(脱線)シュナード(破滅への足音)?
新人の道とこれからの道?の最後の国の説明を少し訂正しました。
戦闘終了?で真空では切れないと指摘がありましたので訂正しました。
「バルのオッチャーン!今日はどうだった?」
海につきだした大人が5人ぐらい並んで歩けるほどの幅がある壁の上で1人の青年が城門の外のる漁師と思われる船団の先頭にいる一隻の船に乗るデコの位置が頭の頂点を越えたガタイのいい、見るからに海の男という感じの50過ぎの男に手を振っている。
「おー、ナイゼルか!大漁だ!」
バルはナイゼルと呼んだ青年に片手を上げながら水門を潜り抜け街の中にある港に船をつける。
ここは海洋都市シュナード。
トワのいるパースト国のある大陸から、南の切り立った山脈のガルエカ国のさらに南にある海に囲まれたドルドイという国のある大陸の中部辺りの南の海に面している場所にペイルトよりも少し小さな街それがシュナードである。
シュナードには港があり陸から続く壁が港を囲うように海にまでとび出していて、その一部が上下に動く水門になっている。
さらに壁に数個海側に野球ボールほどの魔玉石という物が埋め込まれており、その魔玉石には結界魔法が付与されていて許可が無いものは入れないようになっている。
通常魔石はその辺に転がる石のように歪でごつごつしたような石であり極稀に綺麗な球体の透明な魔石がとれる。
それが魔玉石である。
魔石には魔法を付与出来ないために魔道具のエネルギー源つまりは電池の役割をしているが、魔玉石は特殊で魔法を付与して溜めた魔力を使って発動することが出来る。
魔玉石に一度魔法を付与すれば後は魔力を供給すればその魔法を発動することが出来る。
魔玉石の大きさによってに魔力を溜めておける量があり、シュナードにある魔玉石は何もなければ丸一日結界を張ることが出来る。
攻撃を受けた場合はその攻撃の強弱に応じて溜めてある魔力を追加で使用されるために持続時間は短くなる。
魔玉石での魔法は魔道具よりも魔力の使用が効率的で何倍も強い力を発揮することが出来る。
シュナードは魔国とまったく近く無い。
しかしシュナードは海の中まで街の一部として壁で囲っているために船の出入りで水門を開けたときに地上からは見えない水中から侵入を防ぐために結界をかけている。
そんなシュナードの壁の上にいた黒いバスターソードを背中に担いだ青年が、船団が無事に水門を潜り水門が閉まるのを確認すると港に向かい走り出す。
青年は海の中にたっている壁の上にいたために陸地があるところまで壁の上を走る。
港は海に向かって中央にあり、100メートル程の幅の砂浜が両脇に広がっている。
青年は壁の下に砂浜になっているところまで来ると下に人が居ないことを走りながら確認して飛び降りる。
青年は風魔法で気流を操り落下の速度を落として砂浜に着地して何事も無かったように港に向かい走り出す。
壁の上にいる見張りの兵士達はいつもの光景のためなれていて青年に関心を向けることすら無かった。
青年が港につくとすでに船団は来ておりそれぞれの船で魚の水揚げをしていた。
そんな中、青年が先ほど声をかけたバルと呼ばれるオッサンの元に周りを見渡しながら歩いて行く。
「オッチャン、今日は随分と大漁だね」
「おお、ナイゼル、当たり前だ!ウチの者は腕が良いからな・・・って言いたいんだが、海の様子がおかしかった!」
バルは眉間に皺をよせながら海の方を振り返りながら呟いた。
「様子がおかしかった?」
ナイゼルが首を傾げて聞くと、バルは顔を海から戻して険しい顔で頷く。
「大漁過ぎる。それに普通は近海では捕れないような沿岸にいるのまで獲れたのは稀にあるが今回のは何かがおかしい。・・・・・まるで何かに追われて逃げてきたような感じだ」
「大規模な魔獣の進攻!?」
ナイゼルが真剣な顔で聞くとバルは目を閉じて静かに首を横に振る。
「わからん。ワシは漁師だからな魔獣のことにはそれほど詳しくないからな。しかし、長年漁師をやってきた勘と経験がおかしいと感じる」
「そうですが・・・・わかりました。ギルドマスターには調査といつでも戦えるように俺から伝えておきます。」
「ああ、たのむ」
「任せてください。攻めてきたら俺が叩き潰してやりますよ!」
ナイゼルは自分の胸を叩きながら笑顔でバルに言う。
「〈雷公〉の二つ名を持つAランクのナイゼルがいれば何の心配も無かったな」
バルはガハハと笑い出す。
他の漁師達も気になって水揚げ作業をしながらチラチラとナイゼルとバルの会話を聞いて安堵する。
ナイゼルはそれほど急ぎではないと思いバルの手伝いをしてから冒険者ギルドに話しをしに行く。
このときナイゼルが今回のは件を重要視していなかったのは仕方がなかった。
シュナードは年に一回前後は海側から進攻があり、ナイゼルも三年ほどシュナードにいるので数回は戦っているが、街には結界があるためにそれほどの脅威だとは思っていなかった。
ナイゼルはギルドマスターに話しをして日が沈んだ頃に、拠点にしている漁師のバルの奥さんが営んでいる宿屋に向かい、パーティーメンバーと宿の1階にある酒場でバルに聞いたことなどを話した。
「海からの進攻か・・・・ぷはっ!いつも通り壁を壊そうとする水中の攻撃を結界で防いで、壁を諦めて壁の上にいる俺等を攻撃しようと頭を出したところを弓や魔法で殲滅するだけただろ!?それに団長がいれば余裕だろ?」
ガタイの良いまるでボディービルダーのような褐色の肌をした20代後半ぐらいのの男が木のジョッキの酒を飲み干しながら大きな声で喋る。
「その通りね!ロランドの言う通りね!」
「そうそう気にしすぎよ。はいロランド代わりのお酒け」
男の名前はロランド、そしてロランドの左隣りにいるのが少し高圧的なのがサミンで、反対の右側にいるロランドの世話を甲斐甲斐しくしているのがオリン。
サミンとオリンは二人とも腰まで伸ばした銀髪をしておりスレンダーで、胸は絶壁よりは少し膨らみがあるていどで、特徴的なのが人間よりも横に長く伸びた耳をした美しい女性だ。
二人は姿がそっくりな双子のエルフだ。
二人はそっくりで唯一の違いはオリンは垂れ目でおっとりとした性格で、サミンが少し切れ目でキツい性格だ。
「ちょっと!ちょっとオリン!何勝手なことしてんの!ロランドのことは私が....」
サミンが熱くなるとロランドが落ち着けと優しく頭を撫でる。
撫でられたサミンは顔を真っ赤にしてニヤけた顔で口ごもる。
「あ~サミンばっかりずるい私も~」
そう言うとオリンはロランドの右腕に抱きつく。
それを見たサミンは撫でられている左腕を掴みそのまま抱きつきそのままオリンを睨む。
オリンは睨まれていることには気にも止めずに腕に抱きつきながら、えへへと満面の笑みを浮かべている。
「おいおい二人とも、これじゃあ酒が飲めないぜ」
二人に両腕をかっちりとホールドされているロランドが困ったような笑みを浮かべて言う。
「ハイハイハイ!いつまでも3人でイチャイチャしてないで本題に戻すわよ!」
ナイゼルの右隣にいる肩ぐらいまでの蒼い髪の一部をポニーテールのように後ろで纏めた細身ながら大きすぎないが出るとのは出ている女性が3人の会話を呆れたように手を叩いて止める。
「イ、イチャイチャなんて・・・」
サミンが反論しようとすると睨みつけられて言葉に詰まる。
「団長の嫁は怖いな」
ロランドがテーブルに身を乗り出してナイゼルに小声で言うとナイゼルは苦笑いする。
するとその女性がナイゼルの方を背中に黒いオーラが見えるような姿で笑顔を向ける。
「な~に?」
「「なんでもありません!!」」
ナイゼルとロランドはその声に立ち上がり背筋を伸ばして叫ぶ。
その声に驚いた数人いた他の客が驚いてそちらを見るがナイゼル達だと気がつくと全員納得したような顔をする。
ナイゼル達が騒ぐことはいつものことなので街の住民は気に止めない。
「サクリスの言う通り話しを戻すぞ!確かにいつも通りならロランドの言った通りだが、魚が何かに怯えて逃げてきたようだとバルさんが言っていた」
ナイゼルは咳払いを一つしてテーブルに肘をついて手を組み真剣な顔で話しを始める。
「だがよ団長?それはバルのオッサンが言ってるだけだろ?」
「いや、他の漁師も何人かは同じことを言っていた。それに、フレッサーラックスが上がっていた!」
その言葉に全員が驚く。
フレッサーラックスとは体長が3メートルほどある鮭だ。
その鮭は魔獣ではなくただの魚の部類だが、名前の通り大食いでDランクの魔獣を餌にすることがあり、さらにCランクの魔獣と戦うこともある。
それほどの鮭が逃げてきたと言うことはBランク以上、怯えて逃げることを考えるとAランク以上の魔獣が来ている確率が高いと全員息を飲む。
「で、でもよ。今までBランクの魔獣が紛れてることはあったがそれ以上は来たことが無かったろ?」
「今まで来なかったからと言って、これからも来ないとは限らないだろ?それにギルドマスターに報告に行ったら妙なことを聞いたしな」
「「「「妙なこと?」」」」
四人の声がハモる。
四人の疑問に答えたのは別の人物だった。
「某も商隊が噂をしているのを聞いたでござる。何でもペイルトでダークドラゴンが現れたと、それにロンペイへの魔獣の進攻には魔人が現れたらしいでござる」
ベテランのパーティーだけあって都市の名前だけで大体の場所はわかってしまう。
ナイゼルはその言葉に頷く。
「おいおい!ならあの国は二つも都市が落ちたのか?そんな話し聞いたことねーぞ!」
「落ちてはいないでござる。何でもバカ強い冒険者が二つとも守り抜いたようでごさる」
ロランドが驚きナイゼルを見ると、ナイゼルは頷く。
「ドルマクの言う通りだ。ギルドマスターから聞いた話しだから間違いはないだろう。異変は他の都市でも起こっているんだ。この街では起こらないとは言えないからな。・・・・もしもの時は俺達が先頭で戦うことになるだろう・・・・・覚悟をしてくれ」
ドルマクは斥候をしている忍者の格好をして酒場でも顔を隠している男だ。
ナイゼルの言葉に全員が頷く。
「もちろん!団長と一緒に暴れてやるぜ!!」
「わ、私だってやるわよ!」
「私も~がんばる~!」
「ナイゼルには私がいないとね!」
「某の命は主のために!」
ナイゼルは仲間の顔を見回して大きく頷く。
「戦いはいつ起こるかわからない。皆、気を引き締めてくれ。今日は解散にする」
ナイゼル達が酒場で話しをしていたその時刻にシュナードの街から魔法で速度を上げた船で六時間ぐらいの距離の海上に報告を受けたギルドマスターがすぐに出したCランクの冒険者が4名いた。
「おいおい、なんてサハギンの数だよ!まるで海を踏み荒らしているみたいに見えるな」
サハギンは青い姿の魚人のゴブリンだ。
「ああ、しかも、サーペントにグランガチそれにレイネスとナックラヴィーまでいやがるぞ!」
サーペントは最長20メートル程の海にいる大蛇。
グランガチは2メートルから3メートルぐらいの大きさで鰐のような姿に魚のようなヒレと鱗をつけたもので、別名魚の王と呼ばれている。
レイネスは歌を操り人々を惑わす美しい人魚だ。
ナックラヴィーはオークの顔に皮膚の無い筋肉がむき出しの体に長い腕、それに下半身が道産子のような馬の姿をしている。
上記の4種はすべてBランクの魔獣だ。
「今回は厳しいな!街に到着は明日の昼頃か!?」
「いや、でも〈雷公〉がいるしなんとかなるんじゃないか?」
四人が魔獣の進攻から離れたところでそんなことを言いながら見ていると先程まであった月明かりが何かに遮られた。
それでようやく四人が後ろの気配に気が付いて振り返る。
「バカな!こんな奴まで!」
一人が発したその言葉を最後に四人の命の炎は消えた。
日記風なところを1話から少しずつなおしていきたいとおもいます。(願望)
誤字脱字やおかしなところを一緒に見つけてなおしたいとおもいます。(願望Ⅱ)