会食?
奴隷が主人の意見を変えて返事をするのがおかしいと言う意見が多かったので最後の会話を少し変えてみました。
まだおかしい点がありましたら言ってください出来るだけ直します。
色々と迷惑をかけてすみません。
会食をする部屋に入り椅子に座り、食事が運ばれるのを他愛もない会話をしながら待った。
これぞ王族って感じの長方形で長いテーブルに座っている。
部屋はトワ達の後ろと女王側の後ろの二ヶ所に大きめな扉がある。
座る順番はトワの左側にアイリ、リーネが並んで座り座り、右側にはクラインが座っている。
トワの対面に女王が座り、アイリの前には少年勇者がクラインの前には公爵が座っていた。
何故、公爵まで来たのかを考えると確かに女王とはいえ8歳の子供なので、保護者同伴って事の様だ。
食事は凄く旨かった。
アイリとリーネを見ると満面の笑みを浮かべている。
料理はコースの様に一品ずつ運ばれてくる様だった。
その後、会食は恙無く終わり食後に出された紅茶の様なものを飲んでいると公爵が俺に質問をしてきた。
「そう言えば、トワ殿はアイテムボックスをお持ちの様ですが、武器を持ってはいなかった様ですね、普段は無手で戦うのですかな?」
トワが武器を借りた事が気になっていたらしい。
「ハハハ!公爵よ何を言っておるのじゃ。《剣神》の二つ名を持つものが無手のわけが無かろう」
女王が笑いながら公爵の疑問に答える。
「それもそうでしたな、ワハハハ!はて?ならば何故、御自分の剣を御持ちでないのですかな?」
「そんなもの手加減をする為に決まっておろうが」
「なるほど、流石ですな。しかし、アイテムボックスにも無かったのは何故ですかね?」
何が流石なのか分からないがトワを抜きで話しが進んでいく。
(それにしても女王の態度が急変し過ぎじゃないのか?それともこの世界の女性は心変わりが早いのか?アイリもそうだったし)
アイリはまだトワにその辺の事を話していない。
トワも嫌われるのならば理由は知りたいが好かれるのならば良いかとアイリに聞かないでいた。
女王はアイリとは違い恋ではなく違う感じでなつかれている気がする。
なつかれていると思ったのは何も態度だけではなく何かキラキラした目で見られているからだ。
何故か少年勇者がそんな女王の隣でトワの事を凄い睨んでいた。
(俺、女王にそんなフラグを立てた覚えは無いんだけどな?しかも少年勇者は何で睨んでいるんだ?)
そんな事を考えていると勘違いをしている二人(話しをしていた女王と公爵)の会話にクラインが入った。
「ワハハハ!二人ともここは城ですぜ、剣なんか持ってこないでしょう」
(テメーは理由知ってんだろが!)
等と言う感情は表に出さずに大人の対応を心掛けて笑顔で答えた。
「実は先日、魔人とやりあった時に折れてしまったんですよ」
「おーそうであったか」
「なるほど、でしたら我が国の騎士団御用達の店を紹介してはいかがですかな殿下?」
「それは、良い考えじゃ!」
公爵の意見に女王は手を叩いて賛同する。
「それは有り難いです」
「どれ程の物かを見ていただきましょう」
そう言うと公爵が手を二回鳴らすとメイドさんがやって来てその人に話しをすると暫くして数本の剣を騎士達が持ってテーブルに置くと一礼して部屋を出た。
騎士とは兵士より上の階級の者達でその者達が使うだけあって全て魔武器だったが質が悪かった。
魔武器とは武器に魔力を流したり纏わせやすい武器で中にはアイリの持つ物の様に炎や冷気を纏ったりすることもできる。
俺は置かれた数本の剣を手に取り鑑定をしてから静かにテーブルに置く。
「いかがですかな?」
公爵のその問いに首を振って、
「失礼ですがこれでしたら私の知っている鍛冶師の方が腕が上ですね。それで、これは何から作られているのですか?」
「やはりダメですか。これはですなAランクのワイバーンの牙から作られた物です」
ワイバーンとはドラゴンを小さくしたような魔獣た。
公爵はトワが断る事をわかっていたらしく苦笑いをしていた。
「ワイバーンですか、私が使っていたBランクの魔獣から作られた物の方が良いですね」
公爵は苦笑いをしたまま話しをする。
「魔術工房を使えるのが他に居らんのでな」
魔術工房とは俺の屋敷にある様な魔道具でできている工房の事を言う。
Bランクまでの魔獣の素材は普通の工房で加工できるがAランクを越えると魔術工房でしか加工ができないらしい。
「使えないAランクの武器より使えるBランクの武器だと思うんですが?まともなのは他の都市にもいないんですか?」
「この国には居らんな。隣のガルエカならばドワーフが多いので居るかもしれんが他国からはなかなか来んのじゃよ」
(何かさらっと家の工房で働けそうなのが見つかる場所を知った気がする)
「自分で気に入ったのを探してみます」
腕を組んで考え込んでいた女王が何かを閃いたようにテーブルに身を乗り出して、
「ならば、防具はどうじゃ!」
「防具でしたらありますので」
そう言うとアイテムボックスからダークドラゴンから作った革の鎧を出した。
「おお~、艶のある黒の鎧とは綺麗じゃの!」
「トワ殿、これは何で出来ているのですかな?」
女王は鎧を撫で、公爵は鎧をまじまじと見ている。
「これはダークドラゴンから家の者が作った物です」
ここまで言ってトワは違和感を覚えた。
(ん?何でドズとギムはこれが作れたんだ?)
防具も武器同様にAランク以上の魔獣の素材は魔術工房でしか加工ができないのだ。
そして、家の工房は勿論、魔術工房だ。
(防具の魔術工房は使える人が多いのかな?)
「その者達は何者ですか?魔術工房を使える者など騎士団御用達の防具屋位ですぞ」
多くはなかった。
「家にいる奴隷でドズとギムと言います」
公爵の顔が驚きのまま固まった。
「まさか、あの兄弟がトワ殿の奴隷になっていたのですか。しかし、あの兄弟ならばこれぐらいは出来るでしょう」
「二人をご存知なのですか?・・・と言うかあの二人兄弟!」
アイリとリーネは知っていたらしく驚いてなかった。
(皆で仲良くするのは良いことだけど俺を仲間外れにしないでほしいな)
そんな事を考えながらアイリとリーネの方を見ていると二人とも静かに逆を向き顔を反らした。
防具の事を提案した女王は面倒な話しには入ってこないで横にいる少年勇者とイチャイチャしていた。
(この二人付き合ってるのか?確かに勇者が魔王を倒すと姫とかと結婚するのがテンプレだからな)
トワがそんな事をしていると公爵は真面目な顔で話し始めた。
「その二人は少し前までこの王都で騎士団御用達の店をしていました。しかし、ある時彼等は防具製作の依頼で持ち込まれた素材を裏で他国に転売している疑いをかけられたのです。彼等は否定し続けましたが、ある時他国に転売している商人が捕まったのです。その商人が持っている荷物にその素材があり商人が二人から買ったと言ったのです。その事により二人は奴隷に落とされてしまいました。我々は商人の証言から殆んど調べもせずに奴隷に落とした事を不振に思い独自に調べようとしましたが我々が事情を聞く前に二人を何処かの奴隷商に引き渡したらしく探せませんでした」
「奴隷に落とされてからじゃ遅いんじゃねえのか!」
何か良い事を言っているようだが自分達は悪くないと言い訳をしている様にしか聞こえなかった。
「確かに遅いですが、もし冤罪ならば私か陛下が契約をして今まで通り働いてもらうつもりでした。勿論死後は解放の契約をしてです。それで、最近になって黒幕が分かったのです」
「へー、誰ですか?」
何か話を聞いていたら苛ついてきた。
「ロッテン伯爵じゃ!トワ殿が殺してくれたお陰で奴の屋敷を調べる事が出来て色々と証拠が出ました」
あの野郎を思い出して怒りが沸くが死んだ奴を気にする事は無いかと心を落ちつける。
「もし、二人が今からでも城で働きたいと言ったらそうさせてくれますか?」
公爵に聞いてみた。
「勿論です。その時は是非に」
帰ったら二人にこのまま家にいるか、城に行くかそれとも店を出してやるかを聞くことにした。
(お金はあるから店を出させてやるのも良いな)
「わかりました。帰ったら二人に聞いてみます」
トワと公爵の話が終わると直ぐに女王が話し始める。
「訓練の方はしてもらえるのかの?」
一度断った少年勇者を鍛える話しをまた持ち出してきた。
「やりません!」
「勿論、ただとは言わん一日そうじゃのう・・・・・白金貨1枚・・・でどうじゃ?」
女王は公爵に金額を確認して言ってきた。
「お断りします」
断固として断るトワから矛先をアイリとリーネに向けた。
二人が頷けば俺が残る事を見越したらしい。
「そちらの二人はどうじゃ、長旅で大変じゃったろう?トワ殿が訓練の依頼を受けてくれれば城に泊まってもらってもよいぞ、部屋も用意するし風呂もあるぞ、それに夜は誰にも気にせずに楽しめるぞ。宿ではそうはいくまい」
(この女王は随分とマセガキだな!)
アイリとリーネは随分と話しに食い付いていた。
女王の横で赤くなってもじもじしている少年は無視だ。
アイリとリーネの食い付きが良い事を確認すると俺に向かってニヤリと笑い勝ち誇って最後のカードを切る。
「帰りは馬車で送るぞ!勿論、御者をつけるから帰り道は馬車の中でずっとイチャイチャ出来るぞ?どうじゃ?」
アイリとリーネは勢いよくトワを見る。
トワは嫌な予感がするが顔に出さずに笑顔で二人に聞く。
「なんだ?帰るよな?直ぐに?」
「トワ様!少しの間だけで良いんですよ、そうすれば帰り道も楽しいです!」
「ご主人様は私達とイチャイチャしたくないんですか!」
二人は期待をこめたキラキラした目で俺を見つめる。
「は~、分かったやるよ。アイリもリーネも今夜は覚悟しろよ!それで訓練の依頼は何日ぐらいだ?」
二人にそんな目で見られて断れなかった。
(惚れた弱みってやつだな)
面倒事を受ける切っ掛けになったアイリとリーネに今夜お仕置きをする事を心に決めた。
それに、暫く風呂に入ってなかったのでそれも魅力だったのでまあ良いかと苦笑いをして諦めた。
「受けてくれるのじゃな!30日位頼む!」
「なが!・・・・・まあ、受けた以上やるよ」
トワはイタズラを思い付いた子供の様にニヤリと笑い随分と長い依頼を受けることにした。
「何か嫌な予感がするが、二人で頑張ろうぞシェンよ!」
「・・・うん、頑張ろうシアちゃん」
女王は何かあると考えているがどうにかなると楽観的に考えて笑顔で喜んでいた。
少年勇者はさっき死にかけた経験から凄く嫌な予感がしていたが隣で喜んでいる女王を見てまあ良いかと頷いていた。
「ん?二人って?」
「妾も一緒に訓練を受けるぞ。妾も勇者のパーティーじゃからな」
「え?」
驚いて公爵を見ると苦笑いで頷いている。
「お二人は恋人同士なのですか?」
アイリが女王に聞いた。
「そうじゃ!妾は魔王を退治したらシェンと婚姻を結ぶのじゃ!」
(なるほど、だからさっき少年勇者に睨まれたのか。自分の恋人が他の男に熱い視線を送ってたら嫌だよな)
「わかりました。二人まとめて鍛えましょう。その代わり怪我をしても文句は言わないでください」
「「はーい!」」
明日からの事を考えると口元が緩んでにやけてしまう。
トワはにやけた口元を隠す様にで押さえる。
そんなトワに誰も気が付かない、何故ならアイリとリーネは顔を赤らめて何処かをボーッと見ているし女王と少年勇者は二人で手を取り合って喜んでいる。
公爵はそんな二人をお祖父さんの様に見ていた。
クラインは紅茶の様な物と一緒に運ばれてきたクッキーの様なお菓子をひたすら食べていた。
トワは長く居るつもりが無かったのでフラウ達に帰りが遅くなる事を伝えなくてはと思い、冒険者ギルドなら何か手段があるのではとクラインに聞いてみる。
「クラインさん、ペルイトに連絡出来ますか?」
「んあ?ああ、出来るぞ!」
「じゃあ、事情を家の者に伝えてもらえるように言っておいてください」
フラウ達に今回の事情を連絡をしておいてもらうことにした。
「わかった任せろ!」
クラインは自分の胸を叩いて言った。
「フラウ達元気かな?」
トワは天井を見ながら呟いた。
シェンヤ 人間 8歳 Lv39
スキルポイント88
HP:800/800
MP:200/200
STR:880
DEF:890
INT:820
DEX:850
AGI:830
LUC:50
スキル:
剣術Lv3
隠密Lv2
気配察知Lv2
光魔法Lv3
特殊スキル:
魔力操作
ユニークスキル:
勇者の心
《光魔法=光を操る魔法》
《魔力操作=魔力を操り具現化して武器等を作る事ができる。使用時間は慣れにより変わる(練習をすればするだけ長くなる。》
《勇者の心=レベルアップ時ステータスの上昇率がランダムで上がる。更に戦闘系スキルの取得及びレベルアップ確率が上がる。効果範囲は自分とパーティーメンバー》
ファシア=メリトス 人間 8歳 Lv35
スキルポイント75
HP:600/600
MP:750/750
STR:600
DEF:550
INT:780
DEX:800
AGI:700
LUC:40
スキル:
棍棒術Lv3
気配察知Lv3
火魔法Lv3
水魔法Lv3
風魔法Lv3
土魔法Lv3
ユニークスキル:
女王の覚悟
《女王の覚悟=相手の攻撃系以外のスキルでの本人に対しての攻撃(毒や精神攻撃等)を無効化する》
次は本編から外れます。




