たれたところをさすりながらうつ伏せですごしていた大きめに声を上げる。


「冗談よ。近所迷惑だからいつまでも寝てないで早く起きなさい」


「ひどいよ~、ねーさんが肘う………」


 メイシーは恨み言を言おうとしてアーヤを見上げて目が笑っていない笑顔を見て口ごもる。


「迷惑になるって言ってるでしょ?早くしなさい!それとも、先にお仕置きが欲しいの?」


「や、やだなー、ハハハ・・・」


 メイシーは勢いよく立ち上がり頭の後ろを掻きながら乾いた笑いをする。


「・・・ねーさんが殴るから………」


 がっくりと肩を落として恨み言を言いながらアーヤの後に続いて部屋の中に入っていく。

 ブツブツと言っているメイシーの方を振り返りニコリと笑う。


「なーに?」


「なんでもありません!」


 その笑顔にブルッと震えて背筋を伸ばして敬礼をする。

 先に部屋に入り椅子に座って見ていたクリュエルが奥の部屋を見て、これだけ騒いでも起きてこないチッキャのことを考えて本当に寝ているのか、起きているが遠慮をしてくれているのかわからず考えた。


(チッキャは優しいから必要だと思うまで見てみぬふりをしてくれるんだろうな)


 実際チッキャは危険なスラムで暮らしているだけあって気配に敏感なためアーヤ達が訪ねて来たときには既に起きていたが誰が来たかはわからないが敵意が無いのはわかり危険が無いと考えて無視をした。

 それに、クリュエルが話しいて無くチッキャの知らない内容なので無理に話しに入らず、クリュエルが自分から説明をしてくれるか危険にならないかぎりはかかわらないようにしていた。

 スラムでは他人の過去を親しくても詮索しないのが暗黙の了解でチッキャにとっては当たり前のことだがクリュエルにとってはそれがひどく優しく感じた。

 クリュエルはチッキャが遠慮をしているのだと結論を出して部屋の入口を見ると、丁度メイシーが敬礼をするところでそれを見て苦笑いをする。


「そろそろ話しをしてもらえますか?」


「そうね、それじゃあ話すわね。貴女にとっては辛いことを思い出すと思うけど」


 アーヤとメイシーはクリュエルの向かいに座りアーヤは話しを始める。


「貴女の母親、シェエルが呪いにかかっていたことは知っているわね?」


 アーヤの問いかけにクリュエルは頷く。


「シェエルのパーティーが魔人に襲われているところを見つけて私達が駆け寄った時には既に呪いをかけられていて魔人は去っていたの」


「それで、私達はシェエルを保護して街まで戻ったけどシェエルは自分の呪いの事と、目の前で仲間が圧倒的な強者に無惨に殺されたところを見たことで心を閉じていたの」


 アーヤは静かに目を閉じる。


「当たり前よね。惨状を見ただけの私達でさえ恐怖を覚える程だったのだから」


 メイシーはその時の光景を思い出したのか震える拳をもう片方の手で掴んで俯いていた。


「それでね、クラインが毎日シェエルの元に通って様子を見ていたのよ。シェエルを一人にすると自害しそうだったからクラインはそれを気にしていたのね」


「あ、その頃はまだギルドマスターじゃなかったのよ。ギルドマスターには後継として指名されていたけど断り続けてたのよその頃は」


 アーヤはシリアスモードの途中でワンポイントと言うように人差し指を立てる。


「で、1年ぐらいたった頃からシェエルは普通に話しをするようになって、いつの間にかクラインと愛を育んでいたのね」


「その頃急にクラインが冒険者は続けるがギルドマスターもやると言い出したの。なぜだかわかる?」


 クリュエルは首を横に振る。


「じゃあ、呪いを解く方法は知ってる?」


 今度は頷く。


「呪いをかけた者が死ぬこと。でも・・・広い世界で魔人一人を探すのは普通の人を探すより難しい」


「そう。魔国に帰られたらどうしようも無いものね。それでもクラインは可能性も信じていた」


「どう言うことですか?」


 クリュエルは首を捻る。


「冒険者の情報はギルドに集まる。その冒険者ギルドのしかも本部のギルドマスターなら世界中の情報が調べられる」


 クリュエルは何かわかり驚いて目を見開く。


「も、もしかして・・・その魔人を探しに・・・皆さんは関係無いのに・・・それに、魔人に人が勝てるわけ無い!」


 アーヤとメイシーは苦笑いをする。


「関係無いことはないよ。シェエルは親友だし、それに、私等は全員クラインに命を拾われた奴等だしな、クラインは嫌がるけど私達はクラインのためなら生け贄にでもなんでもなるさ」


 メイシーが言う。


「ッ!」


 クリュエルは当たり前のように言うメイシーに驚いて言葉を失いアーヤを見る。


「メイシーが言うことは大袈裟ですが間違いではないの、それぐらいの覚悟はあると言う意味よ。それに、貴女ならどう?勝てないとわかっていても一縷いちるの望みをかけて魔人に挑むんじゃない?」


 アーヤはクリュエルに笑顔を向ける。

 クリュエルは押し黙る。


「だから、貴女には呪いのことは隠していたの」


「だから、クラインはシェエルのことがどうでもよくて家を開けてた訳じゃないの。それに、今は貴女のためよ」


「えっ!?」


「・・・・知られていないことだけど、呪いは遺伝するの。クリュエルは受け継いでないけどもしかするとその子供に呪いが現れるかもしれないのよ。それに、もしかすると急に貴女に呪いが現れるかもしれないのよ」


 呪いは魔人が使うもので全く研究されていないためにわからず、鑑定でもその辺りのことはわからなかった。


「そんな勝手なこと・・・」


 クリュエルは唇を噛み締めながら呟く。


「うん、そうね。・・・それでね、すぐにクラインと仲良くしろとも今までのことを許してやってとも言わないわ。ただ、1度で良いからじっくりと話し合って欲しいの、おねがい」


 アーヤが頭を下げる。


「頼むよ、クラインも後悔してるんだよ。クリュエルあんたが心配で依頼に出ても心ここにあらずって感じで危なっかしいんだ。今回の怪我もそんな感じで警戒ができてなかったからなんだ。頼む」


 メイシーも頭を下げる。


「・・・・・少し………少し考えさせてください」


「わかったわ。私達はクラインの毒を治療できる者が来るまでは街にいるから。もし、決意が決まったら冒険者ギルドまで来て」


 そう言って二人は帰っていった。


 二人が帰りしばらく自分のなかで整理して決意すると奥の部屋からチッキャが出てくる。


「は~あ、おはようクリュエル」


「おはようチッキャ、・・・少しいいかな?」


 クリュエルはチッキャに自分の過去を話した。

 自分の母親がなぜ死んだのか、父親が誰なのか、なぜスラムに出入りしているのか、なぜ父親が嫌いなのか、アーヤとメイシーに聞いた話しを混ぜながら外が暗くなり始めるまで話した。


「……………と言うこと・・・」


 クリュエルは顔を伏せる。


「ふ~ん、で? 」


 チッキャはいつものトーンで聞く。


「えっ?」


 クリュエルは何を聞かれたのかわからなかった。


「クリュエルはもうどうするか決めてるんでしょ?」


 チッキャは部屋に入ったときにクリュエルの顔を見て決意していると気付いていた。


「うん・・・チッキャ、明日、私とギルドに一緒に来て!」


 クリュエルは目をぎゅっと瞑り頭を下げておねがいをする。


「私も一緒で良いならもちろん!」


 チッキャはそんなクリュエルに笑顔でかえす。


「本当に?私事でチッキャにはなんの関係もないのに、迷惑じゃない?」


「そんなことを関係ないね!私等は親友だろ!もしクリュエルが逆の立場なら同じ事を言うだろ!?」


 チッキャの親友と言う言葉に嬉しくなり笑顔で涙を流していた。


「ありがとう」


(こちらこそさ)


 クリュエルのその言葉にチッキャは生まれたときからゴミ扱いされていつも一人だった自分に優しくしてくれるクリュエルに救われていたが今は口に出さない。


 そして次の日の朝、二人は冒険者ギルドの前にいる。






 


 チッキャと出会った事件とか、チッキャの過去とか、そのうち書きたいな~と思っていますが、まだ予定は無いです。


 

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