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訓練2日目(中盤)?

 遅くなりました。


 この作品を応援してくださるありがとございます。


 これからも頑張ります。

シェンヤ 人間 8歳 Lv39

          スキルポイント88

HP:880/880(80↑)

MP:280/280(80↑)

STR:930(50↑)

DEF:950(60↑)

INT:890(70↑)

DEX:900(50↑)

AGI:890(60↑)

LUC:55(5↑)


スキル:

剣術Lv3

隠密Lv2

気配察知Lv2

光魔法Lv3


特殊スキル:

魔力操作


ユニークスキル:

勇者の心







ファシア=メリトス 人間 8歳 Lv35

           スキルポイント75

HP:670/670(70↑)

MP:800/800(50↑)

STR:680(80↑)

DEF:610(60↑)

INT:830(50↑)

DEX:860(60↑)

AGI:770(70↑)

LUC:50(10↑)


スキル:

棍棒術Lv3

気配察知Lv3

火魔法Lv3

水魔法Lv3

風魔法Lv3

土魔法Lv3


ユニークスキル:

女王の覚悟









(・・・・・・なんかレベルが上がってないのにステータスが上がってる!!・・・・勇者の心って言うユニークスキルの効果かな?)


 鑑定眼で見るがそんな効果は無かった。


「どうしたのじゃ?」


「どうしたんです?」


 二人を見たまま固まり首を傾げるトワに二人は不安になり声をかけた。


「いや、雰囲気が二人とも少し強くなった気がしてな」


「やはりそう思うか!?妾も昨日より力が強くなった気がしておったのじゃ!」


「僕もそれは思った!」


「今まで二人はそう感じたことない?騎士とかと訓練したときとかわ?」


「ん~、そうじゃの~、魔獣を倒したときにたまに感じるかの?」


「うん、そうだね。訓練では最初の頃はあったけど最近は無いかな?」


(魔獣のときはレベルアップ時だろうな。訓練は・・・・そうか!前は騎士の方が強かったからわかるくらい上がったけど、今はレベルも上がってシェンの方が強くなったから上がらないんだ!今回は俺が遥かに強いから一気に上がったんだな。それにしても・・・・・一般冒険者一人分くらい上がってるよ!上がりすぎだよ)


「そうか、じゃあ今日も強くなろう!」


「「おー!」」




 トワ達三人は訓練場の中央辺りまで歩いていく。

 歩きながらアイリとリーネの方を見ると昨日同様に凄い攻防が繰り広げられていた。

 トワがそちらの方を見ながら歩いていくと後ろからついてくるファシアとシェンも同じところを見る。


「すっ、すごいのじゃ!妾達もあのような戦いを出来るようになるかの?」


「頑張れば出来ますよ!」


 トワは振り返り笑顔で言う。


「頑張ろうぞシェンよ!」


「うん!」


 ファシアとシェンは見つめあって頷いていた。


(今のまま成長すればいつかはアイリとリーネが抜かれそうだ。アイリは昨日より動きがいいな)


 アイリの動きのよさに感心していた。








 訓練場の中央まで来るとトワは徐に剣を振り地面に直径2メートルぐらいの円を書く。


「さぁ始めよう!俺はこの円から出ないから二人で俺に有効な攻撃を当てるかこの円から出してみろ!出来なかったらお仕置きね」


 トワが笑顔で言うと二人とも顔をひきつらせて後退りをする。


「ち、ちなみに、お、お仕置きとはなんじゃ?」


 少し震えながらファシアが聞いた。


「ナ・イ・ショ!」


 二人は今すぐに逃げ出したい気持ちになりお互いの顔を見合わせて頷き体の向きを変えて走り出すとトワはニヤリと笑った。


「ちなみに、逃げたら生まれたことを後悔してもらうからね?」


 二人の動きがピタリと止まる。


「シェンよ!妾達が生き残るには殺るしかない!」


「そうだね!僕が盾になりながら走るからファシアちゃんは魔法の準備をして後ろからついてきて!」


 二人で相談して走り出す。


「おい!殺るかよ!これは訓練だぞ!」


 言いながらトワは風の玉(ボーリングぐらいの大きさ)を作り投げる。

 シェンは避けずに盾に魔力を纏わせてその魔力を下から上に流れを作り盾を少し傾けて、トワの放った風の玉を空に弾く。

 シェンは少し速度は落ちたが気にせずに走りファシアは後ろでつく仕上げたバスケットボール大の火の玉にさらに魔力を入れていく。


「ほー!やるな!」


(流石は魔力操作と言ったところか。それよりも、ファシアは何か企んでるな!)


 トワは攻撃が当たらなかったことに何にも感じていなかった。

 それよりもシェンのうまい避けかたに感心してファシアのこれからの攻撃にワクワクしていた。


(意外と俺って戦闘が好きなのかな?)


 そんなことを考えながら左手を前に出して、


「火の魔法だと言うのはわかっている!」


 そう言って大量の水を固めた大きな水の玉を放った。

 

「そう来ると思ってました!」


 シェンは剣を上段に構え上から下に振り下ろすと光の刃が飛ぶ。

 剣に光魔法を纏わせてそれを飛ばした。


「この剣も盾もミスリルから作られたので魔力を通しやすい!」


 魔力で出来た剣ではないが、二人はいつの間にか訓練用でなく本気の装備だった。

 飛んだ光の刃は水の玉を切り裂いて二人の横に飛んでいき光の刃は威力は落ちたものの、そのまま消えることなくトワに向かって飛んでいく。

 

「お、おお~!?やるね!」


 トワはどんな魔法が来ても拮抗するぐらいの魔力を込めていたので切り裂かれたことに少し驚いたがあまり気にしてなかった。


 飛んでくる光の刃にビー玉ぐらいの大きさに固めた風の玉を親指を弾いて数発打ち出していく。

 風の玉は飛んでくる光の刃の数ヶ所に数発ずつ当り消し去る。

 シェンはトワと5メートルぐらいの位置で止まり驚きの顔を見せる。


「面より線、線より点だ!覚えておけ!それでもいい判断だった!」


 確かに線より点だがあの時点で一点を貫く攻撃だと水の玉を反らせなかっただろう。

 それにもしも、左右に避けていたらトワが土魔法で用意していた落とし穴に落ちていただろう。


「立ち止まったら的になるぞ!・・・・んっ!?」


 トワは喋りながら二人に攻撃をしようとしてファシアの手に火の玉が無くなっていることに気付いた。

 トワがその事に気付いたことにシェンは気付きニヤリと笑う。


「いまじゃ!喰らうがよい!」


 ファシアが手を上げて叫ぶ。

 手の向いている先、トワは自分の上を見ると火の玉がある。


「はぁ~、声かけるなよ!」


 トワはそう言いながら左手を火の玉に向けて水魔法を撃とうとするとファシアが笑いだす。


「ハッハッハ!止められるものならやってみるがよい!これが妾の最強の魔法じゃ!【フゥープリュイ】」


 ファシアがそう叫ぶと一つだった火の玉が割れてピンポン玉ぐらいの大きさの玉がいくつも現れて、すぐに一つ一つがピンポン玉からソウフトボール大の大きさになりトワに向かって降り注ぐ。


(おっ!?少し本気を出すか・・・・いや、それじゃあ参考にならないな。)


 トワが本気でやれば魔法の一撃で消せるが、強すぎる相手と闘うよりもギリギリで倒せない相手と訓練した方が成長が早いと言うトワは勝手な持論(闘いを見るなら強すぎるくらいが丁度いい)を持っているので今は二人合わせたよりも少し強いくらいで戦うという器用な真似をしていた。


(て言うかフランス語かよ!)


 トワは色々な国でおこなわれるアニメフェスに行くので数ヶ国語を大体わかるようになっていた。


「よし!【キャスキャード】・・・・!」


 フランス語で滝である。

 口にする必要は無いのだがファシアが叫んだことでつられてトワも言ってしまい恥ずかしそうに顔を赤くする。

 

 手を上げた先を中心に地面に書いた円に合わせて円錐状に呪文の名の通り滝のように水が流れ出す。

 落ちてくる火の玉は水に触れると流されていき円の外に落ちて爆発し土煙を上げる。


「ファシア!いい奇策だがまだまだ魔法の扱いがあまい!俺みたいに防がれる可能性を考慮して自分の意思で爆発出来るようにしておくべきだっな!」


「くっ!」


 途中で爆発出来れば水の流れを殺して内側に攻撃が届いたかもしれないことをトワの少しの助言でファシアは気が付いて悔しそうに頷く。


 土煙が舞う中でトワは少し驚いていた。


(シェンは凄いな!正面にいるのはファシアと人形の気配を発する魔力の塊か?魔力は持つのか?)


 トワは全部が魔力で出来た塊だと思っているが、実は人形の幕状に魔力で作り中に空気を入れたもの(人形の風船)だった。


(うん!隠れかたも合格かな。動き方もうまい!それにコンビネーションが素晴らしい。)


 トワは現在、気配察知をレベル3にしているために隠密を使っているシェンを見つけられない。

 隠密と気配察知は同レベルならば隠密の方が効果が強い。


 動き方と言うのは煙の中で動けば煙に不自然な動きが出て場所がばれるが、シェンは煙の動きに合わせて動いているので場所を特定されないうえ、煙の外からファシアが風魔法で気流を作りシェンの動きをサポートしている。


 トワはどこから攻撃をされてもいいようにソフトボール大の風の玉を2つ作り出してトワの顔の高さに浮かべてトワを中心にゆっくりと回している。

 

 シェンはトワの後ろにまわる。

 シェンがなぜ煙の中でトワの背中をとれたのかというと、それはファシアが土魔法でトワの周りの地面にビー玉ぐらいの大きさの幾つかのコブを作り、魔力を地中に通してそのコブと視覚を繋ぎ(潰されてもダメージは無い)トワの正確な位置を確認して、サポートしている風魔法に声を乗せて(対象にだけ聞こえるようにして)シェンに教えている。


 トワは土魔法に気が付いていたが、訓練なので二人の連携を見てから後で改良点を話そうと考えてあえて気が付かないふりをした。

 シェンはジリジリと近寄り一足飛びで届く距離まで近付き、剣を両手で構えて深呼吸をして胸の高鳴りを抑え飛び込む。


「ヤァァァァァァァァァ!!」


「不意討ちで叫ぶな!」


 トワは振り向きざまに用意していた風の玉をシェンの剣を持つ両手に向けて放つ。

 シェンは剣を両手で持って上段に構えて振りかぶってしまっているためにトワの攻撃に対処出来ずに、両手に喰らい両手を後方に弾かれて体を反らした無防備な格好になり、トワは両手で拳を作りシェンの頭を挟みグリグリと拳を回す。


「あぁ~痛い・・・・痛い!痛い痛い痛い!」


 シェンが剣を手放して苦悶の表情を浮かべてトワの両手を掴む。


「あっ!・・・ひっ!」


 トワが動こうとしたファシアの方に向けて振り返らずに風魔法の刃を飛ばすと少し手前の地面が抉れる。

 ファシアは風魔法か地面に当たると同時に腰を抜かして尻餅をつく。


「前も言ったよな!?さ・け・ぶ・な! せっかく背後をとって不意討ちを仕掛けているんだか静かに出来ないのか!?声を出したら今みたいに反撃されるだろ!?わからないのか!?」


 威圧たっぷりの笑顔で言う。

 シェンが痛みに耐えながら何かを言いたそうなので少し力を緩める。


「僕は勇者だから、背後から攻撃をするのは戦術だから仕方無いけど暗殺者じゃないから、せめて正々堂々と宣言して攻撃をしたいんだ!・・・・・本当は向かい合って正面から一対一で戦いたたたたたたた!」


 シェンは拳で頭を挟まれ地面に足がつかない宙ぶらりんの状態で再び痛みに叫びだした。

 トワは甘っちょろい事を言うシェンに苛立ち再び拳に力をこめる。


「甘いことを言ってんじゃねー!正々堂々と戦いたいだ?遥かに強い格上相手に正々堂々と戦って、それで負けましたじゃ済まされないんだぞ!」


(まあ、俺も男だからシェンの意見もわからないでもないが、それでも言わなくちゃならない。・・・・くそ!なんかイライラする。同族嫌悪ってやつか?)


 トワも元々オタクだヒーローや勇者に憧れたこともあるし二次元にトリップして格好よく戦う自分を想像したことだってある。

 しかし、現実は甘くないことは世間の荒波で生きて知っているし、何でもかんでも格好よくなるのは物語の中だけだってこともわかっているから、そんな甘っちょろい戯れごとはとうの昔に捨てていた。

 しかし、目の前で自分が捨てた戯れごとを迷い無く語る少年を見てトワは苛立ちが隠せない。


「勇者の自覚をしろ!お前の使命は何だ!格好よく魔王を倒すことか?違うだろ!魔王を倒すことだろ!」


 トワはシェンを放す。

 シェンはトワの言葉に唇を噛みしめながら頷く。


「お前は魔王を倒すまで生きなきゃなんねーんだ!例え格好悪くても!地面を這いつくばっても!人に後ろ指を指されようとも!お前は生きなきゃなんねー!誰かを犠牲にしてもだ!お前が死ねば被害は何百何千なんてもんじゃない!何万以上だろう。お前はこの国、いや、全ての国の人々の暮らしと命を背負っているんだ!その事を忘れるな!」


「はい!」


 シェンは涙を目に溜めながらトワの目を見て強く頷く。


「まだ8歳のお前には辛いかもしれないがお前なら出来るさ、俺が必ず強くしてやる」


 シェンの頭を撫でながら口調を優しくして言う。


「うあ゛ぁ゛ぁ゛ー!」


 シェンは泣きながらトワに抱きつく。


「うん、強く言い過ぎて、ごめんな、・・・泣けるだけ泣きな」


 トワは軽くシェン背中をトントンと叩く。


(これで、こいつはもうバカな真似はしないだろう。ふふふ、こいつが魔王を倒してくれるから俺は静かに平穏に暮らせるな)


 この時トワの口元がニヤけていたのは誰も知らない。









 






 


 





 




 今回も読んでくださりありがとうございます。


 何か前から思ってたんですが、全員キャラがブレまくりでごめんなさい。


 トワを腹黒にし過ぎた気がします・・・・・・・・。

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